自社で補償工事を外注業者へ委託して実施後に、保険会社から工事保険金を受け取ったときの、外注業者への支払いは何a/c?

問題の所在

以下の事例:

・当社は工務店。当社が施工した工事で損失が生じ、忙しかったので、外注業者Aに発注し、600,000円支払った。

・工事保険金を請求したが、一部、460,000円のみ入金された。

この場合、Aへの支払いは、

① 外注費a/c

② 雑損失a/c(工事損失a/c)

のいずれか?

 

結論

会計上の理屈で考えて、② 雑損失a/c(工事損失a/c)

★なお消費税の扱いは以下の補足参照。

 

理由

会計上は、費用収益対応。営業外収益(多額ならば特別利益)の保険金に、営業外費用(多額ならば特別損失)を対応させる。

ググって参考になるのは以下の記事くらい。なおこの記事では直接原価と間接原価の区分で考えているので拙見と逆になっている:

建設工事に係る工事保険金の経理処理について

https://www.zeiri4.com/c_1032/q_95618/

(以下、一部抜粋)

 建設工事に係る工事保険金の経理処理について

工務店の法人です。
以前に完成し売買も完了している物件があったのですが、引き渡しから2年後ぐらいに、一部不良が見つかりました。
手直し工事を行ったのですが、工事保険をかけていたので保険対応する事にしました。その保険対応した際の経理処理を教えて下さい。

不良個所に対する補修工事を外注しました。支払は60万円。
後に保険会社より110万入金がありました。以下の仕訳はどれに該当しますか?
① 外注費/現預金 60万 (課税仕入れ)
現預金/雑収入 110万 (不課税取引)
② 立替金/現預金 60万
現預金110万/立替金 60万
/雑収入 50万(不課税取引)
③ 雑損失/現預金 60万(課税仕入れ)
現預金/雑収入 110万(不課税取引)

①~③のどれかになるのかなと思うのですが②は課税仕入れが発生しないので①か③の方が現実的なのかなと考えています。

ただ①は原価になるので、原価として捉えて問題ないものなのか?
原価となった場合、保険金収入を売上として処理しないと売上に対応する原価だけが計上される事となってしまうので、そう考えると①でもないの
かなとも感じています。
保険適用の補修工事自体は課税仕入は可能とは思うのですが外注費に代わる科目は何になるのか?
①~③以外にも方法があるのであれば教えて下さい・・・。
宜しくお願い申し上げます。

(引用者中略)

税理士の回答

これは考え方の問題でもあるのですが、不良個所に対する工事などの追加工事は、もともとが原価だけが発生し利益を圧迫するような性質だと考えます。
この追加部分に対して売上を請求できるのならそれでいいのですが、それができないのであれば工事全体の費用として考えるのが管理会計として適切であるでしょう。
税務的な観点だけを言えば、原価でも販管費でもどちらでも構いませんが、工事管理という観点だと原価のほうが適切だと思います。

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補足

なお会計上は上記のようにすれば対応するが、消費税は支払い分は普通に考えると、

・外注費は(課税業者に支払うので)課税仕入

・受取保険金は、、、非課税売上 ( *´艸`)

であり、国税庁のhpでもそのように明記している:

損害を被った場合の修理の費用

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/16/15.htm

(以下、一部抜粋)

破損した事業用資産を自己において修理した場合には、その支払った修理の費用については課税仕入れに該当し、仕入税額控除の対象となります(基通11-2-8)。
なお、その費用について加害者から損害賠償金を受け入れた場合には、その受け入れた損害賠償金について課税関係は生じません(基通5-2-5)。損害に係る保険金収入についても同様です(基通5-2-4)。

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消費税の建付け上は課税仕入と非課税売上が整合しない点で若干、違和感があるところですが、納税者にとって有利なのでこれで (^o^)