法人で、本店の住所変更だけ変更で税務署は不変な場合に、「給与支払事務所の開設・移転・廃止の届出書」は作成必要なの?
問題の所在
法人用の異動届出書を作成する際に、セットで、給与支払事務所の開設・移転・廃止の届出書まで作るのは煩雑。
届け出しておけば間違いないのではあるが、一度整理しておこうと思い、いろいろchして、気づいたことの備忘メモ:
まず、国税庁hpの異動届のリンク先が以下:
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/010705/pdf/005-1.pdf
上の異動届出書の国税庁のリンク先の、pdfの2枚目の記載要領の説明に、
(6) 「納税地等を変更した場合」欄には、給与支払事務所等の移転の有無について、該当する□にレ印を付してください。
なお、給与支払事務所等の移転がなく、名称等に変更があった場合には、「無(名称等変更有)」にレ印を付してください。
(注) 「有」及び「無(名称等変更有)」の場合は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出も必要です。
とある。
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ここで同じ税務署の管轄内での引っ越しが、「移転」に当たるのかが問題となる。
★もちろん国税庁的には、納税地「等」としておくことで、事後的に提出を求める途を確保する主旨であることは了解するが、入口論で提出自体がマストか否かを整理する。
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これに関し、川崎市の記事では、「納税地」の変更、と明快 (^^)
法人の 事業年度 納 税 地 そ の 他 の変更・異動届出書(第2号様式)の記載要領
https://www.city.kawasaki.jp/230/cmsfiles/contents/0000038/38267/202206_houjinidoukisai.pdf
(以下、一部抜粋)
この届出書は、法人(国及び地方公共団体の特別会計、法人課税信託を含みます。)が事業年度の変更、納税地の異動、資本金等の額の異動、
商号又は名称の変更、代表者の変更、事業目的の変更、法人の合併、法人の分割による事業の譲渡若しくは譲受け、法人区分の変更、法人の解散
(信託の終了)・清算結了、支店・工場等の異動等をした場合に、納税地の所轄税務署、県税事務所及び市町村役場(川崎市の場合はかわさき市
税事務所、以下同じとします。)に届け出るときに使用してください。
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さて?
結論
この事例のように、住所を自宅からの変更の場合には、「納税地」を変更していないなら、「給与支払事務所の開設・移転・廃止の届出書」は、まずは、作成不要、
と整理する。
理由
仮に、「給与支払事務所の開設・移転・廃止の届出書」の提出がマストだったとしても、、、端的に、大過ないため。なぜならば、郵送先の情報程度でしかないところ、
例えば源泉所得税の特例納付書が、移転後の事務所ではなく自宅に届いたところで、問題がないため。
税務署の中の組織は、(管理部門を除き)法人課税課と個人課税課に大別され、法人課税課に提出されるであろう当該異動届の情報が個人課税課には共有されない、という可能性はあるとは思うが、それでも上述のように大過ないと考える。
なお、ググってみると、民間業者のホームページの記事ではおしなべて異動=給与支払事務所の開設・移転・廃止の届出を出す、となっている。
これは「提出する可能性のあるものはとにかく出しておけば間違いない」という、商売上の事情、リスク低減の主旨からと推定する:
本店移転(住所変更)の登記申請後は税務署への異動届が必要です
https://corporate.ai-con.lawyer/articles/company-transfer/24
(以下、一部抜粋)
本店移転登記後は税務署へ異動届の提出が必要
本店移転登記後は税務署へ異動届の提出が必要です。「異動事項に関する届出」と「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」の提出が必要ですのでご注意ください。移転前と移転後の税務署が異なる場合はそれぞれの税務署への提出が必要です。
<異動事項に関する届出の記入事項>
- 提出日
- 提出先の税務署名
- 提出法人
- 法人等の名称(フリガナ)
- 事務所の所在地(フリガナ)
- 納税地(フリガナ)
- 代表者申請(フリガナ)
- 代表者住所(フリガナ)
- 異動事項等(本店移転)
- 異動前住所
- 異動後住所
- 異動年月日
- 異動前所轄税務署
- 異動後所轄税務署
- 納税地等を変更した場合(給与支払い事務所の移転の有無)
- 事業年度を変更した場合(変更後初の事業年度)
- 合併、分割の場合
- その他参考となるべき事項
<給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出の記入事項>
- 提出日
- 提出先の税務署名
- 住所又は本店所在地
- 氏名又は名称(フリガナ)
- 個人番号又は法人番号
- 代表者氏名(フリガナ)
- 開設・移転・廃止年月日
- 給与支払いを開始する年月日
- 届出の内容及び理由
- 開設・異動前の氏名又は名称、住所又は所在地、責任者氏名
- 異動後の氏名又は名称、住所又は所在地、責任者氏名
- 従事員数
- その他参考事項
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補足
なお、以上のとおり、このケースでは「「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」は提出しないつもり (^^) のため、
この異動届の記載上は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出が不要な書きぶり、すなわち、
「納税地等を変更した場合」欄には、(「有」や「無(名称等変更有)」ではなく)□ 無(名称等変更無)に レを入れる。
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