a様用)譲渡所得の取得費に、相続税評価額は使えないことを解説している記事は?
問題の所在
以下の事例:
・不動産仲介業の顧問先様のご紹介で、個人の確定申告。
・春頃に不動産売却予定で相談を受け、年明けの2月に突然、確定申告のご依頼。
・20年前前後に父親から相続した土地の底地を、(父の代からの賃借人である)ガソリンスタンドに売却。売却金額は1億800万円。
・相続税申告書は手元にあるそう。
・「税金はいくらくらい?」と質問されたが、底地に気を取られ、また相続税評価額が1億円くらいときき、ふっと、「では差額は数百万円なので、譲渡所得の税金は多くないですね」と反射的に言ってしまった。
結論
・相続税申告書の土地の評価額は、所得税の譲渡所得の取得費には使えない!
・よくよく聞くと、自身が10数代目だそうで、大過去なので、取得費は当然に、5%。
最初のtelの際に、「底地の売却」と言われ、そちらに気を取られてしまった。
なお、上述の通り、取得費は5%の蓋然性があると気づき、夜の20時過ぎだったがすぐ本人にtelし、その旨を伝えた。
また「税額はいくらくらいになりますか?」と聞かれ、(約1億円ー5%)✕長期譲渡20%=約1900万円超、とご説明し、納税額を心配して尋ねたところ、「不動産屋からも、2千万円くらいといわれていた」と! 最初に言ってよ! これだから一見のお客さんはコワイ。
理由
以下の記事が参考になる;
2025.12.13 確定申告よもやま話 相続税評価額を取得費として使えますか?【所得税】
(以下、一部抜粋)
さて、相続した不動産を売却するお客様からしばしばいただく質問の中に
「相続税評価額を取得費として使えますか」というものがあります。
その質問の背景には、次のようなお考えがあるように見受けます。
「私は、相続の時に相続税評価額で取得したのだから、相続税評価額が私にとっての取得費なのでは?」
しかし結論として、譲渡所得の取得費に相続税評価額を使うことはできません。
それは、相続税が「資産」に課税される税金であり、
所得税が「利益」に課税される税金という違いがあるためです。
相続税は、相続が発生した時に、亡くなった方の遺産額の多寡に応じて課税されます。
ですから、相続税評価額は、あくまで「相続税を計算するために設けられた、概念的な価額」です。
「財産が今いくらの価値があるか」について、評価のルールに従って計算された金額です。
つまり、誤解を恐れずに表現すれば、相続税評価額は「机上の金額」であるといえます。
一方、所得税は、買った時から売った時までの利益(所得)に対して課税されます。
ですから、所得税の取得費は、原則として「その資産を取得した際に支払った、実際の金額」です。
言い換えれば、「財産をいくらで手に入れたか」という原価(元値)です。
具体的には、購入代金や建築費、購入手数料、改良費、相続登記費用などの合計額です。
このように制度趣旨や定義が異なるため
相続税評価額を取得費として計算することはできないわけです。
相続税評価額が取得費にならない理由について
別の角度から、具体的な設例も見ながら考えてみましょう。
上記でご説明したように
所得税は、買った時から売った時までの利益(所得)に対して課税されます。
ですから、譲渡所得の金額は次のように算出します。
【例1】土地を600万円で売却。土地は自分で10年前に100万円で購入。
譲渡所得 = 600万円 - 100万円 = 500万円
【例2】土地を600万円で売却。土地は亡き父が10年前に100万円で購入。相続税評価額は400万円。
譲渡所得 = 600万円 - 100万円 = 500万円
いずれの場合も、被相続人が実際に支払った100万円が取得費となります。
上記は現在の日本の税制に基づいた正しい計算です。
もし、例2の際に、相続税評価額(400万円)を取得費として認めると、
譲渡所得は200万円(600万円 - 400万円)となります。
本来課税されるべき300万円(400万円 - 100万円)については
所得税が課税されないこととなってしまいます。
これでは、「取得してから売却するまでに相続があったかどうかで納税額が変わる」という
不公平を生むことになります。
この視点からも、相続税評価額を取得費として計算することはできないという結果が得られます。
「では父の相続時に300万円の利益を父に課税すればよいのでは」という考えもありえますが、
限定承認など特殊ケースを除き、現行制度はこの方式を採用していません。
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補足
geminiで以下をググる:
譲渡所得 相続で取得した土地 相続以後、賃貸 賃借主へ 底地を売却 譲渡所得 計算
基本は以下の計算式です。
譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)
この譲渡所得に税率(長期・短期)を掛けて税額を算出します。
- 借地人に売却する場合、更地価格の50%〜60%程度(借地権割合による)が相場です。
- 原則: 被相続人(亡くなった方)がその土地を購入した時の代金+購入時の手数料・税金。
- 不明な場合: 売却価格の5%を「概算取得費」として計算可能です。
- 相続時の土地評価額ではない点に注意してください。
- 仲介手数料、印紙税、測量費、建物解体費(更地にして引き渡す場合)など、売却に直接要した費用。
- 相続から3年10ヶ月以内(相続税の申告期限の翌日から3年以内)に売却した場合、支払った相続税の一定額を取得費に上乗せできます。
- 相続した土地の所有期間は、被相続人が取得した日を引き継ぎます。
- 通算して5年を超えていれば「長期譲渡所得」となり、税率が低くなります。
- 状況: 父から相続した土地(底地)を借地人に売却。相続して1年で売却。
- 売却価格: 3,000万円
- 取得費: 不明(概算取得費を使用)
- 譲渡費用: 100万円
① 譲渡所得の計算
取得費=売却価格(3,000万円)×5%=150万円
譲渡所得=3,000万円−(150万円+100万円)=2,750万円
② 税額の計算
相続してすぐであっても、被相続人の所有期間を引き継ぐため、通常は5年超(長期譲渡)となります。
所得税=2,750万円×15%=412.5万円
住民税=2,750万円×5%=137.5万円
税金合計=550万円
- 確定申告: 売却の翌年2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。
- 相続税の取得費加算: 3年10ヶ月以内に売却する場合、必ず検討してください。
- 空き家特例との違い: 本ケースは「賃貸」しているため、相続空き家の3,000万円特別控除は適用されません。
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相続の話が、取得費加算しかないので、更に以下でググると:
譲渡所得 取得費 相続税評価額 可能か
相続税の取得費加算の特例(租税特別措置法39条)を利用し、支払った相続税の一部を取得費に加算することで、実質的に相続税評価額の要素を反映させ節税可能です。期限内の譲渡が必要です。
- 概要: 相続や遺贈で取得した財産(土地、建物、株式など)を、一定期間内に譲渡した場合、支払った相続税額のうち一定金額を「取得費」に加え、譲渡所得税(所得税・住民税)を計算できる特例。
- 計算式(加算する相続税額の目安):加算額=その相続人が支払った相続税額×売却した財産の相続税評価額相続した財産の相続税課税価格+債務控除額加算額 equals その相続人が支払った相続税額 cross the fraction with numerator 売却した財産の相続税評価額 and denominator 相続した財産の相続税課税価格 plus 債務控除額 end-fraction
加算額=その相続人が支払った相続税額×売却した財産の相続税評価額相続した財産の相続税課税価格+債務控除額
※この加算額が、売却益(取得費加算前)を超える場合は、その売却益が上限となる。 - 適用要件:
- 相続や遺贈で財産を取得していること。
- その財産に相続税が課税されていること。
- 相続開始の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日(計3年10か月)までに譲渡していること。
- 取得費の基本:
原則は被相続人が購入した価格を引き継ぐ(取得日も被相続人の購入日となる)。もし購入価格が不明な場合は、売却額の5%(概算取得費)が採用される。 - 手続き:
確定申告書に、算出明細書などの必要書類を添付して提出。
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