法人の過去の特例納付の還付申請で、社長の住宅ローン控除を過大に控除していたことが判明した場合、個人の修正申告は不要?

問題の所在

以下の事例:

・一人会社で、役員報酬をかなり下げたため、年末調整で還付が大きくなり、向こう2回くらいの特例納付をゼロになる見込みで、法人の決算仕訳では前渡金で計上し、

・その後の2回の特例納付のときにそれを控除するのを失念し、

・決算前のchで前渡金に気づき、決算前に精算すべく、還付申請をした際、

・還付申請とセットで提出した、2年分の源泉徴収票の中の住宅ローン控除の金額が異常である(=前年は84,000円、当年は120,000円と前年よりも多額になっている)と問い合わせが来て、

・直近の源泉徴収票の住宅ローン控除金額が、本来、計算で算出して7万円のところ印字されている当初金額の120,000円と間違ったことが判明した。

税務署からは「承知しました。他に問題がなければこの差額の5万円を控除した金額を還付しますね」と言われた。つまり所得税の修正申告等は指示されなかった。

もちろん異論はないのであるし、正確には延滞金等も、(還付金▲5万円)で計算されるのであろうが、個人の所得税は修正不要?

(担当が法人課税課だったからか?)

 

結論

社長は5万円分を補填することで、実質的に修正申告等をした効果が生じるが、、、、、

 

理由

法人税

・源泉所得税の預り金が、本来7万円のところ120,000円。これをベースに還付請求をしているのだから、差額5万円を減額するのは、OK

所得税

・社長は、住宅ローン控除は税額控除であるから、本人は、税額で、5万円得をしていた。

・会社は、今回、5万円減額され会社に戻らない分は、多めに払ったのに5万円分戻らない。その穴は、決算上は、いったんは社長から補填してもらうことになる。

★前渡金a/cの仕訳は税務署も前記の法人税等確定申告書の添付書類の決算書で確認しているとしたら、これからの申告書で前期の前渡金a/cがゼロになっていなければならない点を確認できる(やろうと思えば (^^))

(借)長期借入金a/c 5万円 (貸)前渡金 5万円

・だから、社長は5万円分を補填することで、実質的に修正申告等をした効果が生じる。

・ただ、、、、延滞税分はどうなるのだろうか?また住民税にも影響するが、、、、

 

補足

税務署的には、金額的には多額というわけではないし、事情を全部把握しているので、最低限必要な手続きをするだけであろうから、

今後の続信に粛々と対応する。