G様用)【2025/10/26微調整】資金繰りエクセルテンプレートを利用(運用)するか?
問題の所在
(添付は省略しますが)参加された勉強会で提供された資金繰りエクセルを運用するか否かのご質問を頂いたので、回答を作成した:
結論
・「そのままの様式に当てはめる」のは、利用価値は少ないと考えます。
・過去金額を入力して作成するのは、(外部に渡す価値がある人が見当たらないので)利用価値は少ないと考えます。
・もっというと、、、、
●工務店などと異なり、売上が平準化している業種であれば、
●資金繰り表を作成せずに、必要な範囲の資金繰りが把握できているのならば、、、、
、、、、資金繰り表なんてわざわざ作る必要はないです。
・作る難易度云々ではなく、作って活用する意義があるか否か、です。
真に必要なのであれば難易度が高くても、コストを掛けてでも作って運用したほうがいいでしょう。ただ当社ではその意味は小さいと推定します。
理由
1)考え方
「利用できそうか否か」ですが、、、逆説的で恐縮ですが、
・具体的な課題があり、
・これを利用する<<うまく活用することで、それがクリアできる
のなら、利用できる、と言えると考えます。
★「このエクセルを作ることで、勝手に資金繰りが解決する」などと言うことは、ありえません。
2)貴社への当てはめ
では、貴社の課題ですが、「人的投資を進めているので、資金繰りを注視されている」のは承知しています。
ですので、例えば、
・向こう数カ月の、見込みの資金繰り表を作成することで、資金繰りを管理する、
・その手段・ツールとして、このエクセルの3シートのうち、1つでも使える様式があるなら、お使いになればいい、
と思います。
(過去の実績資金繰り表や、上場企業のキャッシュ・フロー計算書の様式で作成する、等は、外部のだれに報告する必要がない貴社では、今は意味がないと考えます)
弊事務所の顧問先様の中では、工務店のK様の担当者が、お手製の資金繰りエクセルを整備・運用されているところもあります。
この「お手製」が重要です。お手製ですから、自分にとって重要でない点はテキトーにつくっていいから、続くのです。
3)結論
そこで上の「利用できそうか?」のご質問への弊回答ですが、
この様式は収支を、経常、経常外、財務の区分にしていますが、、、、この区分は初めて見ました。【2025/10/26修正】政策金融公庫の様式のようです:
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html
(上場会社のキャッシュ・フロー計算書は実務指針に様式例がありますが)資金繰り表には決まった様式はないのので、様式は自由です。
この区分が貴社にフィットするのでした、このまま使えばよいと思います。
補足
過去の弊記事は以下:
また、過去情報と未来情報で分けてまとめると以下の通り:
<過去情報としての、実績資金繰り表>
・決算で、実績資金繰り表、キャッシュ・フロー決算書を作成するのは可能ですが、中小閉鎖会社で、過去のものを見て有用か疑問です。
・本来、金融機関から希望されて納品し、当該金融機関がこれを下に取引先企業を定量評価し融資判断などをすべきですが、、、、日本の金融機関の支店クラスでは、そんな能力はありません。。。。つまり提供する意味がない。
・なお、(弥生会計オンラインにはないですが)弥生会計(インストール版)の上位クラスの製品には、仕訳データを積上げて資金繰り表を作成する機能があります。
しかし仕訳の形式が制限される等の理由から、きれいに作成することは難しいことが通常です。差額不明分は「その他」に混ぜて済ませることが大半です。
★なお、その他に混ぜるのは、上場会社の連結キャッシュ・フロー計算書の作成実務でも同様であり全く問題ないのですが、これを知らない方は「不正確だ」と思ってしまうかもしれません。
<未来情報としての、見積もり資金繰り表>
・会計事務所に作成してほしいと考えるかもしれませんが、、、、来月以降の受注情報等情報が必要になりますが、会計事務所にそれを整理して定期的に渡せるか?
・担当者自身が使い勝手が良いものでなければ、意味がない。踏み込んで言うと、他人に作ってもらって使用する程度の人では、有効には使いこなせない。
・よく言われるのが「10日おきに作成する」です。これを外部に依頼するのは、納期のデューがタイトすぎで運用が難しいです。
だから上に戻って「自分で作るのが効果的」となります。
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