消費税の中間納付金額を、国税分と地方税分とに2分する計算は?

問題の所在

消費税の確定申告書を作成する場合、中間納付金額があれば、それを、国税分と地方税分に分割して記載する必要がある。

前年も当事務所で確定申告をしていれば、前年の決算時に、当期の中間納付金額も国税分と地方税分とに分けて印字されるので、問題ないのであるが、引き継いだ客先のようにわからない場合、

  • 税務署から中間納付時に、中間決算資料とセットで納付書が郵送されてくる場合には、その資料中に、消費税の中間納付金額が、国税分と地方税分とに分けて記載されているので、クライアントからそれをgetしればオワリ、
  • そうでない場合には、、、、計算で按分するしかない。

後者の場合、国税分と地方税分との比率が、単純に 1:4 というわけではないため、計算が複雑である。

 

結論

以下の通り。
なお、いずれも、消費税率10%

1.中間納付が年1回の場合

税率10%の場合

① 消費税額(国税)の計算
中間納付額全額×78/100+78円(百円未満切捨)
または
中間納付額全額×78/100ー22円(百円未満切上)

② 地方消費税額(地方税)
消費税額(国税)×22/78(百円未満切捨)

 

2.中間納付が年3回の場合

税率10%の場合
⑴ 消費税額(国税)の計算
 ① 1回あたりの納付額
    中間納付額全額÷3×78/100+78円(百円未満切捨)
      または
   中間納付額全額÷3×78/100ー22円(百円未満切上)
 ② 年額
   上記⑴①×3回
⑵ 地方消費税額(地方税)
 ① 1回あたりの納付額
     上記⑴①×22/78(百円未満切捨)
 ② 年額
   上記⑵①×3回

 

理由

以下のブログ記事による:

 

消費税の中間納付額の国税と地方税の内訳の計算方法①(計算式)

消費税の中間納付額の国税と地方税の内訳の計算方法①(計算式)

 

年3回の中間申告(三月中間申告)を行っている場合の内訳の計算方法

一月中間申告・三月中間申告の中間納付額の国税と地方税の内訳の計算方法

 

補足

以前、消費税率8%のときには、もっと複雑な計算だった記憶があるが、10%になった現時点では、これでもスッキリしている。