法人の仕訳で、「個人名義」のクレジットカードの支払明細、請求明細書を、仕訳に計上する場合の留意点は?
問題の所在
まず、復習であるが、
法人名義のクレジットカードの支払明細がある場合、その仕訳起票のための方法には以下の3通りであり、うち3.がベターであろう、と別の投稿で検討済である:
- カード明細から、「経費にしない」を削除して、税理士へ渡す
- 一つ一つ「経費にする」「経費にしない」のフラグを立てて(目印をつけて)、税理士へ渡す
- 一つ一つ「経費にする」「経費にしない」のフラグを立てず、税理士へ渡す。
& 税理士側では、全部を仕訳計上してしまい、
決算整理仕訳で事業に関連しない分を、自己否認する
(役員借入金a/c、短期借入金a/cなどで、残高の20%を一括で相殺してしまう)
他方、「個人名義のクレジットカードで支払った分の一部を、立替経費として会社へ請求する」際には、立替経費申請エクセルの体裁が前提になるとして、上の1.から3.の方法に展開できるか?
★なお、個人名義のクレジットカードでは、会社名義のクレジットカードのように、
- 法人カードであれば、カード金額と同額で会社の預金口座から引き落とされるので、チェックがしやすい
(この点、上の1.では、削除した分が差額になり不一致になる)
は想定されない(∵会社名義のは、会社名義の口座から引き落とされるが、個人名義のは、同口座から引き落とされないため)
結論
- カード明細から、「経費にしない」を削除して、税理士へ渡す
- 一つ一つ「経費にする」「経費にしない」のフラグを立てて(目印をつけて)、税理士へ渡す
- 一つ一つ「経費にする」「経費にしない」のフラグを立てず、税理士へ渡す。
のうち、
- カード明細から、「経費にしない」を削除して、税理士へ渡す
のみ。
具体的には、以下のいずれか:
- 個人名義のクレジットカードの支払明細から、「経費にしない」を削除して、立替経費精算エクセルにコピペして、税理士へ渡す
- 個人名義のクレジットカードの支払明細から、「経費にしない」を削除して、立替経費精算エクセルの別紙にして、税理士へ渡す
理由
会社名義のクレジットカードで支払ったものは、
その中に「会社の経費」「会社の経費じゃない(=個人の支出)」に2分される。
→ だから「後者を、除外するか?それとも短期借入金a/cで処理するか?」の選択が論点になる。
他方、個人名義のクレジットカードで支払ったものは、
その中は「個人の支出」であり、その一部に「会社の経費の立替」がある。
→ だから「後者を会社に請求するか?」の可否だけが論点になる。
つまり、「立替経費でないものは、そもそも、遡上に乗せてはいけない」。
上の1.はそうなっているが、上の2.と3.は、そうなっていない。
補足
だから、会社名義のカードでやった方が、やりやすい。
難点は、会社名義のクレジットカードで使いこみ過ぎて、口座残高が足りなくなると、その分を個人から会社へ送金する等、めんどくさくなる。
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