金融機関からの借入金がある場合、休眠会社することは可能?
問題の所在
休眠会社にすることを提案する際、現在、金融機関(日本政策金融公庫)からのコロナ融資の借入金がある場合、障害になるのか否かを思案した。
最初にググってみたところ、以下の記事くらいしかなかった、、、、、
債務があると会社休眠にできない?手間をかけずに会社を辞める方法とかかってくる税金・注意点を説明
(以下、一部抜粋)
債務がある状態での会社休眠はできない
会社休眠は、会社の事業活動をすべて停止させることですが、借入金などの債務が残った状態で休眠させることは可能でしょうか。
会社休眠の捉え方にもよりますが、事実として事業活動を行っていないことから、会社の課税所得に対する法人税、法人事業税、消費税、法人住民税の所得割等は、課税されませんが、休眠によって納税義務がなくなるわけではなく、法人住民税の均等割や固定資産税などは課税されます。
また休眠前には、税金の関係で税務署、都道府県税事務所、市区町村役場へ休業届(異動届出書)を提出しますが、これも事実の問題であって、法的効果を伴うものではありません。
ですから、会社を休眠させたからといって、債務が免除されるとか返済期間が延長されるといったことは一切ありません。
また、債務が残った状態で、会社の事業活動を停止して休眠させたとしても、休眠期間中に放置できるわけでもありません。
つまり、債務がある状態で会社を休眠させることは可能ですが、債務が免除されるとか、猶予を受けられるといった特典があるわけではありませんので、放置することはできず、債務の弁済が必要です。
会社休眠を、何もせずに放置できるという意味で捉えた場合、債務がある状態では会社休眠できません。
債務がある状態で休眠会社とした場合は
たとえば、会社を立ち上げる際に日本政策金融公庫より創業融資を受けていた場合や、保証協会を通して銀行などの金融機関から融資を受けていた場合、返済が残った状態で、会社を廃業せずに休眠させ、個人で債務を弁済しようと考えたとしましょう。
このように、会社の債務がある状態で、会社の事業活動を停止させて休眠会社とし、残った債務を個人で分割返済していくことは可能でしょうか。
まず、金融機関にとって会社休眠は債務を弁済するための収入がないことを意味しますので、一括返済を要求されることが一般的です。
その上で、返済方法の変更をお願いし承認してもらえるかどうかという問題になります。
金融機関にとっては、全額返済を受けられれば文句はないでしょうが、個人の返済計画が適正でなければ承認を受けることはできないでしょう。
しかし、注意していただきたいのは、休眠が返済方法の変更理由として認められるわけではないということです。
休眠には、何の法律的効果もありませんので、金融機関にとっては意味がありません。
また会社の借入契約に際して、経営者個人が連帯保証人となっている場合は、会社が休眠によって債務の返済ができなくなると判断されれば、連絡保証債務を請求されることになります。
ほかに、日本政策金融公庫の創業融資で会社代表者に返済負担がかからない契約であった場合でも、会社休眠により返済するための事業収入がストップするとなると、信用損壊として一括弁済を要求される可能性があります。
契約違反行為とみなされた場合は、個人資産での弁済を求められたり、連帯保証人となることを要求されたりすることになります。
そのような場合は、個人で所有する家などの不動産を差し押さえられる可能性もありますので、ご注意ください。
==================
↓
以上を踏まえて、日本政策金融公庫にtelし、一般論としてご質問したところ、以下の通り(文責は筆者)
・(まず当然であるが)お客様から休眠になる旨の申し出がないと、こちらでも休眠かどうか把握できない。
・お客様からのご返済が、休眠後も予定通りにご返済がなされていれば、上の事情で、一括返済
→ ずいぶんやさしいが、本当かな?
結論
1)対公庫
・原則に立ち返り、今回の公庫の借入金の契約約款をchしてから判断すべき。
2)(対税務署、)対県税、対市税
・返済行為があるのは実態として休眠会社ではない。
理由
上の1)について
・上の電話でのご説明の主旨は、私見では、公庫サイドの論点は、休眠になる/ならないではなく、返済が予定通り進むか否かとことなのであろう。
・それでも、だいぶ前であるが、リーマンショックのときに、公庫に貸し剥がし的な対応をされている。今は行政方針が変わってポピュリズム的な中小企業支援方針ではあるが、約款で確認は必要であろう。
・しかし実態判断上、売上の資金が会社に入ってこないので、実質は代位弁済のような感じで、社長が役員借入金を入れてそれを原資に返済していく自転車操業になるきがするので、早晩、公庫への返済が滞る気がする。
上の2)について
・会社が営業活動はしていなくても何かしら動いていれば、なにかしらの取引情報(源泉所得税等)が国税等から県税等へ流れていき、通常の(?)休眠状態であっても、たまに県税又は市税から確認のtelがいくことがあるよう。
補足
返済資金は個人借入金になるとおもうが、そうすると、この分は、将来、相続財産にカウントされるリスクがある。
仮に(DESまで処理未了で)個人借入金の状態のまま相続が開始すると、相続財産にカウントされるが、実際のキャッシュインはないので、このように個人借入金から返済するスキームは一般的にはうまくないと考える。
★この事例では、離婚され親権は元配偶者側にあるが。
■