【2024/10/29微調整】法人事業概況説明書の、おもて面と裏面の「従事員」のカウントの仕方は?

問題の所在

以下の事例:

・当社(K社。社長はH氏でここで常勤役員。)が、東北地方での案件受注目的で、過去にG社を買収した。

・G社の代表取締役はH氏。ここでは非常勤役員。

・そしてG社の従業員はゼロ ★受注が発生したらK社へ丸投げするため。G社の経理はK社の経理担当が処理するため。

ここで、法人事業概況説明書の書き方が問題となる。

すなわち、最新のひな形は以下:

法人事業概況説明書

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/010705/pdf/180401_02.pdf

以下の箇所に明記してある。

法人事業概況説明書の書き方

具体的には以下の通り:

 

おもて面「4 期末従事員の状況」

常勤役員以下の空欄には該当の職種を記載するとともに、それぞれの人数を記載してください。
(職種の記載例)
工員、事務員、技術者、販売員、労務者、料理人、ホステス等

・計のうち代表者家族数
期末従事員のうち代表者の家族の人数を記載してください。
(注) 同居、別居は問いません。また、代表者本人は含みません。

 

うら面「18 月別の売上高等の状況 ー 従事員数」

・・・・・・

5 「従事員数」欄には、その月の俸給・給与及び賞与の支給人員(役員を含みます。)を記載してください。

===============

G社の場合、

・おもて面「4 期末従事員の状況」は、

非常勤役員の欄がないことと、従業員はゼロなので、全部0?

でもPL上、役員報酬は120万円(@10万円/月)計上しているのと整合しない。

なお、

・うら面「18 月別の売上高等の状況 ー 従事員数」

は、税理士実務上、空欄にするのでスルーする。

 

結論と理由

以下の通り。

 

おもて面「4 期末従事員の状況」

「非常勤の役員」はカウントしない。★報酬の有無は考慮しない。

理由)以前のひな形にあった「非常勤役員」が現行のひな型では削除されているため

なお以前は、監査役が必須であったが、法改正で、監査役なしの期間設計に移行した会社が大部分である。

 

うら面「18 月別の売上高等の状況 ー 従事員数」

無報酬の役員はカウントしない。★常勤か非常勤かは考慮しない。

理由)上述の国税庁のhpの記事でダイレクトに指示があるため。

 

補足

おもて面「4 期末従事員の状況」について派生論点として、上の労務者に「個人事業主(外注者)」が含まれるか否かが問題となる。

この点に関し、

①「法人事業概況説明書」「外注」「個人事業主」でググってみたところヒットしない、

②計の下の行に「計のうちアルバイト数」があるので、給与所得者を前提にしていると見える、

ことに鑑みると、「従業員ではない外注者はカウントしない」と整理する。

  • なおここでいう「アルバイト」は直感的には社会保険には未加入の者が該当すると判断する。