不動産管理会社が、賃借人の退去時に、預かり保証金の一部のみ返還した時の仕訳の科目は?

問題の所在

以下の事例:

・個人事業主&不動産賃貸業で、ずっと前に法人成りし、不動産賃貸業はいわゆる管理委託方式をしている(管理業務をしている体裁)。

・預かり敷金は、会社で預かり。

・賃借人の退去時に、会社名義の口座から、預かり保証金の一部のみ返還した時の仕訳は、

(借)預かり保証金 150,000 (貸)普通預金 69,300
@@@@@@@@@@@@@@@(貸) ?   80,700

戻って、会社は管理業務をしているので、預り敷金に係る支払から生じる損益はオーナーの負担のハズ。

実態は別途、原状回復費用が見積もられていて、それは究極的にはオーナーの修繕費a/cに帰着される蓋然性はあるが、この時点では修繕は確定していないし、、、

(借)預かり保証金 150,000 (貸)普通預金 69,300
@@@@@@@@@@@@@@@(貸)修繕費? 未決算勘定?  80,700

 

結論

(借)預かり保証金 150,000 (貸)普通預金  69,300
@@@@@@@@@@@@@@@(貸)役員借入金 80,700

 

理由

本来の資金の流れは、①資産管理会社の通帳から、オーナーへ預り敷金150,000円を送金し、②そこから一部を返金する。

そうならば、

【資産管理会社】

(借)預かり保証金 150,000 (貸)普通預金  150,000

【オーナー】

(借)普通預金 150,000 (貸)普通預金  69,300
@@@@@@@@@@@@(貸)不動産賃貸収入 80,700

それが賃借人へ直接、会社から支払ってしまったから、

【資産管理会社】

(借)預かり保証金 150,000 (貸)普通預金  69,300
@@@@@@@@@@@@@@@(貸)役員借入金 80,700

【オーナー】

(借)普通預金   69,300 (貸)普通預金  69,300
(借)役員へ貸付金 80,700 (貸)不動産賃貸収入 80,700

再言であるが、不動産管理会社は、預かり保証金を返還することで損も得もしないはずだから。

損得が生じるのは個人オーナー。

 

補足

上のより単純な、オーナー自身が不動産賃貸業をしている場合での、賃借人の退去時に、会社名義の口座から、預かり保証金の一部のみ返還した時の仕訳は、

(借)預かり保証金 150,000 (貸)普通預金     69,300
@@@@@@@@@@@@@@@(貸)不動産賃貸収入  80,700

理由は、消費税対応のため。

以下の記事が参考になる;

入居者から受け取った敷金はどう仕訳する?パターン別に解説

https://yanusy.com/landlord/tax/1876

(以下、一部抜粋)

一部を原状回復に充てたときの敷金の仕訳

入居者が退去する際、貸した部屋に修繕が必要なことがあります。預かった敷金のうち5万円を原状回復に充て、残額を返金するのなら次のように仕訳をします。

(借方)預り金 10万円 (貸方) 売上 5万円
普通預金 5万円

「売上5万円」は原状回復に充てたことで敷金が返還不要となったことを意味します。

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