時価のある、その他有価証券を、期中、持株会経由で毎月取得し、期末に時価評価している場合の、勘定科目内訳明細書の「有価証券の内訳書」の書き方は?(JDL IBEXクラウド組曲Majorの勘定科目内訳明細書システムを使用する場合)

問題の所在

その他有価証券の期末評価は、中小企業であれば、中小企業の会計の基本要領で取得価額での評価でOKとされているため、その勘定科目内訳明細書は、通常、前期と同じ、で足りる。

他方、上場子会社等では、その他有価証券を期末に時価評価する。その場合の、勘定科目内訳明細書の「有価証券の内訳書」の書き方について、

  1. その他有価証券の時価評価をしている場合の、明文の規定がない、
  2. レアケースで、購入持株会で、「毎月、少額ではあるが購入」と「配当金もそのまま購入」の取引がある場合の記載例が、見当たらない、
  3. JDL IBEXクラウド組曲Major の 勘定科目内訳明細書システムを使用する場合、1点、割り切りが必要になる、

ので問題となる。

 

結論

記載例は以下の通り(2枚になっている事例)。過去、これで税務署に受理されている(そう):

この記載のポイントは、以下の3ステップ:

  1. (一行目は他の銘柄のため無視し)2行目、冒頭に、前期末(=当期首)BS価額(=前期末時価評価額)「だけ」を記載、
  2. それ以下の各行で、毎月の取得を、取得価額で淡々と記載、
  3. 最終行で、、、当期末BS価額(当然、全体を時価評価しなおした金額)を記載 + 摘要欄に「期末時価単価」を記載

★この方法が不合理なのは、たて計が不一致な点!

理由

勘定科目内訳明細書の記載の仕方は、国税庁hpの、ひな型の各ページの末尾の脚注がルールであり、有価証券についても記載があるにはあるが、(売買目的有価証券の時価評価については、下の画像の赤枠の説明があるが)その他有価証券のそれには、ない。

この売買目的有価証券の記載方法であれば、たて計が一致する。

そのため、その他有価証券については、

案1)売買目的有価証券の時価評価に準じて記載する、具体的には期末に加えて期首でも(時価評価前の価額と時価評価後の価額の2行書きをする)

案2)明定されていないことをいいことに(?)自己流で記載する、

のいずれかになる。

私見では案1がベターと思うが、案1だと、期首と期末で洗い替えの記載が煩雑なので、案2として期末の金額は、「その直前までの取引とは離れ、端的に、期末時価トータルを記載する」としている(よう)。

なお、いきなり時価評価をしていることの弁明か、摘要欄に期末の時価単価を付記している。

以上で、過去、申告書は受理されているので、それ以上手間をかけない (^^♪

この点に関し、「それを徹底するならば、期末の株式数も記載した方がベターでは?」というツッコミがあるかもしれないが、、、、(以下、自粛だが、自信があれば期末株式数も記載した方がベターであろう)

 

補足

この事例に関しては、「期首+当期増減=期末」という流れは肯首だが、当期増減は、わざわざ左の期末の列ではなく、右の期中増減の列に記載するのがフツーではないか、、、、(ただ、再言ですが、これで税務署で受理されているようなので、、、以下、自粛)

また、期中取得がない、その他有価証券の期末時価評価のケースについては、以下の記事位か?

法人税申告書勘定科目内訳明細書の作り方(その3)-棚卸資産・有価証券

法人税申告書勘定科目内訳明細書の作り方(その3)-棚卸資産・有価証券

(一部抜粋)

また、その他有価証券を期末に時価評価した場合の記載方法については、大会社を想定していないため取り上げられていませんでしたが、有価証券評価差額金、繰延税金資産(負債)あるいは有価証券評価差額金(税効果前)などの項目を追加して期末現在高の合計額がBS残高に一致するように内訳書を作成するのがよいのではないかと思います。

============================

私見では、記載要領に特段の記載がないことに鑑みると、(期首だの、期中だの、期末時価評価、その他有価証券評価差額金、繰延税金負債などは無視し、)単純に期末時価評価残高を記載すれば足りるハズと考える。