当事務所用)「前期末に納税あり、当期予定(中間)納付あり、当期末に未納あり、予定納付額>期末未払額で翌期に還付あり」のケースで、JDL IBEXクラウド組曲Majorの法人税申告書システムで確定申告書を作成する際の手順は?
問題の所在
法人税申告書の難所は、「中間納付の金額 > 期末未納額の金額」のケース。
別表はしょせんワークシートなので、税額が合えばどの用に記載してもよく、いろいろと意味をもたせようといろいろな記載方法が紹介されているが、、、かえってわかりにくい! (^^)
わかりにくい点なのでこの点にフォーカスした書籍も多いが、実際のケースでは不可避に生じる均等割35,000円を織り込んでないものが大半で、結局、仕事として申告書を作成する際には使えない本が大半である。
実際、本を片手に計算するのは毎回大変なため、割り切って、JDL IBEXクラウド組曲Majorの法人税申告書システムでルーチン化することにした。
結論と理由
ポイントは以下:
(↓税務ソフトに、ルーチンの入力をする。未払法人税等も均等割分の35,000円で確定済のため、計上しておく)
(↓ただし、別表五(二)の予定納付金額は全額を仮払金処理にしておくと修正が以下の1回で済む)
↓PLと前年の納税金額一覧とから、電卓で、
@@課税所得A=PL税引前当期純利益▲事業税等【前期末納付分】▲事業税【予定納付分】
@を算出する。
↓税務ソフトで、別表四の「合計 34」がその金額Aに一致するように、上の冒頭の当期利益に仮入力し、納税金額一覧を作成し、法人税等a/cの各内訳金額を確定する。
↓年税額→会計ソフトに戻り、法人税等a/cの決算仕訳を計上する。
↓年税額→税務ソフトに戻り、別表五(二)で、予定納付金額を、還付される分と期末納税に充当される分とに分離する。なお県税分と市税分の入力に留意!
↓別表五(二)で、予定納付金額を、還付される分と期末納税に充当される分とに分離する。
↓上ので、BS、PL、別表五(一)、五(二)は整合済。なので残りの別表四の冒頭の当期利益をPLに一致させて完了 ★上の青太字を忘れるともう一回調整し直すことになる
★以上の方法だと、仮払税金認定損、未収国税、未収県税、未収市税の各金額や記載場所などの別表五(一)周りは、税務ソフトが自動でやってくれる!
STEPは以下の通り:
1)JDL IBEXクラウド組曲Major 法人税申告書システムの、入力設定を再確認
2)JDL IBEXクラウド組曲Major 法人税申告書システムを、左側メニューを上から順番に入力
3)電卓で、課税所得を算出
4)別表四の中段の「合計 34」を上の2)の金額にし、納税金額一覧を算出
5)弥生会計AEに税金仕訳を計上
6)別表五(二)の仮計上を、上の3)を見て損金経理とに分離
7)別表四の中段の「合計 34」を上の2)の金額にし、当期利益がPLと一致していること
1)JDL IBEXクラウド組曲Major 法人税申告書システムの、入力設定を再確認
以下のノーマルな設定どおりになっていることを確認:
2)JDL IBEXクラウド組曲Major 法人税申告書システムを、左側メニューを上から順番に入力
冒頭の別表五(二)は、
・中間分は、いつものように
→ 直接ダブルクリックして法人税と地方法人税の金額を入力
→ 左列のメニューの「地方税の既納付額入力」から入力
この段階では、後述のあるべき課税所得を算出するため、便宜的に全額を仮払経理④の列に仮計上しておく
(ここまでで、別表五(一)、別表四には自動で仮計上される)
3)電卓で、課税所得を算出
有るべき所得金額=別表四 「合計 34」の金額は、
弥生会計AEと、前期の納税金額一覧を見て、
★上の図は赤枠線が誤って税引後当期純利益にかかっているが、正しくは税引前当期純利益★、
電卓で、
課税所得A=成行きPL税引前当期純利益766,690円ー事業税等①【前期の期末分】107,200ー事業税等②【当期の予定納付分】53,500円
=605,990円
4)別表四の中段の「合計 34」を上の2)の金額にし、納税金額一覧を算出
当期利益を入力前の、成行きの別表四は以下:
+
成行きの「合計 34」の金額が、▲125,698円のため、上の605,990円になるように、差額の+731,688円を、この上の行のどこかに入力するが、まあ無難に冒頭の当期利益欄にオン:
すると以下のように、当然に「合計 34」の金額が置き換わる:
ここで、急いで、納税一覧を出力! 右上の、入力終了→納付税額 をクリックし、pdfに固める:
5)弥生会計AEに税金仕訳を計上
上の納税金額一覧から、当期の法人税等a/cの金額205,100円を起票:
★なお未払法人税35,000円を、この時点で、JDL法人税ソフトの左たてスペースの末尾の「別表四と別表五(一)の最終調整」ー「納税充当金の計上処理」で計上してもよい。
6)別表五(二)の仮計上を、上の納付税額pdfを見て、損金経理とに分離
上の納税金額一覧を見て金額を分離入力していくのであるが、上のオレンジ枠線のところは容易だが、上の赤枠線のところは還付と計上が交差するため難しい。
コツは、上の青枠線であり、すべての中間の4つの行の右端の列がゼロ円になるはずなので、そうなる金額を入力する!
7)別表四の中段の「合計 34」を上の2)の金額にし、当期利益がPLと一致していること
別表四の、成行きの「合計 34の金額が、+776,090円のため、605,990円になるように、差額の▲170,100円を、冒頭の当期利益欄にオン:
これはPLの税引前後期純利益561,588円に一致!
後は、いつものモロモロのchを(例 PL、BS、検算など)
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各種画面は以下のとおり:
↓
【2024/5/28追記】
上の結果、最後、納税一覧を回して、「年税額」が直前版から不変であれば、均衡点の解が得られている。
ただ、、、、まれに、「年税額」が変化してしまうことがある! でも大丈夫!
ただ、それでも大枠は合っているはずであるので、おちついて以下の調整をして、新たな均衡点の解をgetする。
① 最新の「納税一覧」で、上の、JDLの法人税ソフトの、
6)別表五(二)の仮計上を、上の納付税額pdfを見て、損金経理とに分離
をリトライする。
② 弥生会計 の未払法人税の仕訳の金額を修正する。(→税引き後当期純利益の金額が変わる)
③ 戻って、JDLの法人税ソフトの、別表四の冒頭の税引き後当期純利益の金額を上の②に置き換える。(→法人税ソフト内で一気に再計算がなされ、新たな均衡点で税額が算出される)
④ また納付税額pdfを固めて、直前版の金額と比較する。
⑤ 上の④で好運にも税額が一致していたら、ここでオワリ! 不幸にもずれていても、めげずに、上の①から④を繰り返す
↓
なお、寄付金がある場合にも、上の延長に過ぎない。
すなわち、上の状態から、
⑥ 寄付金関連の入力をし、
⑦ 上の①から⑤を繰り返す、
だけ。
補足
一番怖いのは入力間違い!不一致で填まったら、焦らずに以下の記事で再ch:
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なお、仮払税金認定損については以下の記事でも触れているが、こちらでは「支払った金額の全額」を計上する説明であるが、
上のケースとフィットしないので、別物としておく。
【2022/11/7金額一か所訂正】法人の確定申告書の金額記入)当期に「中間納付あり+期末は均等割のみ」の場合の、①当期の別表四の書き方は?
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