チケットレストランのサービスを利用する場合②  外食とお弁当とが混在している場合の仕訳の実務対応は?

問題の所在

チケットレストランのサービスでは、持ち帰り弁当(消費税率は通常、8%軽減)と、外食(消費税率は通常、10%)の両方が使えるそう。

その場合、、、、

【税理士監修】食事補助は課税される?給与にしないための非課税限度額

https://edenred.jp/article/employee-benefits/6294/#chapter-8

(以下、一部抜粋)

 

消費税の扱いに注意

令和元年10月1日より、消費税は2種類の税率が適用されるようになりました。軽減税率(8%)と標準税率(10%)です。

税率の違いは対象項目や販売方法によって細かく規定されています。ここでは、食事補助にかかわる部分で違いを分けて解説していきます。

参考:国税庁|食事を支給したときの非課税限度額の判定(令和元年10月1日以降)

お弁当(購入や宅配)の場合の食事補助課税

お弁当(購入や宅配)の場合は軽減税率(8%)が適用されます。

・お弁当の価額:400円(税込8%)
・従業員負担額:210円
・1カ月の提供日数:20日

1カ月分の食事の価額:400円×20日=8,000円(税込)
従業員の負担額:210×20日=4,200円消費税8%を除いた会社負担額の計算
(食事価額総額-従業員負担額)÷1.08=会社負担額
(8,000円-4,200円)÷1.08=3518.518…=会社負担額:3,510円
(10円未満の端数が生じた場合は切り捨てになります)

上記のお弁当の場合は従業員負担が50%以上ですが、会社負担が3,500円(税別)以下をクリアしていません。よって会社負担分は全額課税対象となります。

参考:国税庁|食事を支給したときの非課税限度額の判定(令和元年10月1日以降)

食堂の場合の食事補助課税

食堂や外食の場合は標準税率(10%)が適用されます。
先ほどのお弁当と同じ条件でみてみましょう。

・食堂の食事の価額:400円(税込10%)
・従業員負担額:210円
・1カ月の提供日数:20日

1カ月分の食事の価額:400円×20日=8,000円(税込)
従業員の負担額:210×20日=4,200円消費税10%を除いた金額
(食事価額総額-従業員負担額))÷1.1=会社負担額
(8,000円-4,200円)÷1.1=3,454.545…=会社負担額:3,450円
(10円未満の端数が生じた場合は切り捨てになります)

食堂の場合は同じ税込価格、同じ従業員負担額でも、消費税率の違いにより従業員負担額50%以上、会社負担額3,500円(税別)以下となるため、福利厚生費として計上可能です。

このように、提供の仕方によって税率が変わってくるので計算方法に注意しましょう。

参考:国税庁|食事を支給したときの非課税限度額の判定(令和元年10月1日以降)

そうすると、以下の記事では、持ち帰り弁当一択で検討したが、それを修正する必要が生じる。

チケットレストランのサービスを利用する場合① 最初と次以降の仕訳は?

具体的には、上の記事の、簡便法の仕訳の、

<会社>

12/5(=支払時):

(借)福利厚生費(課税8%軽減) 49,074 (貸)普通預金 58,940
(借)仮払消費税等            3,926
(借)支払手数料(課税10%)        5,400
(借)仮払消費税等               540

<従業員への給与「支払い」時(注1):

(借)未払費用 xx (貸)普通預金                xx
+++++++++ (貸)福利厚生費(課税8%軽減)(注2) 24,537円
+++++++++ (貸)仮払消費税等              1,963円

 

の、紫着色字のところが、仮に、「持ち帰り弁当が5万円(従業員負担分2万5千円)、外食が3千円(従業員負担分が1,500円)」だとしたら、以下のように変わる。

 

<会社>

12/5(=支払時):

(借)福利厚生費(課税8%軽減) 46,296 (貸)普通預金 58,940
(借)仮払消費税等            3,704
(借)福利厚生費(課税10)           2,727
(借)仮払消費税等               273
(借)支払手数料(課税10%)        5,400
(借)仮払消費税等               540

<従業員A、B、C、、、、>

各々への給与「支払い」時:

(借)未払費用 xx (貸)普通預金                xx
+++++++++ (貸)福利厚生費(課税8%軽減) 23,148円
+++++++++ (貸)仮払消費税等          1,852円
+++++++++ (貸)福利厚生費(課税10%)        1,364円
+++++++++ (貸)仮払消費税等             136円

しかし、、、、上のように、「毎月、持ち帰り弁当分と外食分とを分けて集計し、分けて仕訳をするの」は、煩雑極まりない。。。。。

結論

以下の1)、または2)の、いずれかの対応にならざるを得ない。

1)の方が、仕入税額控除の金額が多めにでるので、節税にはなる。。。。ただ、1)の方が手間がかかる。そのためミスするリスクも無視できない。
(また、そもそも配付されたリーダーカード情報から、会社側で、税率ごとの食事代を分離集計できるのか?)

→ 節税金額が少額であれば、より手間がかからない2)の方がベターと考えます。

 

1)上の原則通り、各々計上する法

<会社の仕訳>

消費税率が8%軽減分と、10%分とに各々集計し、税率ごとに2行の仕訳になる。

<従業員の給与支給時の仕訳>

各人ごとに、消費税率が8%軽減分と、10%分とに各々集計し、税率ごとに2行の仕訳になる。

 

2)8%軽減税率のみ法

<会社の仕訳>

消費税率が8%軽減分のみと見做す。

<従業員の給与支給時の仕訳>

各人ごとに、消費税率が8%軽減分のみと見做す。

 

理由

特記事項なし

 

補足

上では、合理性から選択したが、お客様へ説明した際に「そりゃ、無理だ」と即答された感じからして、チケットレストランから配付されるカードでの利用情報では、8%軽減と10%を区別できなさそう (^o^)

→ なら、「1)上の原則通り、各々計上する法」は無理で、もう 「2)8%軽減税率のみ法」の一択しかない。