(当事務所用)【2024/4/30時点】(随時更新)弥生会計AE+JDL IBEXクラウド組曲Majorの法人税申告システム(+電子申告システム)での、電子申告と紙の郵送との組み合わせは?

問題の所在

【2024/4/30追記】

令和7年1月から申告書控えの収受日付印の押なつが廃止される予定です:

国税庁 令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/onatsu/index.htm

以上を承知しますが、当事務所では、========以下にあるとおり(=端的に言うと、弥生会計で消費税等確定申告書を電子申告できない限り)、引き続き一部を紙で提出するスタンスは不変です。

上の運用開始前後に、何らかの対応をする予定です。

 

=====================

★実際の各々のセットの作り方は以下の記事:

税理士用)「法人税等確定申告書等の紙の納品物用+税務署提出の紙のセット」の仕方は?

当事務所用)「法人税等確定申告書等の紙の納品物用+税務署提出の紙のセット」の仕方は?

別の投稿で、「弥生会計(AE)と、JDL IBEXクラウド組曲Major(必要な税目)の組み合わせ」を前提に電子申告の仕方を検討し、結論としては、

・消費税の申告がある場合には → 弥生会計AEの消費税等確定申告書(+付表)は紙印刷になる、

・消費税の申告がない場合でも → 弥生会計AEからXBRL出力したデータを、国税のe-taxに貼り付けが上手くできないため、この分が紙での提出になる以上、100%電子申告をクリアするのはムリ、

と整理しました。

そこで、「一部、紙の郵送と電子申告で折衷にする」場合、どのような組み合わせがベターかを考えます。

(追記)電子申告か紙かの2択の他、「イメージデータにより提出可能な添付書類」という3つ目の選択肢も考慮して追加した。

イメージデータにより提出可能な添付書類(法人税等確定申告書)

https://www.e-tax.nta.go.jp/tetsuzuki/imagedata/shinkoku02.pdf

しかし、意味がないのが、上のリンク先の冒頭にある記載の、「添付書類をイメージデータで提出する場合の注意事項
「勘定科目内訳明細書」、「財務諸表」など、電子データ(XML形式、XBRL形式又はCSV形式)
により提出が可能な添付書類については、イメージデータで提出することができません。

 

結論と理由

以下の表の通り:

モノ作成提出提出を証する証跡
法人税等申告書JDL法人税ソフトJDL電子申告ソフト送信票
出資関係図pdfJDL電子申告ソフトで添付ファイル送信票
固定資産台帳の写し(別表16関係)pdfJDL電子申告ソフトで添付ファイル送信票
県税・市税申告書(都税等申告書)JDL法人税ソフトJDL電子申告ソフト送信票
決算書(BS,PL,SS)弥生会計AE弥生出力の紙
★1
決算書(注記)弥生会計AE
★1
弥生出力の紙
★1
勘定科目内訳明細書エクセルファイル ★2郵送(返送不要) ★3
法人事業等概況説明書①弥生会計AE ★4
②エクセルファイル ★4
郵送(要返送) ★5税務署の受付印
税務権限代理証書①JDL法人税ソフトの機能
②e-tax ★6
①JDL電子申告ソフト
②e-tax ★6
(左がどちらでも)
送信票
税理士法33条の2添付書類①JDL法人税ソフトの機能
②e-tax ★6
①JDL電子申告ソフト
②e-tax ★6
(左がどちらでも)
送信票
消費税等申告書弥生会計AE ★7郵送(+返送分) ★8税務署の受付印

 

★1
弥生会計AEで注記も出力できるのであるが、これをe-taxに取り込む作業が煩雑なので、e-taxの画面に直接コピペした方が早い。
「弥生会計AEから決算書データをxbrl出力してe-taxに取り込んだり、注記部分だけコピペ」が省力化なのであるが、何度かチャレンジしても不成功だったので、紙で提出する方法に戻した。
【2024/4/30】ITが得意な税理士でさえ、財務諸表は紙で提出している旨が以下の書籍中で記述されている:

すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方 単行本(ソフトカバー) – 2024/3/12 井ノ上 陽一 (著)

★2
総じて、税務ソフトの勘定科目内訳明細書ソフトは使いにくいので不評である。
これは、ウェブサイトで2千円程度で販売しているエクセルファイルであり、関数も何もないので使いやすい。(他にも法人税関連のフォームが同梱されているが、他のは無視し、この勘定内訳明細書エクセルだけ使っている)
会計ソフトの勘定内訳明細書作成の機能を使おうとして、手間ばかりかかっているよりも、ダイレクトにエクセルに入力した方が、短時間でできるし、どうせ印刷してchするのであるから、紙提出でいい。

★3
従来、紙で提出している税理士事務所でも、これには受付印を受領していないと推定する。理由は、後述の「法人事業概況説明書」の各科目金額と一致するので、こちらに受付印をもらえば足りると考えているためである。

★4
これのエクセルファイルもウェブサイトで2千円程度で販売している。ただし、おもて面の各科目の金額と、うら面の、売上の月次金額の入力の手間の分、弥生会計AEで設定して作成する方がトータルでは省力化。

★5
上の決算書に送信票(送信記録)があり、その金額とこの法人事業概況説明書の金額はリンクするので、これには受領印はもらわない 少なくとも消費税等確定申告書を郵送するするのだから、表面1枚だけ郵送物に同梱し、受領印をGETする。

★6
e-taxでも容易に作成可能であるが、税務ソフトの方がキレイである。であれば★1で法人税等確定申告書と同梱して電子申告することで送信票(提出した証拠)もgetできるので、これでやる。

★7
以前は、弥生会計AEで申告書の各金額を計算させ、別途、JDLの消費税ソフトに手入力していたが、税率10%になり、申告書の付表が複雑になり、もはやそのような手入力をする元気はない。

★8
弥生会計AEでは、決算書はe-taxに対応する出力形式(XBRL形式)が作成できるのに、この消費税申告書はそれができない。ゆえに、上の★8で弥生会計AEを選択する以上、郵送しかない。消費税申告書は、金融機関にはあまり興味がない点では受領印を求めるモチベーションは下がるのではあるが、基本の申告書であり、税務署から「受け取っていない」と言われるとアウトな意味でトラブルになるリスクがあるため、これは受領印をもらっとく。

補足

つまるところ、

  • 法人税と県税・市税の確定申告書だけは電子申告
  • それ以外は、税務署宛だけの郵送

となる。それでも、

・電子申告をしたと税務署からカウントしてもらえる、

・郵送先が(県税、市税はなくなり)税務署1か所で済むのである、

点は、メリットであろう。

あとは、大規模クライアントの申告では、+アルファで電子申告対象を増やす(最終的には消費税等確定申告書のみが郵送。財務諸表はトラブルならやはり郵送)

 

やはり二度入力の手間が一番の課題である。

理想は、JDLの財務会計ソフトで電子申告を一気通貫で実現することであるが、当事務所の「エクセル台帳から仕訳インポート」方式を採用する上では、使い勝手が良くないので、採用できない。

結果、以上のような電子申告と紙の折衷タイプになる。

 

なお、勘定内訳明細書は、会計ソフト・税務ソフトで一番不評な出来である。実はエクセルで作成した方が、印刷外領域に長期前払費用の償却残高計算などをすることもできる等、自由度が高い。したがって、勘定内訳明細書を電子申告にせず郵送で済ます方式は、この点でも馴染むと考える。

また、郵送する際には、

  • 先に電子申告を済ませておき、その送信票とセットで郵送する。
  • 同梱するものは、提出用分と返送分であるが、返送分は受付印を必要とする該当ページ分だけでOK(返送分も全ページ同梱する事務所もあるようであるが、意味がない)
  • 「上の消費税等確定申告書に、社長の押印の要否は?」であるが、税理士法的にダメであるが、税務署的には税法が改正されたので、なくてもよい。

なお、以上の議論は、2020年4月時点での弥生会計AEの現在の仕様を前提にしているため、これが変化したら、上の結論も変化する。

例えば、消費税等確定申告書もエクスポートできる仕様になれば、100%電子申告へより舵を切ることになる。

(換言すれば、他の会計ソフトで、弥生会計が抱える上のイマイチな点をクリアするソフトがあれば、仕訳インポート機能があれば、ホイホイ乗りかえる税理士事務所は少なくないのではないかと考えます)