(税理士用)顧問先様に やよいの給与計算 を購入頂く際、「量販店でパッケージを購入」と「弥生webサイトからDLで購入」のどちらを推奨する?
問題の所在
別の記事で、顧問先様に、(やよいの給与計算オンラインではなく)やよいの給与計算 を選択頂くことを検討した。
次に、購入の仕方であるが、「量販店でパッケージを購入」と「弥生webサイトからDLで購入」のどちらを推奨すべきかが問題となる。
当事務所の大半の顧問先様の利用形態であれば、廉価な「やよいの給与明細オンライン」で十分であるところ、年末調整等を当事務所と連携してほしい当事務所の希望を受け入れて、より高額な「やよいの給与計算」を購入いただいている。 → ゆえに、まず安いことが優先になる。
量販店価格は現時点のビックカメラ価格は、29,480円(ただしポイント分を含んだ価格設定のはず)。
https://www.biccamera.com/bc/item/9604783/
他方、弥生webサイトからDL購入では、(販促の2年目無償サービスがついて分かりにくいが)年単位で、一番安価なセルフプランだと、17,800円。
https://www.yayoi-kk.co.jp/products/kyuyo/price.html
なぜ、これほどの金額差が生じるかであるが、私見では、
- 前者のパッケージの方は、仮にユーザ登録をしなければ、基本的にはずーと使用可能である。
- やよいの給与計算は、例えば健康保険の料率が変わっても手作業で更新しなければならない。このことは、制度改正があっても、それを手作業で修正すれば、料率変更以上の大きな制度改正がない限り使い続けることができることを意味する。
- 他方、後者のDL版は、(普通の設定をすれば)1年間しか使用できない。
(おそらく「あと30日後に使用できなくなります」旨のメッセージが表示され、最後、使用できなくなる。) - 私見では、弥生社としては、同じソフトを数年使われるより、廉価にしても毎年購入してもらう方が商売上よいと考えていると推定する。
- しかし、顧問先様のやよいの給与計算のバックアップファイルを取り込む形で税理士側で年末調整等をするなら、取り込むときにバージョンアップして取り込むし、また出力は税理士側の最新のやよいの給与計算(正確には弥生給与)でするのだから、当然、最新の制度対応になっている。つまり、顧問先様のやよいの給与計算は(さすがに10年はムリと思うが)数年前のバージョンでも問題ないことになる。
以上を踏まえて、さて、顧問先様には、どちらを推奨するか?
結論
弥生WEBサイトからDLの方を推奨する。
理由
以下の理由による:
- パッケージ版とDL版の価格の損益分岐点は、概算では、3年間使用するならどっちもどっち。
- (だと、担当者が量販店で購入し立替精算するならば、自分に量販店のポイントが3千円弱つくので、パッケージ版を購入に走る。。。)
- この変化の速い時代の中で給与ソフトも、近時、競争が激化しており、向こう3年を固定化するのはリスクが高い。
- (やよいの給与計算の競争優位も向こう3年間でとってかわられるリスクさえあるし)
補足
上ではやよいの給与計算について検討したが、同じ論点が、弥生会計の方でもある。
たまに現場で、古い弥生会計を使っている場面に遭遇する。そのようなときには、「税務ソフトは毎年制度改正があるから毎年改訂されることをコミットするが、会計の方は毎年改訂して、毎年購入させる必要があるのか?」と思う。
この点、TKCやICSなどのように、会計ソフトと税務ソフトを一体で提供している会社では、毎年改訂する点(=毎年購入させられる点)をユーザーは了解するので苦労がないが、会計ソフト単体を提供している弥生やソリマチでは、ユーザーの中には複数年使い続ける者も相当数いるのだろうから大変なのだろうなと思う。
しかし、会計ソフトであっても、売上を伸ばすためには、高度なサービスを付加しながら毎年購入してもらう方針を採用せざるを得ないのであろう。
TKCやICSなども決して殿様商売でいい訳ではなく、毎年改訂する分、開発費は高価になり、全体としての販売価格が高価になる分、他社の製品との比較で価格競争にされされているし、(私どものように)会計ソフトと税務ソフトを組み合わせて使うユーザーには高額ということで敬遠されてしまうご苦労もあると推察する。
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