相続税での修正申告書の第11表の書き方は?
問題の所在
修正申告書の書き方は、税目によって違いがある。ここでは、相続税の修正申告で、理由が土地の縄伸びのケースを取り上げる。
相続税の修正申告書は、それ用に様式があるので、基本的にそれに倣う。ただし、第11表に関しては、理論上、グロス表記とネット表記が考えられる、すなわち、
- ネット表記
→修正申告後の財産を一覧にする形式 - グロス表記
→そうではなく、冒頭で「当初申告一式 ××円」と一行書きにし、該当物件だけを、当初申告の評価額をマイナス金額で転記し、すぐ下に修正申告の評価額をプラス金額で記載する形式
★グロス表記を開設する参考書はこちら:
相続税 修正申告と更正の請求の実務 (改訂版)
ネット表記では、当初申告と修正申告とで、どの財産の評価が変更になったのかが、税務署側でわかりにくいであろうから、理論的にはグロス表記のの方がベターであると考える。
(わかりにくいということは→税理士へ質問がくる可能性が高まる、ということ)
にも拘わらず、身近で見聞きした、TKCと、JDL IBEXクラウド組曲Major の両相続税申告ソフトでは、ネット表記しか対応していない。ではどうしたらよいのか?
結論
システム対応していない以上、ネット表記しかないが、どの財産の評価が変更されたのかを、税理士法33条の2の第1項の添付書類の中で丁寧に説明する。(→つまり、税理士法33条の2の第1項の添付書類を作成する、ということになる)
理由
システム対応していない以上、仕方がない。
補足
様式 第11・11の2表の付表1 のレイアウトが改正されている点に留意する。
また、JDL IBEXクラウド組曲Major について補足すると、代替案で、「相続税申告システムと連動している「財産評価システム」に注目して、
- (修正申告の対象となる財産のデータを、金額だけマイナス金額へ変更入力し、)
- 上の1.以外の、当初申告書に記載した財産データを全部削除し、
- 「当初申告」という疑似財産データを作成し、
当初申告書にある第1表の小計「22」の、被相続人の列の金額と、相続人の金額を1行書きし、 - 修正申告の修正後のデータを入力し、
- 上の1.、3.、4.の財産データを、相続税申告ソフト側から取り込む、
というやり方でできるのではないかと考えるかもしれないが、有料オペレーションで質問したところ、「マイナス金額で入力ができない仕様になっている。マイナス金額は代償財産の入力のみしかできない仕様になっている」とのことであり、そのような力業は、トライする時間の無駄と、削除したデータを全部入れ直す無駄の、2重の無駄になるようである。
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