宅地建物取引業保証協会への各種支払いの仕訳の科目は?
問題の所在
不動産仲介業のお客様が、開業時に宅地建物取引業保証協会に諸々支払っているので、仕訳の科目を確認した際の備忘メモ。
結論
・弁済業務保証金分担金 600,000円 → 保証金a/c(投資その他の資産の区分)
・入会金 316,500円 →長期前払費用a/c(税法上の繰延資産の扱い。5年月割償却)
・会費(最初は、令和6年1月からの3ヶ月分会費 101,500円 → 諸会費a/c(消費税課税後は当事務所の場合には、支払手数料a/cへ)
理由
以下の記事が参考になる:
① 2017年10月07日 宅建協会への支払に関する経理処理
http://estate-accounting.seesaa.net/article/454008594.html
(以下、一部抜粋)
1. 宅建協会・保証協会の「入会金」
税務上の繰延資産として、長期前払費用などで処理し5年で均等償却。
2. 「弁済業務保証金分担金」及び「不動産会館株券」
資産に計上。損金(経費)に計上することはできません。
3. 宅建協会・政治連盟の「会費」
諸会費勘定などで損金(経費)に計上。
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② 協会入会案内
(以下、一部抜粋)
入会案内メニュー
2.「弁済業務保証金分担金」及び「不動産会館株券」は、「資産」に計上してください。損金(経費)に計上することはできません。
3.「不動産会館株券発行手数料」及び宅建協会の「会費」は、開業初年度の損金(経費)に計上してください。
項目 | 金額 | 法人 | 個人 | |
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宅建協会 | 入会金 | 本店:700,000円 支店入会:350,000円 | 繰延資産5年償却 | 繰延資産5年償却 |
会費 | (年)50,000円 ※4-6月入会の場合 | 経費 | 経費 | |
全宅連通信講座受講料 | (税込)8,800円 | 経費 | 経費 | |
流通システム負担金 | 30,000円 | 経費 | 経費 | |
保証協会 | 入会金 | 本店:200,000円 支店入会:100,000円 | 繰延資産5年償却 | 繰延資産5年償却 |
弁済業務保証金分担金 | 本店:600,000円 支店入会:300,000円 | 保証金等の資産 | 保証金等の資産 | |
会費 | (年)6,000円 | 経費 | 経費 | |
(株)福岡県不動産会館 | 発行事務手数料 | 本店:(税込)6,600円 支店入会:(税込)3,300円 | 経費 | 経費 |
株券 | 本店:60,000円 支店入会:30,000円 | 有価証券 | 有価証券 |
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補足
関連記事は以下:
・公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会のhpは以下:
・公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会 神奈川本部 のhpは以下:
https://kanagawa-takken.or.jp/
(以下、一部抜粋)
開業時に必要な費用
宅建業を営むには、「営業保証金」を法務局に供託することが宅地建物取引業法により義務づけられています。これは消費者保護の立場に立ち、不動産取引の相手方が損失を受けた場合にその損失をきちんと弁済できるようにするためです。その金額は、主たる事務所1,000万円、従たる事務所1か所につき500万円と高額ですが、協会に入会すると、「弁済業務保証金分担金」として主たる事務所の場合60万円、従たる事務所30万円を納付することで、営業保証金の供託が免除されることになっています。つまり、協会に入会すればわずかな資金で開業が可能になるのです。
もし協会に入会しないで開業する場合は、供託所に1,000万円を納付することになります。
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