消費税法第31条第1項、消費税法施行令第51条第2項、消費税法施行令第17条第3項を丁寧に解説している記事は?

問題の所在

いわゆる非課税資産の輸出取引等の論点を確認する中で、消費税法第31条第1項、消費税法施行令第51条第2項、消費税法施行令第17条第3項の関係の理解が進まなかった際に、参考になった記事の備忘メモ。

 

結論

以下の記事が参考になる。★なお、文中の「別表1」は現在は「別表2」が正しい:

 

第93号 非課税資産の輸出免税(消費税

https://kashiwagi-taxoffice.jp/kashiwagi-office/20220624081907/

(以下、一部抜粋)

消費税法第31条(非課税資産の輸出等を行った場合の仕入れに係る消費税の控除の特例) 第1項は、

事業者が国内において

第6条(非課税)第1項の規定により

消費税を課さないこととされる

資産の譲渡等(非課税資産の譲渡等)うち

 

第7条(輸出免税等)第1項各号に掲げる

資産の譲渡等(輸出取引等)に該当するものを

行った場合において、

 

当該非課税資産の譲渡等が

輸出取引等に該当するものであることにつき、

財務省令で定めるところにより証明されたときは、

 

当該非課税資産の譲渡等のうち当該証明されたものは、

課税資産の譲渡等に係る

輸出取引等に該当するものとみなして、

 

第30条(仕入れに係る消費税の控除)の規定を

適用する旨規定しています。

 

これは、第30条の規定の適用であるので、

仕入れ税額控除ができるというものです。

 

そのため、第9条の免税業者となるか否か

の判定の課税売上高には含まれないのです。

 

非課税資産とは、

消費税法第6条(非課税)の規定における

別表1に掲げる資産のことで、

 

非課税の規定は、

もしこれらの資産を国内において

譲渡が行われた場合には非課税する規定です。

 

そして、輸出行為自体は、

国内において行われた行為であり、

本来は課税売上げとなるものですが、

消費税法第7条により、免税とするものです。

 

そうすると、法第31条の規定は、

本来国内において譲渡が行われていたなら

非課税となる資産を輸出した場合は、

非課税ではなく免税とする規定ということです。

 

理由は、これらの資産を輸出した場合に

非課税とすると

課税仕入れにかかった消費税

控除の対象とならないため、

 

その分、輸出価格が上昇するので、

実質的に内国消費税である消費税

国外の消費者に負担させることとなるので、

国境税調整の観点からみて適当でないと考えです。

消費税の考え方・読み方)

 

 

さらに、この資産の範囲ですが、

土地などは輸出することができないので、

結局は金融資産となります。

 

 

第2項(みなし輸出取引)は、

事業者が、

国内以外の地域における

資産の譲渡等又は自己の使用のため、

資産を輸出した場合において、

 

当該資産が輸出されたことにつき

財務省令で定めるところにより証明されたときは、

 

当該資産の輸出のうち当該証明されたものは、

課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に

該当するものとみなして、

第30条(仕入れに係る消費税額の控除)

の規定を適用する旨規定しています。

 

これは、販売のためだけではなく、

自己使用のためや

一旦海外支店に資産を移してから販売するもの

も含むことを規定しています。

 

 

第3項は、

前2項の場合における第30条第2項に規定する

課税売上割合の計算の方法

その他同条の規定の適用に関し必要な事項は、

政令で定める旨規定しています。

 

 

消費税施行令第51条(非課税資産の輸出等を行った場合の課税売上割合の計算の方法等)第1項は、

消費税法別表1第2号に規定する

有価証券及び支払手段並びに金銭債権の輸出は、

輸出取引等及び資産の輸出に

含まれないものとする旨規定しています。

 

これは、有価証券や金銭債権の輸出は、

法31条の規定は適用がないということです。

 

でないと、外国支店で有価証券を譲渡すると課税売上割合が非常に大きくなるからです。

 

なお、消費税法第6条第2項で、

保税地域から引き取られる外国貨物のうち

別表2に掲げるものとして

有価証券や印紙などには

消費税を課さない旨規定していることから、

 

有価証券等を輸入・輸出できることがわかります。

 

金銭の貸付けと金銭債権の譲渡、預入れと

預金の譲渡とは異なっており、

 

金銭の貸付けは、消費税法施行令第17条第3項

の規定により輸出類似行為とされるのに対して、

 

金銭債権の譲渡は、類似でなく

そもそも31条に規定される輸出ですが、

 

施行令第51条第1項の規定により

法31条の規定が適用されないということです。

 

金銭の貸付は、お金が出て行きますが、

金銭債権の譲渡はお金が入ってきます。

 

 

消費税法施行令第17条第3項は、

金銭の貸付けの債務者が非居住者であるものは、

法第31条第1項の適用については、

法第7条第1項第5号(輸出類似行為)

規定する政令で定めるものとする旨規定しています。

 

 

第2項は、

課税売上割合の計算については、

国内において行った非課税資産の譲渡等のうち

輸出取引等に該当するものの対価の額は、

 

課税資産の譲渡等の対価の額の合計額

に含まれるものとし、

 

国内において行った

資産の譲渡等に係る対価の返還等の金額のうち

 

当該輸出取引等に該当するものに係る部分の金額は、

輸出取引等に係る対価の返還等の金額に含まれる

ものとする旨規定しています。

 

これは、非課税資産の譲渡等を

課税売上割合の計算上は分子に加算するというもので、

 

分母の規定がないのは、

そもそも、非課税資産の譲渡等の分母に

含まれているからです。

 

 

第3項は、

課税売上割合の計算については、

資産の輸出に該当するものに係る

資産の価額に相当する金額は、

 

資産の譲渡等の対価の額の合計額及び

課税資産の譲渡等の対価の額の合計額

にそれぞれ含まれるものとする旨規定しています。

 

これは、本勘定で資産の譲渡等と

記帳されていないので、

分母・分子に加算するのです。

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理由

特記事項なし

 

補足

特記事項なし