【重要】「基・配・所 控除申告書」の記載の仕方で、配偶者特別控除の金額がかなり変わる可能性があります。
以下のリンク先の記事が参考になります:
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/1633746.html
(以下、一部抜粋)
記入の流れを理解しよう
年に一度ということもあり、「収入金額」「所得金額」の文字に「収入金額? 所得金額? どう違うの? どういうこと?」と頭を悩ませる人が多いようだ。記入を始める前に、分かりにくい中段の主役部分の記入の流れを説明しておこう。
上図において①に年収を記入し、年収から所得を計算する。ここが年末調整の天王山なので、記入・計算(・手抜きする)方法はあとで説明しよう。②に所得を記入。大半の人は900万円以下(=年収1095万円以下)となるので、③の判定に「A」と記入、④の「基礎控除の額」は48万円と記入する。所得1805万円以下(=年収2000万円以下)の人は⑤の「本人定額減税対象」にチェックを付けよう。
⑥に配偶者の年収を記入する。配偶者がパート勤めであれば103万円以下の人が多いと思われる。⑦に55万円を引いた額を記入する。⑥が103万円なら、⑦は48万円となる。判定は「48万円以下かつ年齢70歳未満 ②」となる人が多いはずだ。判定が①、②の人は⑨の配偶者定額減税対象」にチェックを付けよう。
⑧に判定結果を記入し、縦軸の区分Iが「A」、横軸の区分IIが「②」なら金額は38万円。下段の適用が「配偶者控除」なので、右側の⑩「配偶者控除の額」の欄に38万円と記入する。
最終的に判定は上記のように多くの人が書く前から決まっていそうだが、記入に際し悩ましいのは自分の収入と所得を求める点だ。
所得金額を算出する方法=年収は適当で大丈夫
実際に記入していこう。中段の左側は自分の年収から所得を算出し、区分と基礎控除の額、定額減税の対象を記入する欄だ。
真面目に記入しようとすると面倒な計算が必要だが、所得900万円以下=年収1095万円以下の人は区分A、基礎控除の額は48万円、定額減税の対象となるので、大半のサラリーマンは計算する前から「区分A、基礎控除の額は48万円、定額減税対象」と決まっている。
「以上。」で終わらせたいが、不毛な説明をしよう。まず知りたいのは今年の年収。まだ11月の給与(早い人は10月も)、ボーナス、12月の給与をもらっていないので、今年1月からの給与明細を集計しても、残業代などで毎月の給与が変動する人は年収を正確に把握するのは難しい。とはいえ「年収1095万円以下」の人は答え(=区分)は決まっているので、実際の年収と記入する年収に100万円の差異があっても実務上の問題はないので、ザックリとした予想で年収を記入しよう。ご自身の年収(年俸)を把握している人も同様だ。
自分の年収が思い浮かばない人は、もし昨年12月か今年1月の給与と一緒に受け取った「源泉徴収票」がすぐに見つかればこれを参考にしよう。前年の年収と所得が記載されているので、そのまま書き写すもよし、年収を多少増減させて記入するもよし、それらしい額を記入しよう。大手企業の人は賃上げがあったのでプラス傾向、中小企業の人は横ばい……などと想像はできるが、さじ加減はご自身の判断に委ねたい。
源泉徴収票も毎月の給与明細もすぐには見つからない人はどうするか。一般的に毎月の給与は支給額から所得税、住民税、社会保険料が引かれるので手取りは2~3割少なくなる。通勤手当が加算され、ボーナスは企業の業績などにより変動するが、100万円の差異が気にならない人は「手取り額の15~20倍」=年収としよう。
このあとの計算を考慮すると、年収はできるだけ細かな数字を避けたい。年収458万2530円よりは460万円、あるいは500万円と記入した方が所得の算出は楽になる。年収400万円の人が800万円と記入しても判定結果、基礎控除額は同じだが、提出先の担当者が見たときにクスッと笑うかもしれないし、几帳面な担当者からは訂正を求められるかもしれない。
年収が決まったら、次は所得の算出だ。年収はザックリでよいが、その額から計算する所得は計算式が決まっているので正確に行う必要がある。いくつか方法はあるので、不毛な順に紹介しよう(笑)。年収から「所得金額」を計算するのは真面目にやると微妙に面倒くさい。「令和6年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者……」と長い名称の申告書の裏に、収入金額から所得金額を計算する方法が記載されている。
年収を11段階に区分してそれぞれの計算方法が記載されている。そもそも正確な年収を把握するのが困難な時点で161万9000円、162万円、162万2000円、162万4000円……と細かく区分して多くの国民に不毛な計算を強いるのは、律儀なのか几帳面なのか生真面目なのかアホなのか理解しがたい。できればこの方法はスルーしたい。
年収660万円未満の人は「令和6年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を利用する方法がある。例えば年収650万円の人は「650万円以上650万4000円未満」の右側に記載された476万円が所得金額となる。
お勧めなのは、国税庁のサイトにある給与所得控除についてのタックスアンサー(よくある税の質問)のページ下段にある給与収入から所得を計算するサービスだ。これなら年収の金額が1円単位まで細かくなっていても、サクッと所得が計算できる。
最後に、筆者が最もお勧めする“超時短な裏技”は、年収を100万円単位で以下の表から選び、右側の所得をそのまま記入する方法だ。これなら数秒で作業が完了する。
さらに今年は“超時短な裏技”を少しバージョンアップした表を用意した。年収を500万円、600万円と切りのよい金額にすると、受け取った担当者に「適当に書いたな」と思われるかもしれない。これを避けるため金額を少しバラ付かせ、まぁまぁ切りのよい金額にしてみた。
過去のSNSで、この方法で記入した読者の「年収は100万円単位で丸めて良いと知り、実行したらえらく計算が楽になった」というコメントもあった一方、所得を計算できる“補助Excel”が配られ1円単位まで計算を求める会社もあるようなので、お勤めの会社の方針に沿って記入していただきたい。
所得が算出できたら、900万円以下の人は区分Iの欄にA、基礎控除の額の欄に48万円、本人定額減税対象の欄にチェックを付けて、年末調整の最大の山場は完了となる。
もともと所得2400万円を超える一部の高額所得者の増税をするため、関係のない大多数のサラリーマンが不毛な時間を消費させられる申告書なので、楽に記入する人が増えて欲しいと思う。そもそも社員全員に記入させる必要があるかさえ疑問だ。年収を早く正確に把握できるのは企業の管理部門なので、仮に勤怠の締め日が月末で給料日が翌月25日ならば11月末に12月の給与支給額は決まる。ボーナス査定が終わっていれば11月末で正確な年収が確定する。それを管理部門が記入すれば(給与システム等にインポートすれば)、社員数×数十分の時間の削減となり生産性の向上になりそうだ。
配偶者の欄を記入する
中段右側の「給与所得者の配偶者控除等申告書」の配偶者の収入金額(年収)と所得金額も、ここまでと同様の手順で記入しよう。配偶者の年収が161万9000円未満の場合は55万円を引くと所得となる。
もし配偶者がパート勤めで年収を103万円以下に調整しているなら、所得金額は48万円以下となる。年齢が70歳未満なら、判定は「48万円以下かつ年齢70歳未満=②」となる。判定が①、②であれば、新設された配偶者定額減税対象の欄にチェックを付けよう。配偶者が正社員で働いていて年収が201万6000円以上なら、配偶者(特別)控除を受けることはできない。
左側の区分Iが「A」、右側の区分IIが「②」となったら適用が「配偶者控除」なので、下段の表の該当欄の金額38万円を右側の「配偶者控除の額」に記入すると完成となる。注意したいのは、配偶者の所得95万円超133万円以下の人(=配偶者特別控除)。区分IIが「④」の人は5万円刻みで控除額が変わる(納税額が変わる)ので、ここだけは慎重に算出したい。
全体の記入例を掲載するので参考にしていただきたい。
※記入例の画像はクリック/タップで拡大。さらにPCで閲覧している場合は、拡大画像の左上にある「+」アイコンをクリックすると、より高解像度な元画像を表示できる
なお、キーボードで入力したい人は、年末調整の申告書の入力用ファイル(PDF)を国税庁のサイトからダウンロードしていただきたい(詳しくはこちら)。
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