社長が個人所有の車を会社業務で使用している場合の対応方法は?

1.問題の所在

社長が個人所有の車を、会社業務で使用していることは少なくない。

この場合、個人名義のままか、法人名義に変えるかが、問題となる。

何らかの整理をしておくべきであるが、その備忘メモ。

2.結論

1 個人名義のまま

この場合、さらに無償か有償化で場合分けになる:

1-1 無償で借りる場合

使用貸借契約書を作成しておく

なお、ガソリン代等は会社の経費に計上して問題ない

1-2 有償で借りる場合

賃貸借契約書を作成しておく

なお賃借料がそのまま社長個人の収入になることから、賃借料の水準を、個人の所得税等確定申告で所得税・住民税が発生しない水準に決めておけると、個人の確定申告の手間が不要(=税理士への確定申告報酬の支払いが不要)なので、理想的。

★仮に、それ以上の水準にして、若干、所得税等の追加納税が生じたとしても、
その限界税率が例えば5%や10%のままであれば、法人税等の限界税率が25%であることから、トータルでは節税になる。

 

2 会社名義にする

社長個人から会社へ「売却」する形になる。

売買契約書を作成しておく。

売却価額は、取得時から減価償却計算を簿外で実施し、未償却残高であれば通常問題ない(私見)

 

3.理由

以下の記事を参考。なお、コピーできないため記事のタイトルは掲記しない:

https://www.100years-partners.jp/14460075282791

 

4.補足

自動車使用貸借契約書の作成例

https://www.tanabe-inc.com/tips/zeimu/2016/car-siyou-taisyaku.html

(一部抜粋)

名義変更ができない場合は、個人と会社で、①賃貸借契約等を結ぶ、②使用貸借契約を結ぶ、等の方法が考えられます。
賃貸借契約を結んだ場合、その賃料は法人経費に出来ますが、個人に確定申告が必要となるため煩雑さのデメリットがあります。特に役員の場合、年間賃料が20万円以下であっても確定申告が必要です(所得税法第121条、所得税法施行令第262条の2)。
他方、使用貸借契約では無償でやり取りが行われるため、その煩雑さはありません。