消費税の課税・非課税・不課税取引の分類の考え方を丁寧に解説している記事は?

問題の所在

別件をググっていたら、消費税の課税・非課税・不課税取引の考え方を丁寧に解説している記事があったので、備忘メモ。

★なお、2015年1月時点の古い記事ではあるが、考え方は使える。

 

結論

以下の記事:

消費税の課税・非課税・免税・不課税をわずか2ステップで見分ける方法

消費税の課税・非課税・免税・不課税をわずか2ステップで見分ける方法

(以下、目次だけ抜粋)

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引用者が考えるポイントは以下:

 

1−2.ステップ1:取引を国内取引・国外取引・輸出取引・輸入取引に四分類する

以下の3つは決まっているので、課否判定は不要:

輸出取引→(課税)輸出免税 ★なお、以下の例外はアリ:

消費税法上、非課税取引(の資産)を輸出したら非課税?免税? それは非課税資産の種類によって異なるの?

輸入取引
形式的には、課税取引か非課税取引かの分類がありますが、輸入取引もステップ1でその処理の行方は確定です。
なぜなら、ステップ2で課税と非課税に分かれることになりますが、輸入取引の消費税の計算は通関業者がしてくれるため、実務上ステップ1で判断したらその後検討するということは基本的にないのです。

国外取引
不課税の一択。

 

1−3.ステップ2:国内取引を非課税・課税・不課税に分類する

・非課税か?→課税か?→不課税、の順に検討する。

・【課税取引の三要件】は、

日本国内における取引
検討無用

個人事業主及び法人が行う取引
たとえば「業務用の使用済の備品を売却した」も課税取引になる!

事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付並びに役務の提供取引
・「会を運営するための通常会費」は、会費の支払いとそこから得られるサービス(反対給付)の関係が不明確なので、資産の譲渡に該当しない
・「出版物の購読料等」のように会費と反対給付(=出版物等)の関係が明確な場合は、課税取引に該当するとしています。

つまり、会費に限らず一般論でいうところの「対価を得て行う」という意味は、お金を払った(又は受け取った)ことに対して、
・その反対給付として何かのサービス(又は資産の譲渡等)を受ける場合には課税、
・その支払と反対給付との関係が「不明確」又は「ない」場合には課税取引ではない

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理由

特記事項なし

 

補足

なお上の、

事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付並びに役務の提供取引

について、上の引用記事の実際の記述は、======以下の通り:

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課税取引の三要件のうち、一番目については既に説明済みですし、二番目については議論の余地がないので問題ないと思います。したがって、三番目の要件について検討してみましょう。

対価を得て行われるという言葉の意義について、消費税基本通達5−1−2に説明があります。

消費税法基本通達5-1-2(対価を得て行われるの意義)
法第2条第1項第8号《資産の譲渡等の意義》に規定する「対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供」とは、資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供に対して反対給付を受けることをいうから、無償による資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供は、資産の譲渡等に該当しないことに留意する。
(注) 個人事業者が棚卸資産若しくは棚卸資産以外の資産で事業の用に供していたものを家事のために消費し、若しくは使用した場合における当該消費若しくは使用又は法人が資産をその役員に対して贈与した場合における当該贈与は、法第4条第4項《資産のみなし譲渡》の規定により、事業として対価を得て行われた資産の譲渡とみなされることに留意する。

これを見ると、「対価を得て行う=反対給付を受ける」ということが解ります。

具体的な取引例として会費に関する基本通達5−5−3を見てみることにしましょう。

消費税法基本通達5-5-3(会費、組合費等)
同業者団体、組合等がその構成員から受ける会費、組合費等については、当該同業者団体、組合等がその構成員に対して行う役務の提供等との間に明白な対価関係があるかどうかによって資産の譲渡等の対価であるかどうかを判定するのであるが、その判定が困難なものについて、継続して、同業者団体、組合等が資産の譲渡等の対価に該当しないものとし、かつ、その会費等を支払う事業者側がその支払を課税仕入れに該当しないこととしている場合には、これを認める。
(注)
1 同業者団体、組合等がその団体としての通常の業務運営のために経常的に要する費用をその構成員に分担させ、その団体の存立を図るというようないわゆる通常会費については、資産の譲渡等の対価に該当しないものとして取り扱って差し支えない。
2 名目が会費等とされている場合であっても、それが実質的に出版物の購読料、映画・演劇等の入場料、職員研修の受講料又は施設の利用料等と認められるときは、その会費等は、資産の譲渡等の対価に該当する。
3 資産の譲渡等の対価に該当するかどうかの判定が困難な会費、組合費等について、この通達を適用して資産の譲渡等の対価に該当しないものとする場合には、同業者団体、組合等は、その旨をその構成員に通知するものとする。

この中で注目すべきは、注の1と2です。

注1は会を運営するための通常会費は、会費の支払いとそこから得られるサービス(反対給付)の関係が不明確なので、資産の譲渡に該当しないとしている一方で、注2では出版物の購読料等のように会費と反対給付(=出版物等)の関係が明確な場合は、課税取引に該当するとしています。

つまり、会費に限らず一般論でいうところの「対価を得て行う」という意味は、お金を払った(又は受け取った)ことに対して、その反対給付として何かのサービス(又は資産の譲渡等)を受ける場合には課税、その支払と反対給付との関係が「不明確」又は「ない」場合には課税取引ではないという判定をするという意味なのです。

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