m様用)分配時調整外国税相当額の控除とは何?外国税額控除とどう違うの?

問題の所在

以下の事例:

・上場会社(とグループ会社)。

・みずほ証券の紹介(?)で、米国のETF(=上場投資信託)を取得。

・みずほ証券から毎月、「外国証券 分配金支払いのおしらせ」を受領する。

・毎月、配当があり、上の「」に外国税額控除の金額が印字されているが、年に1、2回、当該印字がない入金がある。この点から当該入金は「分配金」と推定される。

この配当について、分配時調整外国税相当額の控除がとれるのか否かをchした際の備忘メモ。

 

結論

取れない。

通常通り、外国税額控除でやるしかない。

 

理由

そもそも、「分配時調整外国税相当額の控除制度」とは、

1)当社が、国内の公募投資信託等を通じて海外の資産に投資している場合に、

2)その配当等に外国で課税(←源泉所得税に限定されない、普通に法人税)が行われていて、

3)その外国税について、みずほ証券が、国内源泉所得税から自動的に控除している場合に、

4)同額を、法人税の申告時に、法人税額から控除できる。

5)典型的な商品は、海外の不動産へ投資する投資法人、への投資。
つまり 投資対象⇔管理者⇔当社、と、間に法人が存在しているので、(相当額とは言いながら)税額を具体的に正確に算出することが可能であり、だったら配当時に確定させてくれると助かるので、それを国内源泉所得税から控除する形で確定させよう、ということ(か?)

5-1)だから、この別表である、別表六(五の二)は、別表六(一)の冒頭の預金の源泉所得税分の控除とソックリ
★法人税と源泉所得税の違いはあるが (^^)

5-2)だから、当該相当額については、外国税額控除のように明細書云々が不要。

5-3)そもそも、外国税額控除では、配当金に対して国外源泉所得税10%天引きという取引であり、税額は実は確定していない
★外国税額控除では、たとえばみずほ証券が計算明細書を郵送してくるものを使うが、あれはカスタムメイドではなく自動計算。
★分配時調整外国税相当額の控除では、当社の投資対象のおもり(=管理)をする機関、たとえば無限責任社員とそこから投資先の利益計算を受託してカスタムメイド計算をする会計事務所が登場する。(みずほ証券が登場しない、とも言えるか (^o^))

5-4)だから、別表(一)で、

・国内源泉所得税、国外源泉所得税(=外国税額控除分)
→別表(一)で、右列の「控除税額の計算」の区分に記載される

・分配時調整外国税相当額
→別表(一)で、左列の「法人税額の計算」の区分に記載される

当社は、みずほ証券を通じて、米国のETFに直接に投資をしているため、上の2)を満たさない。

実際、みずほ証券からの毎月の「おしらせ」上でも、国内源泉所得税額と国外源泉所得税額の2本がキッチリ源泉されているし (^^♪

 

補足

以下の書籍の、p90をもとに検討(文責は筆者)。