退職する従業員の送別会での贈答品は、福利厚生費a/c? 交際費a/c? (+課否判定)
問題の所在
退職する従業員の送別会での贈答品は、直感的には「福利厚生費a/c+消費税上は課税」な気がするが、
ちょっとググってみたところ、見解が分かれていた。お客様にとっては福利厚生費a/cでOKという理屈がベターなので、その観点で整理。
結論
・高額でなければ、福利厚生費a/cでOK。
・消費税は課税。
理由
(1)法人税上の扱い
① 以下の記事が簡潔なのですが、太字部分の根拠がないのが残念:
交際費・・・退職者は従業員扱い
(以下、一部抜粋。太字は筆者)
お祝い金や香典を支払った場合、相手が従業員等であれば「福利厚生費」、取引先など社外の者であれば「交際費」としますが、
退職者に支払った場合は「交際費」となるのでしょうか?
退職者は、社外の人間なので「交際費」と思われがちですが、実は「福利厚生費」となります。
従業員等とは、元従業員つまり退職者も含み、また、その親族までも含むのです。
ただし、社会通念上相当と認められる額についてです。税務上「福利厚生費」となるものは全額費用となりますが、「交際費」は一部(資本金1億円超の会社は全額)費用となりません。
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②
Q78【徹底比較】福利厚生費と給与や交際費・社内飲食費との違い?要件は?仕訳例で解説
(以下、一部抜粋)
3.福利厚生費と交際費の違い
(1)福利厚生費と交際費の違い
福利厚生費は、従業員に対する「福利厚生」を目的とした支出です。
一方、交際費は、接待、慰安等を目的とした支出ですが、社外の方(得意先・仕入先)への支出だけでなく、社内従業員を対象とした場合も「交際費」に含まれます。(租措法第61条の4第4項・第61条の4(1)-22)。
福利厚生費は「全額損金」になりますが、交際費の場合は「損金算入限度額」があります。
したがって、実務上は、「福利厚生費」と「社内交際費」の区分も重要となります。
例えば、社内の従業員だけで行った飲み会は福利厚生費なのか、社内交際費なのか・・実務上は難しい判断です。
福利厚生費 | 交際費 | |
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損金の可否 | 損金 | 一部損金不算入 |
(2) 福利厚生費となるもの・交際費となるもの
社内の方のみでの「飲食代」は、原則として「交際費課税の対象」となりますが、「一定要件」を満たす場合は、「福利厚生費」処理が可能です(措法61の4(1)-10)。
(要件)
① | 社内行事等のために、概ね従業員一律に支出(特定の従業員に対する支出は×) |
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② | 社会通念上妥当な金額 |
(途中、筆者省略)
5.福利厚生費の消費税上の取扱い
内容 | 消費税上の取扱い |
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健康診断・人間ドックなど | 課税 |
忘年会費用など | 課税 |
慶弔費等の贈答 | 不課税 |
社会保険料 | 非課税 |
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理由
特記事項なし
補足
「社会通念上、妥当な金額」であればよいので、特段の規程の類を整備することも不要と解する。
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