株式の譲渡所得(第三表)と、総合課税の所得の損失の繰越(第四表)が同時に生じた場合、どうする?

問題の所在

以下の事例の備忘メモ(便宜上、「事例1」という)

・総合課税の所得が通算でマイナス(事業所得が振るわず、給与所得も少ない)

・それが3年連続

・当期に、非上場株を3口譲渡し、結果、赤字 → 分離課税の譲渡所得がマイナス

 

所得税の確定申告上、

・譲渡所得は第三表、

・事業所得などの損失の繰越は第四表。

→ それが同時に生じたら、第三表と第四表を作製すればいいと思うが、確定申告書等作成コーナーや、弥生会計AEでも、仕様上、

・第一表、第二表、第三表

・第一表、第二表、第四表

が想定されていて、第三表と第四表は同時に作成できないよう。

その理由はさておき、申告上、どうしよう・・・・

 

結論

以下の通り:

1)「第一表、第二表、第四表」を選択し、第三表は(+付表さえも)省略し、

2)「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」は作成し、

3)2)の各金額が、【 付表のリファレンス → 第三表のリファレンス 】→ 第一表のリファレンス となるように転記する

★換言すると、「下書きで、手書きで、【】の2つを書いて、電子申告時には【】は添付しない」という感じ。

 

理由

対比で、以下の事例(以下、事例2とする)を紹介:
・総合課税の所得は黒字
・上場会社の株式売買で赤字。
・その赤字が過去3年連続。
この場合、以下の通り:

(1)「第一表、第二表、第三表」を選択し、

(2)第三表の付表も省略せずに作成し、

(3)「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」は作成

(4)(2)の各金額が、【 付表のリファレンス → 第三表のリファレンス 】→ 第一表のリファレンス となるように転記もし、【】内のものもセットで電子申告する。

事例2は、付表の副題が、「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用」となっていることから、これが第四表も兼ねることができるため、成立する。

補足

特記事項なし