[弥生給与の年末調整で、代表取締役で甲欄で年収250万円で期中設立なので年末調整対象外の設定にしたら、最後の法定調書合計表の「(B)源泉徴収票を提出するもの」にカウントされない」の一連のどこがいけない?

問題の所在

弥生給与の年末調整で、某社のAさんについて、

  • 導入タブ上の、税額表欄を「甲欄」とし、代表取締役なので、従業員区分を「役員」としていて、
  • 年収の結果が、250万円で、
  • 期中設立なので、年の前半分を所得税の確定申告をするので、年末調整の手間を省きたかったので、 <m(__)m>
  • 年末調整タブ上で、画面「2-3.年末調整対象者の確認ー進捗一覧」で、年調対象を×に(=年末調整対象外にする)して、
  • 諸々の年末調整の出力をし、
  • 最後の法定調書合計表の「(B)源泉徴収票を提出するもの」をみたら、要提出者にカウントされていない。

国税庁のhpの、

No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等

の、

2 年末調整をしなかったもの

  1. (1)「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した方で、その年中に退職した方や、災害により被害を受けたため給与所得に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収の猶予を受けた方については、その年中の給与等の支払金額が250万円を超えるもの
    ただし、法人の役員については、50万円を超えるもの
  2. (2) 「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した方で、その年中の主たる給与等の金額が2,000万円を超えるため、年末調整をしなかったもの
  3. (3) 「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しなかった方(給与所得の源泉徴収税額表の月額表又は日額表の乙欄又は丙欄の適用者)については、その年中の給与等の支払金額が50万円を超えるもの

に一見、該当しない。

しかし、「年末調整をしない」と主張?するために、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しなければ、の3.(3)に該当することには、なる、が、、、、、

結論

以下の理由の、

→ ②「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した(内容が不完全)

→ 年末調整はする

→ 源泉徴収票の摘要欄は、空欄(=(年調未済の記載はない)

→ 法定調書合計表の提出要件を満たせば、A欄、B欄に、金額オン

→ 所得税の確定申告は、する。
  ★内容が不完全であっても、それは無記載を意味し、所得税の確定申告の時には追加情報を証跡とセット(と言っても電子申告であれば、生命保険控除等は添付も不要なので、情報を追加入力するだけ)

に該当する。

理由

常勤者
→甲欄
→年末調整対象者
→「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出義務あり

→ ①「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した(内容も完全)

→ 年末調整はする。

→ 源泉徴収票の摘要欄は、空欄(=(年調未済の記載はない)

→ 法定調書合計表の提出要件を満たせば、A欄、B欄に、金額オン

→ 所得税の確定申告は、しない

 

→ ②「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した(内容が不完全)

→ 年末調整はする

→ 源泉徴収票の摘要欄は、空欄(=(年調未済の記載はない)

→ 法定調書合計表の提出要件を満たせば、A欄、B欄に、金額オン

→ 所得税の確定申告は、する。
  ★内容が不完全であっても、それは無記載を意味し、所得税の確定申告の時には追加情報を証跡とセット(と言っても電子申告であれば、生命保険控除等は添付も不要なので、情報を追加入力するだけ)

→ ③「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しない、提出しなかった

→ 年末調整はしない(年調未済)

→ 源泉徴収票の摘要欄は、「年調未済」と印字される

→ 法定調書合計表の提出要件を満たせば、A欄、B欄に、金額オン

→ 所得税の確定申告は、する。
  ★内容が不完全であっても、それは無記載を意味し、所得税の確定申告の時には追加情報を証跡とセット(と言っても電子申告であれば、生命保険控除等は添付も不要なので、情報を追加入力するだけ)

 

補足

まず、年末調整の手引き(令和3年度)のp6に、「年末調整の対象となる人」の列挙に、「1年を通じて勤務している人」とある。

∴ Aさんは、年末調整の対象となる人であり、「年末調整をしない」という選択肢はない!

したがって、上の

>しかし、「年末調整をしない」と主張?するために、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しなければ、の3.(3)に該当することには、なる。

も的外れで、提出してもらわなければならない。

他方、「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されないと、所得税の計算情報が不足して、正確な所得税の算出ができないので、その場合まで会社に責任を課すのは酷である。

それを、会社側に、年末調整対象者に対し、

  • 期限までに、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出するよう指導し、
  • 期限を過ぎれば、自分で確定申告をすることになる

そうすると、戻って、

「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していない者は、結果的に、会社側からは年末調整をする義務対象外になる。

 

メニュー「源泉徴収票/給与支払報告書 ー 源泉徴収票提出▼ が×になっているのを、その上で右クリックして、〇に選択しなおす

 

補足

この辺のモヤモヤした話を比較的よくまとめている記事は以下:

年末調整は義務なのか?年末調整の対象となる方、そうでない方について説明

https://www.saisoncard.co.jp/credictionary/bussinesscard/article221.html

 

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年末調整は義務なのか?

そもそも年末調整とは、従業員の毎月の給与や賞与に基づいて算出される所得税および復興特別所得税を、適切に納付するための手続きのことを指します。

所得税は基本的に、従業員の給与から天引きという形で源泉徴収されています。

この金額が本来納めるべき税額と比べて多いのであれば還付を受けられますが、少ない場合は追加で支払う必要があり、そのための計算や処理を行うのが年末調整なのです。

年末調整は所得税法で雇い主の義務と定められているので、年末調整を怠れば罰則が科せられる可能性もあります。

年末調整の対象になる方

年末調整は雇用主の義務ではあるものの、必ずしもすべての従業員が年末調整の対象になるわけではありません。

年末調整の対象になるのは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出し、12月31日時点で会社に勤務している方で、これにはパートやアルバイトの方も含まれるため、雇用形態で年末調整の対象になる・ならないが区別されるわけではありません。

仮に年末調整を希望しない従業員がいたとしても、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」がその従業員から提出されている限りは、雇用主は年末調整を行わなければなりません。

また、年末調整は通常であれば文字通り年末に行われますが、以下に示すような条件に該当する従業員がいる場合は、必要の生じた時点で年の途中で年末調整を行う必要があります。

・年の途中で海外の子会社や支店に転勤することになり非居住者となった場合
・死亡により退職した場合
・著しい心身の障害のために退職し、本年中に再就職の見込みがないと判断される場合
・12月に支給されるべき給与などの支払いを受けたあとに退職した場合
・アルバイト・パートタイムなどが退職し、その方に本年中に支払う給与の総額が103万円以下の場合(退職後、その年にほかの勤務先から給与の支払いを受ける見込みのある場合は除く)

なお、退職したあとに給与支払い以外に、不動産の家賃収入などで合計20万円以上の所得が生じた場合は、従業員本人が年末調整済の源泉徴収票と合わせて確定申告を行わなければなりません。

年末調整が不要な方

雇用主は基本的にすべての従業員に対して年末調整を行う義務がありますが、以下の条件に当てはまっている従業員に対しては、年末調整を行う必要はありません。

・給与収入が年間合計で2,000万円を超える方
・災害による源泉所得税等の納税猶予や還付を受けている方
・アルバイトなどをかけもちしていて他社で年末調整を行う方
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出していない方
・今年に中途入社をして、前職の源泉徴収票(今年分)が提出できない方
・業務委託契約などで「給与」を支給されているわけではない方
・継続して同一の雇用主に雇用されていない方

それぞれのケースについて、説明します。

給与収入が年間合計で2,000万円を超える方

給与収入が2,000万円を超える場合は年末調整の対象外となり、従業員本人が確定申告を行わなければなりません。

会社の源泉徴収票や生命保険料などの控除に関わる書類を用いて、確定申告書を作成する必要があります。

災害による源泉所得税等の納税猶予や還付を受けている方

給与所得者が災害減免法により源泉所得税および復興特別所得税の徴収猶予または還付を受けた場合は、年末調整の対象にはなりません。

そのためこの場合も、従業員自身が自分で確定申告を行って所得税および復興特別所得税を精算する必要があります。

アルバイトなどをかけもちしていて他社で年末調整を行う方

アルバイトなどをかけもちしており、複数のところから給与を得ている場合でも、年末調整はそのうちのどこかひとつの勤務先でしか受けられません。

もっとも多くの給与を得ているところで年末調整を行うのが一般的であり、他社で年末調整を受けることを選んだ従業員に対しては、年末調整を行う必要はありません。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出していない方

「年末調整の対象になる方」でも触れたように、年末調整の対象になるのは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を勤務先に提出した方だけなので、当該書類を提出していない従業員に対しては年末調整を行う必要はありません。

年末調整を希望するものの、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出し忘れてしまった場合の従業員側の対処については、後述します。