通勤費は、給与手当a/c? それとも 通信交通費a/c ?

1.問題の所在

通勤費は、給与手当と合算で振り込まれますし、給与支払と切り離せないものです。

→このを重視すると、PL上、給与手当a/cに含めて計上するのがベターな気もします。

他方、消費税法上、給与手当は非課税取引である(→消費税の計算上、控除できない)が、通勤費は課税取引である(→消費税の計算上、控除できる)。

→したがって、通勤費をPL上、給与手当a/cに含めてしまうと非課税取引となり、仕入れ控除できない(=消費税の計算上、損になる)ので、両者を分離して計上するのがベターな気もします。

 

2.結論

毎月の仕訳(月次試算表上)、及び決算書のPL上は以下のようにする:

・給与手当 → 「給与手当」a/c (←会計ソフトの設定上、不課税仕入)

・通勤費 →  旅費交通費a/c、通信交通費a/c (←会計ソフトの設定上、課税仕入)

財務分析の際には、以下のようにする:

・給与手当 → 給与手当a/c

・通勤費 → 給与手当a/c

 

3.理由

決算上は、やはり消費税の扱いを最優先。

帳簿外の財務分析で、給与(=固定費)に含める。

 

4.補足

ちなみに、、、いわゆる所得拡大促進税制の計算上、この通勤費は給与総額に該当するか否かについては、毎年の計算上、継続的に適用することを条件に、含めても含めなくてもよいことになっている。

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudaiguidebook.pdf

また、通信費と交通費を分離して把握したい場合には、通信費a/cと旅費交通費a/cとに分離した上で、通勤費は旅費交通費(通勤費)という名称で会計ソフト上、設定すればよい。