遺言書は、法定相続人の全員に見せる義務があるの?

問題の所在

以下の事例を検討する:

・夫と妻と娘2名。被相続人は妻。相続人は夫と娘2名。

・妻の遺言(公正証書、遺言執行人あり)には、「全相続財産を娘2名で半分ずつ遺贈する」旨が明記されている。

・税理士は、相続税申告書の作成上、収集資料としてget済。

・父親と娘二人は、遺産分割で双方弁護士を立てて協議することになったが、その時に、父親は娘二人から遺言公正証書のコピーももらっていないので、税理士さんのを回してほしい、と言われたので、回付した。

この場合、税理士は娘二人の了解なしに遺言公正証書を父親へ提供することは、例えば非弁行為に当たるリスクはないのか?

 

結論

税理士から父親へ、遺言公正証書のコピーを回付して、問題ない。

 

理由

以下の記事が参考になる:

 

【司法書士監修】相続開始後、遺言書を全員に見せる必要があるのか?

https://www.office-kon-saitou.com/biz71

(以下、一部抜粋)

そもそも遺言とは「死者の最終の意思」と言われるほど重要なものであり、原則的には遺言者本人の死亡と同時にその効力が生じます。

そうであれば、遺言の中で財産を譲り受けるとなっている人(受遺者や相続人)だけが内容を認識していればよく、他の人に知らせる必要はない気もします。

しかし、それは誤りです。なぜなら、一部の相続人には法律上「遺留分(法定相続分とは異なる最低限保証されている取得割合)」があり、遺留分を害する遺言については「遺留分侵害額請求」をすることにより金銭賠償を求めることができるからです。

 

補足

特記事項なし