当事務所用)L様用)法人税での更生の請求書を提出する一式の作業は?

問題の所在

更正の請求を、以下の事例で実施する:

前提1)以前より、外国株式から受領する受取配当金から、国外源泉所得税が控除されてきた。

前提2)この分を、租税公課a/cで損金処理してきたが、外国税額控除に変更した。

前提3)そのため、過年度分を更正の請求をすることにした。

今後の利活用の都合、作業マニュアル的に備忘メモ。

 

結論と理由

以下の通り:

 

基本は、以下の国税庁のhp

「更正の請求書」

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_8.htm

上のリンク先のポイントは、

・要提出物は、A)その更正の請求書、B)添付書類

・上のリンク先に、添付書類の提出がサラリと求められている:

>[添付書類・部数]

>取引の記録等に基づいて請求の理由の基礎となる事実を証明する書類を添付してください。

 

作業インフラ

更正の請求書 → JDL IBEXクラウド組曲Major 電子申告ソフトで、作成・提出が可能。

イメージ添付ファイル → 同上で可能

★以下の記事のリンク先に 国税通則法23条にもとづく更正の請求での利用が可能な旨が記載されている:

イメージデータにより提出可能な添付書類はどれ?財務諸表や勘定科目内訳明細書はダメなの?

 

添付書類の構成をどうするか?

・証跡に加筆等はしない前提ゆえ、監査調書のような作りぶりはパス

・A4ワードの説明書をトップにし、必要に応じて、証跡(例 配当金通知書)と、資料(例 GL)。

・(電子申告別添送付票と異なり)イメージ添付ファイル方式だと、ファイルごとの説明書きは不要

 

別表の添付の要否の方針

・別表を作成することは(修正申告のように)明文では要請されていないが、説明しやすいので作成する

 

別表の作成方法

・以下の記事を参照。以下、以下に追加入力量を節約するかの観点から:

当事務所用)法人税の更正の請求の添付資料用に仮の別表を作成する場合、JDL IBEXクラウド組曲Majorでダミー会社を作れるの?

・なお、過年度分を起動する際には、
(法人税申告書ソフトのメニュー画面「10.処理対象年度の変更」から入ると、他社の最新年度の作業時に混乱するので)
manager → 会社マスタの当該ダミー会社、から、対象の過年度をダブルクリックして表示させるのがベター。

 

(別表の、作成対象と、作成方法)

別表一

・更正の請求書の中央部分の記載と対応するため、作成。

・当初申告分で税務署に保管済のものとある程度整合させるため、以下の点を注意

事業種目:入力場所がわかりにくいが法人基礎から追加入力する。

同族会社に〇を印字:別表二に、判定欄に1と、その他欄に株数、の2か所の入力で足りる。

適用額明細書の〇を印字:入力基礎で、適用額明細書を選択(□にレ)する。

代表者の記名と読み方の印字:いつも通り、印刷画面から設定する。

別表四

・別表一の冒頭の金額のリンク先として入力はするが、提出はしない(∵加算減算の欄を表示させるには、もう他のほとんどの別表を入力しないといけなくなるから)

別表六(二)、別表六(四)

・当初申告で未作成であったため、作成。

・税額控除の繰り越しは想定されないため、外国税額控除の別表は、別表六(二)、別表六(四)の2つのみ。

別表六(二十五)、別表六(二十六)

・たまたま所得拡大促進税制の税額控除の金額が変わったため、別表六(二十五)

 

(別表のうち、エクセルの下書きを要するもの)

別表一

エクセルで作り、それから代入する感じで(∵作業上、何度も修正が入るため)

・なお、別表一の「法人税額(2)」の金額が、なぜか、エクセルでのそれと、JDL IBEXクラウド組曲Major 法人税申告書システムでのそれとで、数百円、異なる (^^♪
→ 後述の通り、別表一を税務署に提出するため、エクセルの方は計算上の金額と、別表一の金額を併記しておく。

別表六(四)

配当金に10%乗じた金額が、国外源泉税額になるハズであるが、みずほ信託銀行の計算上、端数切捨てで計算するため、JDL IBEXクラウド組曲Major法人税申告書では、端数切捨ての金額を上書き手入力する羽目になる (^^♪

 

添付書類のうち、証跡

・損金経理した証拠として、GLの租税公課a/c、法人税、住民税及び事業税a/c

・取引のエビデンスとして、3年分の配当金通知書の全件

・別表六(二)「その他の国外所得から生じる当期利益」の金額の証拠として、GLの受取配当金a/c

 

更正の請求書

・JDL IBEXクラウド組曲Major 電子申告システム の場合、同一のお客様の箇所に、該当年度ごとに作成する。

・先にゴール感として、記載例は以下:

・なお様式の中央部分が、令和5年前後で変わっているが、作成方法は殆んど不変

・記載のポイントは、上の3つの色枠線のところで、

1)赤枠線
→ 金額欄の記載は、以下の書籍を参照した ★その前は、つい還付金額(21)に、231.900 と入力していた (*^^*)

なお19の行の金額欄は、正しく百円単位で入力するようボンヤリ表示される仕様になっている
(ただし、当事務所では、別表一を入力して算出するので、参考程度 (^^♪)

2)、3)みどり枠線 と 青枠線
→ 直感的に記載した。大過ない部分。

 

イメージ添付ファイル

・外国税額控除の更正の請求は、イメージ添付ファイル提出の対象であるため、特記事項はない。

・せいぜい、更正の請求は過去の複数年分をまとめて請求することが少なくない(今回もそう)。
なので、A4ワードでの説明文は共通的に1つを作成し、各年度ごとにイメージ添付ファイル化する。

 

税務権限代理証書

・更正の請求の対象年度ごとに作成することになる(今回だと、3つ)

 

補足

ググると、所得税の更正の請求書についてはたくさんヒットするが、他の税目ではほとんどヒットしない。

せいぜい、参考になる記事は以下だが、これも所得税 (*^^*):

「更正の請求」をする際の注意点

「更正の請求」をする際の注意点