営業所を新設したときに、税務署・県税・市税へ「異動届出書」を提出しなくていいのはどのようなケース?
問題の所在
以下の事例:
・本店は神奈川県川崎市
・支店を、栃木県足利市に新設
↓
(会社が本店を移動したら、異動届出書を提出するが、)営業所を新設した場合、それが本店の管轄の税務署と異なる場合でも、分割所得の計算で、税金はトータルでは増減しない気がするので、提出しなくてもいい気がする。
でも、東京都のhpをみると(=他の県も市同様ですが)、提出には登記事項証明書を添付しろとある。(でも、、、当該営業所の新設を会社側が登記していないなら、提出すべき書類がない→異動届出書を提出できない ( ;∀;))
もちろん保守的に、「なんでも提出しておけば間違いない」論もあるが、、、届出書のフォームを念のため調べた際の備忘メモ。
結論
この事例の場合、異動届出書の提出の要否は、
・国税 → (本店の国税である)川崎南税務署 → 不要
・県税 → (本店の県税である)川崎県税事務所 → 提出
・県税 → (新設の支店の県税である)宇都宮県税事務所 → 不要
・市税 → (本店の市税である)川崎市税事務所 → 提出
・市税 → (新設の支店の市税である)足利市税事務所 → 提出
理由
まず、法務上の手続きとして、意外であるが、支店登記はマストではない。
そして、税務上の手続きは、上の当該支店を登記したか否かで分かれる。
なお以下の記載上は、支店登記の有無で区分するとわかりにくいので、提出先で区分して記載する。なお同じ色の記載は同じ内容を意味する;
1.税務署(国税)への提出の要否:
1-1.支店登記を行わない場合
→提出しない。
1-2.支店登記を行う場合
→提出する。& 履歴事項全部証明書を添付して。
2.都道府県(県税)への提出の要否:
★支店登記を行わない場合、履歴事項全部証明書では支店が確認できないため、支店の所在地や設置日がわかるもの(例 賃貸借契約書)の提出を求められることがある:
2-1.本店と同一都道府県内に、支店を新設する場合
・本店の管轄の県税事務所へ、新設の旨の異動届を提出する & mし登記したら、履歴事項全部証明書を添付して。
★(本店と同一都道府県内であっても)別の管轄の県税になったら、そちらへは提出不要
2-2.他の都道府県内に、支店を新設する場合
・本店の管轄の県税事務所へ、新設の旨の異動届を提出する & もし登記したら、履歴事項全部証明書を添付して。
・支店の管轄の県税事務所へ、 ★本店と別の管轄の県税になっても)支店を新設した旨の「法人設立・法人設置届出書」「履歴事項全部証明書」「定款」を提出
3.市町村(市税)への提出の要否:
★支店登記を行わない場合、履歴事項全部証明書では支店が確認できないため、支店の所在地や設置日がわかるもの(例 賃貸借契約書)の提出を求められることがある:
3-1.同一市内に、支店を新設する場合
・本店と同じ管轄の市税事務所へ、新設の旨の異動届を提出する & もし登記したら、履歴事項全部証明書を添付して。
★本店と別の管轄・・・・はありえない、同一の市になる
3-2.他の市に、支店を新設する場合
・本店と同じ管轄の市税事務所へ、新設の旨の異動届を提出する & もし登記したら、履歴事項全部証明書を添付して。
・その別の市税事務所へ、支店を新設した旨の「法人設立・法人設置届出書」「履歴事項全部証明書」「定款」を提出
理由
以下の記事が参考になる:
補足
上の、
>1-2.支店登記を行う場合
>→提出する。& 履歴事項全部証明書を添付して。
については、以下の点からやや疑義がある:
① JDL電子申告システムで、該当する入力箇所がない。
② 以下の 国税庁hp [手続名]異動事項に関する届出 の添付の異動届の裏面に、「支店の新設」については該当する記載がない。
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