a様用)使途秘匿金の代わりの方法は?
問題の所在
お客様の紹介のリベートの支払いで、相手の立場を尊重し、税務申告上、相手の名前を出さない方法には、使途秘匿金があるが、
税率がかなり高くなることが悩みになる。
この点の
結論
当該金額分を、役員報酬で賄う。
理由
以下の2つ記事が参考になる:
1)合法的な裏金の作り方とは?税務リスクを避ける方法を解説
(以下、一部抜粋)
2.合法的な代替手段:役員報酬の活用
では、こうした状況をどのように解決すればよいのでしょうか?
私がお勧めするのは、社長自身が役員報酬として一度お金を受け取り、その後個人として必要な支出を行う方法です。
2-1.なぜ役員報酬が有効なのか?
役員報酬としてお金を受け取ると、所得税や社会保険料がかかりますが、使途秘匿金課税を受けるよりはマシですし、その後のお金の使途について税務署の監視が及ばないという大きなメリットがあります。
2-1-1.税務リスクの回避
使途秘匿金として処理すると、税務調査時に問題視される可能性がありますが、個人の手取りからの支出は(少なくとも法人税の調査からは)、調査対象外です。
2-1-2.反面調査の回避
相手先が明示される交際費として処理する場合、税務署がその相手先にも調査を行う可能性があります。役員報酬からの支出であれば、そのリスクを回避できます。
貰った相手から、「お前のせいで見つかっただろ! 」とドヤされる心配もありません。
2-1-3.高額な追加課税の回避
使途秘匿金の40%の追加課税も避けることができ、税負担が軽減されます。
3.具体例:合法的な裏金の作り方3ステップ
例えば、取引先に謝礼を渡す必要があって、それを税務署にも明かせないケースを考えてみましょう。この場合、以下の手順を取ることで、合法的かつリスクの少ない形で対応できます。
ステップ1:役員報酬として支給
必要な金額を役員報酬として社長が受け取ります。
ステップ2:個人の手取りから支出
役員報酬から必要な金額を支出します。これにより、法人税や使途秘匿金の課税から解放されます。
ステップ3:帳簿上の透明性を確保
法人の帳簿上、役員報酬として記録されるため、使途秘匿金のような不透明な処理を避けられます。
4.注意点:役員報酬の設定と節税対策
役員報酬の額を適切に設定することも重要です。不相当に高額な役員報酬は、法人の損金として否認される可能性があるため無尽蔵に高くすることは不可能です。また、高額な役員報酬は社長個人の所得税負担が増えます。この点については、、所得税の節税対策を実施することで調整することが可能です。
5.まとめ
商取引やビジネス活動の中で、どうしても裏金に近い形での支出が必要になる場合があります。使途秘匿金として処理することも可能ですが、高額な納税が必要です。そのため、役員報酬を活用した合法的な方法が、現実的かつ安全な選択肢です。
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2)2021.11.12 交際費課税:リベートの相手方を明かせない場合の対応5
(以下、一部抜粋)
さて、相手方を明かせない(明かさない)場合、
まず【優先順位】をハッキリさせてください。
「相手方を守りたいが課税は受けたくない」
がベストなのは理解しますが、現実の
税務調査がこれで終わることはありません。
今後の取引継続や、相手方への反面調査を
何としても避けたい、という優先順位であれば
こちらでの課税を受け入れるしかありません。
調査官に対する譲歩案の提示としては、
最初に法人税基本通達9-7-20の
「費途不明の交際費」で損金不算入を
自ら主張することです。
ここで、損金不算入+相手方の追求なしで
調査官が受け入れれば、十分
その目的は果たせたといえるでしょう。
しかし調査官が、費途不明の交際費であっても
相手方の追求をする(反面調査や相手方への
課税など)と主張してきた場合は、次は
「役員賞与」と提示することになります。
役員賞与ということは、取締役が
「個人的な支出をした=事業関連性がない」
ということですから、役員賞与となれば
相手方を明かす必要性はなくなります。
ここでは、役員賞与による「損金不算入」
「源泉課税」「仕入税額控除の否認」の
トリプル課税を受け入れるか、
相手方を明かすのか、の選択になります。
役員賞与とするのに、相手方を追求する
というのは論理的にあり得ません。
ただし、役員賞与とする場合は特に、
調査官が「重加算税」を主張してくる
ケースが多いでしょう。
どのような税務調査でも同じですが、
重加算税だけは避けなければなりません。
重加算税が賦課されるということは
「将来の調査頻度が上がる」など
デメリットが多いからです。
費途不明の交際費を受け入れた場合に
重加算税が課されないことについては
先週のメルマガで解説しましたが、
役員賞与を受け入れた場合も同じで、
「何か積極的に仮装・隠ぺい行為を
行ったわけではない」(から重加算税の
課税要件を満たしていない)
と主張することになります。
なお、税務調査で問題にならない、
かつ課税額を極力抑えるためには、
相手方を明かせないリベートを
税引後の役員報酬から支払うことを
強くお勧めします。これについては、
10月2日に配信した「交際費課税:
リベートの相手方を明かせない場合の対応1」
を参照してください。
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補足
そもそも役員報酬にも定期同額給与の厳しい規定がある。
したがって、上の役員報酬を活用するの場合には、期首時点で、その期の期末までに使うであろう分を月割してオンすることが必要になろう。
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