相続人が取得したアパート建物の減価償却 ①相続人の取得価額は被相続人の所有時の取得価額?簿価?
問題の所在
相続で、アパート建物を取得した場合、相続人の最初の所得税等の確定申告で、取得価額はいくらか?
例えば、被相続人Aの当初の取得価額を100、相続発生時の減価償却累計額を70、帳簿価額を30とすると、
直感的には、被相続人の準確定申告時の帳簿価額30が、相続人Bの取得する建物の取得価額30、減価償却累計額はゼロ円な気がするが、、、
結論
Bにとって、取得価額は100、減価償却累計額は70、帳簿価額は30。
つまり、Aの帳簿情報を、本当にそっくりそのまま引き継ぐ。
理由
国税庁の以下の記事が秀逸:
平成19年4月1日以降に相続により減価償却資産を取得した場合
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/04/23.htm
補足
なお、Bの減価償却方法は、(Aは改正前のため旧定率法を採用していたとしても)Bは令和の今は建物は定額法のみなので、定額法になる。
★だから相続後の青色申告決算書の、◯減価償却の計算、は、準確定申告より以前のベースと比較すると
(イ)取得価額 → 従来と同額
(ロ)償却の基礎となる金額 → (従来の(イ)の90%、から)(イ)と同額へ変更
償却方法 → (従来の旧定額法から)定額法へ変更
(ハ)償却率 → 従来と同じ
(二)本年中の償却期間 → 12/12のまま
(ホ)本年分の普通償却費 → (従来の旧定額法から定額法の計算にかわるため)従来より増額
と変わる。
また、相続により取得した賃貸不動産がある場合、引き続き賃貸経営を続けるのなら物件の減価償却費を計算するときの耐用年数は、中古資産に係る見積もりでの使用可能期間に基づいた年数とすることができるのでしょうかとチラッと思うが、耐用年数基本通達1-1-2で、従来の耐用年数を流用する旨が規定されていた (*_*)
■