法人での減価償却費の計上は、償却年数を経過後の年度にはできないの?

問題の所在

法人税法上、たとえば、減価償却の耐用年数が6年の新車を購入し使用し、途中、2年ほど減価償却費を計上しなかった(それ以外の年は税法限度額を計上した)場合、7年目には減価償却費を計上できないのか?

結論

計上は可能。定率法でも定額法でも同じ。

 

理由

法人税法上、減価償却費の定めは、「毎年の計上限度額がいくらまで」と定めているため。

その金額の算出過程で、耐用年数表を使用するが、それは手段であり、何年計上できるとは定めていないため。

なお、耐用年数の到来前に除却した場合でも、その時点までの償却不足額は、除却損に合算されて計上されるため、会社としては税法上、損にはならない。

なお、減価償却費を計上していないことは、申告書をみれば容易にわかるので、対金融機関的には勧められないのであるが、この点を金融機関から指摘されたことがない。これは、、、(以下、自粛)。

 

補足

以上は、法人税である。

所得税では、「毎年の計上金額はピンポイントでこの金額を計上する」と定めているため、途中の年度で未計上な分は切捨てになります。

したがって、耐用年数経過後には計上したい減価償却費は残っていないと解釈されるので、敢えて言えば「耐用年数が経過後には減価償却費は計上できない」と言えるかもしれません。