法人成りの会社での社長の経費立替で、現金払いと個人名義のクレジットカード払いを併用している場合に、うまく消し込めないリスクを回避するための対策は?
問題の所在
法人成りの会社では、社長が経費を立て替え払いすることが常態化する。現金立替はよくあるが、クレジットカード精算を併用されることが良くある。
そのとき、法人名義のクレジットカードを使う場合は、使った分だけ、翌月以降に銀行口座から引き落とされ、強制的に消込されていくので問題ない。
他方、個人名義のクレジットカードを使う時に、問題になることがある。
具体的には、「前月に、現金立替分30、個人名義のクレジットカードで立て替えた分70を、資金繰りの都合で、翌月の精算では、その一部(100ではなく例えば60)しか精算できないとき」に、その60の内訳は機械的には決まらない。
未払金と短期借入金が候補になるが、両方とも法人税等確定申告書の添付書類の勘定科目内訳明細書に記載されるため、一定の配慮は必要。
考えられる対応は以下。なお前提は以下:
1)使用する科目は以下:
・短期借入金(個人現金精算)a/c、
・短期借入金(個人AMEX)a/c
・短期借入金(個人orico)a/c
・短期借入金(個人返金)a/c
2)計上時に、短期借入金(個人現金精算)a/c、、短期借入金(個人AMEX)a/c、短期借入金(個人orico)a/cを使用する。
案1)返済時(=会社債務の減少時)に消し込む順番を決めておく。
例えば、①個人(AMEX)a/c → ②個人oricoa/c → ③個人現金精算、の順など
<メリット>
・消し込み後、各々に、あといくら未返済かが、わかりやすい。
<デメリット>
・いわば後入先出法的に消し込むため、最後に消し込む個人現金精算の分が滞留するリスクがある。つまり各残高の金額に意味はない。
・3つの借入金を、前月残高を当月に全額精算することを、毎月、遺漏なく運用することは煩雑である。
案2)返済時(=会社債務の減少時)には、統一的に、短期借入金(個人返済)a/cを使用
つまり、前の3a/cは貸方計上のみ、最後の1a/cは借方計上のみ
<メリット>
・消し込む作業で迷わない。仕訳インポートにもなじむ。
・決算書上は、表示科目「短期借入金」で名寄せするので、対外的には矛盾はない。
・翌月の精算額も、テキトーでいいので、運用上、負担がない。
<デメリット>
・上の勘定群がTB上、両建で、会社の運営が長期化するほど、両建金額が多額になり、変な試算表になる。
・精算超過=貸付金状態になった際、これらの4a/cの決算書の科目設定を貸付金に設定し直すのが煩雑(→決算整理仕訳で相殺した方がベター)
結論
案2。
理由
決めの問題。
補足
特記事項なし
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