S様用)個人事業で店舗に火災が発生した際に、所得税の申告上、留意する事項は?

問題の所在

顧問先様の店舗が火災で営業停止になったが、その税法上の扱いを確認する中で、災害とあるが、火災とは言っていないので、念のため確認した際の備忘メモ。

なお、前提で、火災は災害に該当する:

所得税法上、個人事業で店舗に火災が発生したことは「災害」に該当するの?

結論

今回の事例であれば、保険での補填金額>損失額 なため、下の脚注の※2により、該当金額なし。

 

理由

以下の国税庁の記事の通り:

災害等にあったとき

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/04_4.htm#:~:text=%E5%9C%B0%E9%9C%87%E3%80%81%E7%81%AB%E7%81%BD%E3%80%81%E9%A2%A8%E6%B0%B4%E5%AE%B3%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%AE,%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E9%81%95%E3%81%84%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

(以下、一部抜粋)

所得税の全部又は一部の軽減(確定申告)

 災害により住宅や家財などに損害を受けた場合は、確定申告を行うことで所得税法の雑損控除又は災害減免法の適用を受けることができます。

 地震、火災、風水害などの災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは、確定申告で①「所得税法」による雑損控除の方法、②「災害減免法」による所得税の軽減免除による方法のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部又は一部を軽減することができます。これら2つの方法には、次のような違いがあります。

地震、火災、風水害などの災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは、確定申告で①「所得税法」による雑損控除の方法、②「災害減免法」による所得税の軽減免除による方法のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部又は一部を軽減することができます。これら2つの方法には、次のような違いがあります。

なお、令和6年能登半島地震により被害を受けた方については、令和5年分又は令和6年分のいずれかの年分を選択して、これらの軽減等の措置を受けることができます。

1 所得税法(雑損控除)2 災害減免法
損失の発生原因災害、盗難、横領による損失災害による損失
対象となる
資産の範囲等
住宅や家財を含む生活に通常必要な資産(※1)住宅又は家財の損失額(※2)が、その価額の2分の1以上である場合
控除額の計算
又は
所得税等の軽減額

控除額は次の11のうち、いずれか多い方の金額です。

  • 1 損失額(※2)-所得金額の10分の1
  • 1 損失額(※2)のうちの災害関連支出の金額-5万円

    注:「災害関連支出の金額」とは、災害により滅失した住宅や家財などの取り壊し、除去、原状回復費用など災害に関連して支出したやむを得ない費用をいいます。

軽減額等は次のとおりです。

その年分の所得金額所得税等の軽減額
500万円以下全額免除
500万円超 750万円以下2分の1の軽減
750万円超 1,000万円以下4分の1の軽減
参考事項 その年の所得金額から控除しきれない金額がある場合には、翌年以後3年間(※3)に繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます。

災害関連支出の金額に係る領収証は、申告書に添付するか、申告書を提出する際に提示する必要があります。

災害関連支出のうち、1災害により生じた土砂などを除去するための支出、1住宅や家財などの原状回復のための支出(資産が受けた損害部分を除きます。)、1住宅や家財などの損壊・価値の減少を防止するための支出については、災害のやんだ日から1年(やむを得ない事情がある場合には3年)(※4)以内に支出したものが対象となります。

 原則として損害を受けた年分の所得金額が、1,000万円以下の方に限ります。

減免を受けた年の翌年分以降は、減免は受けられません。

※1 棚卸資産や事業用の固定資産、山林、生活に通常必要でない資産は、雑損控除の対象にはなりません。
なお、生活に通常必要でない資産とは、別荘等の主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する資産や競走馬、1個又は1組の価額が30万円を超える貴金属、書画、骨とう等をいいます。

※2 資産に生じた損害金額から保険金や損害賠償金などによって補てんされる金額を控除した金額をいいます。

※3 令和5年4月1日以後に発生した特定非常災害として指定された災害(令和6年能登半島地震災害を含みます。)や東日本大震災により、住宅や家財などについて生じた損失について、その年分の所得金額から控除しきれない金額がある場合には、翌年以後5年間になります。

※4 東日本大震災に関連する1から1までの支出について、東日本大震災からの復興のための事業の状況その他やむを得ない事情により、災害のやんだ日から3年以内にその支出を行うことができなかった場合には、その事情がやんだ日から3年以内に支出したものも対象とみなされます。

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補足

特記事項なし