住宅ローン控除の家屋又は土地等の取得価額に、付随費用等を加算してはダメなの?

問題の所在

お客様が一軒家を千葉に購入されたのだが、コスト節約を兼ね、家の周囲に囲いを自分で工事したり、家財も購入している。

このような付随費用を、住宅ローン控除の申請上、オンすることは可能か?

 

結論

上の事例の場合には、いずれも付随費用を加算することは不可。

 

理由

わかりやすい記事は以下:

住宅ローン特別控除の計算におけるマイホームの取得等の対価の額

(以下、一部抜粋)

2.具体例によるマイホームの取得等の対価の額の範囲

(1)家屋の取得等の対価の額の範囲

①共有で取得した家屋

家屋を共有で取得した場合は、その家屋全体の取得等の対価の額に、その者の持ち分を掛けて計算した金額が、住宅ローン特別控除の計算におけるマイホームの取得等の対価の額になります。

②家屋の電気設備等の付属設備

家屋の新築または取得に際し、その家屋と一体として取得したその家屋の電気設備、給排水設備、衛生設備及びガス設備等の附属設備の取得対価の額は、住宅ローン特別控除の計算におけるマイホームの取得等の対価の額に含まれます。

③門や塀等の取得対価の額

門や塀等の構築物や、家具セット等の器具、備品または車庫等の建物の取得対価の額については、原則、住宅ローン特別控除の計算におけるマイホームの取得等の対価の額には含まれません。ただし、家屋とあわせて同一の者から取得する資産について、実務上、区分計算が困難であり、また厳密に区分することが取引の実情に合わない場合も考えられます。

このため、家屋とあわせて同一の者から取得する門、塀や車庫などの資産の取得対価の額で、その額が僅少と認められるものは、住宅ローン特別控除の計算におけるマイホームの取得等の対価の額に含めることが認められています。なお、門や塀等における“僅少”の判定は、その対価の額が「(家屋の本体価額+門や塀等の対価の額)×10%」未満の場合、通常は僅少に該当すると考えられています。

(2)家屋の敷地の取得等の対価の額の範囲

①敷地の造成・改良等に要した費用の額

次の費用の額は、住宅ローン特別控除の計算におけるマイホームの取得等の対価の額に含まれます。

イ. 埋立て、土盛り、地ならし、切土、防壁工事その他の土地の造成または改良のために要した費用の額

ロ. 土地等と一括して取得した建物等を取り壊した場合の建物等の取壊し費用の額(ただし、土地等の取得後おおむね1 年以内に、その建物の取壊しに着手するなど、当初からその建物等を取得後に取り壊して家屋を新築することが明らかな場合に限る)。

②植木や芝生、花壇庭園等の取得対価の額

植木や芝生、花壇庭園等の取得対価の額は、原則、住宅ローン特別控除の計算におけるマイホームの取得等の対価の額には含まれません。ただし、家屋や敷地とあわせて同一の者から取得する資産については、実務上の区分計算が困難であり、また厳密に区分することが取引の実状にあわない場合も考えられます。このため、家屋とその敷地とあわせて同一の者から取得する植木や芝生、花壇庭園等で、その取得の対価の額が僅少と認められるものについては、その取得対価の額を住宅ローン特別控除の計算におけるマイホームの取得等の対価額に含めることが認められています。

(3)仲介手数料・登録免許税等の取扱い

マイホームの取得等に伴って支出した仲介手数料や登録免許税・不動産取得税等の額については、マイホームの取得等のために直接要した費用とはいえないので、住宅ローン特別控除の計算におけるマイホームの取得等の対価の額には含まれません。

(4)住宅エコポイント等の補助金を受けた場合

平成23 年6 月30 日以後にマイホームの取得等に係る契約を締結し、そのマイホームの取得等に関し補助金等の交付(住宅エコポイント等による経済的利益の付与も含む)を受ける場合は、その補助金等の額は、そのマイホームの取得等の対価の額から控除します。

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次に、国税庁hpの記事は以下:

住宅用家屋の新築等の対価又は増改築等の費用の範囲

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/17/05.htm

(以下、一部抜粋)

【照会要旨】

次に掲げる費用に充てられた金銭は、住宅用家屋の新築等の対価又は増改築等の費用に充てられたものとされますか。

1  売買契約書等に貼付した印紙

2  不動産仲介手数料

3  不動産取得税等及び登録免許税

4  建築の請負業者以外の建築士に支払った家屋の設計料

5  住宅用家屋と一体として取得した電気設備等の附属設備の取得対価

【回答要旨】

租税特別措置法第70条の2第2項第5号イ若しくはロ又は第70条の3第3項第5号イ若しくはロに規定する住宅用家屋の新築等(住宅用家屋の新築等とともにするその敷地の用に供されている土地等の取得及び住宅用家屋の新築に先行してするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得を含みます。以下同じです。)の対価とは、新築の場合は住宅用家屋の新築工事の請負代金の額であり、取得の場合には住宅用家屋の売買代金の額であると解されます。また、租税特別措置法第70条の2第2項第5号ハ又は第70条の3第3項第5号ハに規定する住宅用家屋の増改築等(住宅用家屋の増改築等とともにするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得を含みます。以下同じです。)の費用とは、住宅用家屋の増改築等に係る工事の請負代金の額であると解されます。
照会の場合、1から3については、住宅用家屋の取得に要した費用ですが、新築等の対価又は増改築等の費用に充てられたものとはいえません。
4の設計料については、建設業法上、家屋の建築業者以外の建築士に支払う設計料は、住宅用家屋の新築工事又は増改築等に係る工事の請負代金の額に含まれないと解されますが、家屋の新築等又は増改築等をするために直接必要なものであり、建物本体価格を構成するものであることから、新築等の対価又は増改築等の費用に充てられたものとみて差し支えありません。
5の住宅用家屋と一体として取得した電気設備等の附属設備の取得対価については、本来住宅用家屋の新築等の対価の額とはいえないものですが、その取得対価は住宅用家屋の新築の工事の請負代金の額又は売買代金の額に含まれており区分が困難であること、また、増改築等の場合には、租税特別措置法第70条の2第2項第4号カッコ書き又は第70条の3第3項第4号カッコ書きの規定により家屋と一体となって効用を果たす設備の取替え又は取付けに係る工事が含まれることとされていることから、新築等の対価に充てられたものとみて差し支えありません。

【関係法令通達】

  • 租税特別措置法第70条の2、第70条の3

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補足

特記事項なし