当事務所用)【2025/8/25時点】All e-tax の要請に対する当事務所のスタンス

問題の所在

確定申告では、確定申告書と添付資料を提出しますが、国税庁では数年前から、これらをすべて(紙の郵送ではなく)ネットから提出することを要請しています;

法人税e-Tax(電子申告)に関するリーフレット

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/hojin/e-tax_leaflet.htm

(以下、一部抜粋)

 

国税庁では、納税者や税理士の皆様の利便性向上と税務行政の効率化のため、e-Taxの利用拡大、添付書類の電子化(財務諸表や勘定科目内訳明細書等のe-Tax送信)を推進しています。
e-Tax申告法人の4社に3社が、既に「ALL e-Tax」です。コスト削減などのメリットもありますので、「ALL e-Tax」にご協力をお願いします。

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当事務所の現状は、以下のとおりです。

① 法人税の確定申告書は、従来通り、電子申告します。

② 法人税の確定申告書の添付書類と、消費税等確定申告書は、従来通り、紙で提出します。

この事情をまとめておきます。

 

結論

以下の理由のため(具体的には、以下の理由で)

pdfでの提出が認められていない

金銭的なコストが掛かる

手間のコストが掛かる

入力ミスのリスクが生じる

他のチェックがおざなりになるリスクが生じる

特に財務諸表では設定の手間がかかる

義務ではない

令和7年1月より受領印廃止に対して

財務諸表を紙で提出している事例

 

理由

以下の事情によります。

 

pdfでの提出が認められていない

pdfで添付ファイルで提出できればいいのですが、ルール上、pdfでの提出は認められていません。XBRL形式、XML形式、csv形式等の形式データで提出する必要があります。

金銭的なコストが掛かる

上で「コスト削減などのメリットがあります」は、例えば紙で郵送するのに比して切手代がかからない等を切り出した方便である。

上のe-taxで提出するためには、実際には、それ用の専用ソフトを契約する必要がある。

★このコストをお客様に転嫁することをご納得いただけるか。。。。

手間のコストが掛かる

それ用の専用ソフトへの入力は、(csvインポートでなく)一つ一つ手入力。pdfを見てワープロ的に入力する。したがって、(上の専用ソフトのコスト以上に)手間のコストが掛かる。

★このコストをお客様に転嫁することをご納得いただけるか。。。。

入力ミスのリスクが生じる

専用ソフトにワープロ的に入力するため、入力ミスのリスクが生じる。

★そのまま紙で提出すれば、そのようなリスクは生じない。

他のチェックがおざなりになるリスクが生じる

入力チェックばかりしていて、他のところのチェックがおざなりになりミスが生じたら、、、納得感がない。

★そのまま紙で提出すれば、そのようなリスクは生じない。

特に財務諸表では設定の手間がかかる

決まった科目で作成しないと、受理されない。

★紙で提出すると、どの科目でもOK。。。。

義務ではない

上場会社(及びそのグループ会社)では「ALL e-Tax」が3年前から義務化済ですが、それ以外では「ALL e-Tax」は義務ではありません。

令和7年1月より受領印廃止に対して

令和7年1月より受領印の慣行が廃止されていますが、金融機関に対し国税庁による調整が済んでいるようです。

【2024/11/26の記事の再掲】当事務所用)税務署で、令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わないことへの対応方針

財務諸表を紙で提出している事例

なお、以下の書籍のp252で、

「郵送には、Web郵便を利用しています。使っている税務ソフトでは、電子申告で決算書を送ろうとすると余計に手間がかかるからです。」

という記述がある。このとおり、紙で提出する事例は一定数、存在する。

 

補足

なお、以上の事情の大半の原因は、

・e-taxの仕様の改善

・弥生会計AEの出力機能の改善

がなされれば、解決するのだが、それをしない(できない)のは、、、、、、(以下、自粛)。

 

また、「でも、税務署の意向に沿った対応をしておかないと、目をつけられるのでは?」と不安がられるかもしれないが、

当事務所は、税務署から地元の税理士会への支援依頼の活動に、毎年、協力して来ている(例 租税第二委員会、確定申告ボランティア、青色申告会ボランティア、決算法人説明会講師、租税教室講師、あ、会計大学院でも)。

つまり、(上の件で非協力であっても、トータルではそれ以上に)税務署に協力しているハズである(ので、大目に見ていただければ、、、、、m(_ _)m )