f様用)弥生会計AEで、税込み方式なのに、前期の決算整理仕訳で誤って消費税の精算仕訳を税抜き処理をした場合の、当期での調整は?

問題の所在

以下の事例:

・引き継ぎ案件で、従来、簡易課税を適用し、税込み処理をしていた。
★当事務所では、原則、税抜き処理をするのであるが、簡易課税だしで、この顧問先様は継続して税込み処理。

・当期の決算中に、前期の決算整理中の消費税の精算仕訳を以下の税抜き処理でやってしまったことに気づく m(_ _)m

仮受消費税534,333仮払消費税329,515
未払消費税106,700
雑収入98,118

恐る恐る、前期の諸々をchすると、、、

・TBを税込み方式に設定すると、前期TBの当期残高欄及び当期TBの前期繰越欄には、仮払消費税等a/c ▲329,515円、仮受消費税等a/c ▲341,363円が計上されている。(繰越利益は ▲7,620,337円)

・仮払消費税等a/cは、「会計」の決算書項目でも仮払消費税等になっていたが、「決算」の決算書項目設定では不設定だった。
(だから前期の決算書でこれはBSに計上されず、したがって資産合計の金額でもカウントされず。)

・仮受払消費税等a/cも同様。負債合計の金額でもカウントされない点も同様。

・繰越利益剰余金a/cも同様。純資産合計の金額でもカウントされない点も同様。

また、TB(税込み)と決算書との各合計金額の差額は以下の通り:

・資産合計の差額は、仮払消費税等a/cの金額分 329,515円。

・負債合計の差額は、仮受消費税等a/cの金額分 534,333円。

・純資産合計の差額は、上の差額分 204,818円

これを当期にどう調整するかであるが、ググってもまずヒットしないであろうと考え、頭で考える:

 

まず、当期の消費税の設定を税込み方式に戻す。

そして、期首の日付で以下の修正仕訳を作成する:

(借)仮払消費税等 329,515 (貸)仮受消費税等 534,333
(借)繰越利益  204,818

これで、BSは済むが、上の仕訳でSS繰越利益a/cが動くので、当期末に株主資本等変動計算書を作成すると、弥生会計の設定上、以下の「差額」が発生してしまう。

上の差額は以下の記事でも解消されない。

株主資本等変動計算書で「[差額]が0になっていないため印刷ができません」と表示される のはなぜ?

まず、以下のように考えた:

1)まず、上の差額が表示されたままだと決算書が印刷できないので、差額を解消する。
差額の原因は上の仕訳の繰越利益a/cのため、上の仕訳をいったん不計上にする。そのため振替伝票自体は削除せず、金額だけ貸借ともにゼロにする。

2)そして、「会計」の科目残高入力で、仮受消費税等a/cの金額(成り行き▲534,333円)に+204,818円オンした▲739,151円に上書きする。
すると、「貸借差額を自動調整しますか?」メッセージが表示されるのでイエスにすると、繰越利益が 7,427,353円 から 7,632,185円 へ変化する。

3)ここで決算書1を印刷し、pdfに固める。
★このpdfでは株変だけが正しくなる。BSが変わってしまう。

4)そして、上の1)だけを戻すと、繰越利益が 7,632,185円 のままなので決算書の印刷が可能なまま。ここで再度、決算書2を印刷し、pdfに固める。
★このpdfでBSが正しくなる。直感的にはBSの繰越金額が 7,427,353円

5)そして、上の2)を戻し、そして、4)を再実行して、繰越利益が 7,427,353円 へ戻る。

考え方としては、

step1)まず、上の差額が表示されたままだと決算書が印刷できないので、差額を解消し、決算書が印刷する状態を確保し、

step2)株変とBSは別々に印刷し、

step3)会計帳簿の繰越残高はBSベースなので、最後は、BSが正しい状態(=決算書が印刷「できない」状態)に戻して終了。

しかし、もっとシンプルに考え直して、以下の方法にした:

 

結論

当期の「会計」の科目残高入力で、

・仮払消費税等a/cの金額 ▲329,515円、仮受消費税等a/cの金額 ▲341,363円 をともにゼロ円へ

・貸借調整 をクリックし、繰越利益が、7,632,185円 へ自動修正される。これは前期の決算書の残高に一致。

★上の10/1の仕訳は不計上。

 

理由

採用した方法の方が、シンプルだし、決算書も印刷できるし、pdfも1つで済むため。

 

補足

なお、前期に提出済の、勘定科目内訳明細書上では、当然に、雑収入に、消費税等精算差額 98,118円が計上されていて、会計方針がオカシイことは自明ですが、、、、(以下、自粛)