当事務所用)個人事業主の時から使用している個人名義の金融機関の口座 ①当該口座を法人成り後も使用するか?
問題の所在
入口の話しで、法人成り後は、金融機関の口座(通帳)は、会社名義の口座になるであろう。だって、会社の口座なのだから。。。
ただし、当事務所でも、法人成りの一人親方の方の引継ぎ案件では、個人名義の口座が会社の口座として決算書に載っていたりしていた。また、
・昨今、法人成り後に金融機関の口座の開設に時間がかかる、
・ECコマース業などは、法人成り後も、対得意先との関係上、金融機関口座が個人名義のままでも問題ない、
などの事情で、少なくとも当初は、個人名義の口座で法人成り後のビジネスも回っている方も一定数、存在する。
そこで、まず、個人名義の口座の入出金を、
① 会社の口座として扱うか(扱うなら科目名は、普通預金a/c)、
② あくまで立替金の入出金として扱うか(扱うなら科目名は 社長借入金2(●●預金)a/cなど)、
の方針決めをする。
結論
当事務所では①とする。
理由
この点に関し、以下の理由で、②にしたい気もする:
・仕訳の生成上は、社長借入金a/cを駆使することで、問題ない、
・個人名義の口座を会社の口座とすると、私用で支出した取引をズルズルと会社取引として処理するリスクが残る。
・月次のmtgで、月次試算表を共有し、そこに普通預金a/cがないことを指摘することで、
社長が会社名義の口座を作る → 従来、個人名義の取引を会社名義に変えるように誘導する
★このタイミングを逃すと、日常的に繁忙なので、取引名義を変更するという事務手続がおっくうになる、
しかし、当事務所では①とする。その理由は、
・普通預金(個人)a/cがあるので、仕訳インポートの対象になるので、漏れるリスクが低減される。
・個人分を含むことになるので、資本金100万円の会社にありがちな「いきなり資金ショート」が起きにくい。
・社長の実際の資金余裕が見えやすい。
・個人名義のクレジットカードの支払いが複数あっても、この個人名義の口座から引き落とされる=社長借入金の精算が自動で行われるので、実際の精算は、現金立替経費の精算1つに絞れる。
・想定外の事情で、当該個人名義の口座での取引を解消できない場合、勘定科目内訳明細書上に普通預金a/cがないという異常な見え方を回避できる。
・実務上は①も可能とされている(以下の記事を参照)
補足
上で②を採用した場合に、例えば「法人成り直後の、当該個人名義の口座の残高はどう扱う?」といった論点は、別途。
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