会社名義のクレジットカードの毎月の支払明細、毎月の請求明細書は、領収証の代わりと認められる?

問題の所在

クレジットカードの支払明細のcsvファイルから、仕訳を起票していると、

「クレジットカードの支払明細が、領収証の代わりだ」→「領収証は保存しなくていい」と誤解してしまうことがある。実際、ググると、それを肯定している記述も散見される:

例1

領収書の代わりとなる書類とは?再発行の手順についても解説

クレジットカードの利用明細・請求明細

クレジットカードを使ったときに発行される利用明細は、領収書として代用できます。また、請求時にカード会社から送付されたりWeb上で確認できたりする請求明細書も、支払いを裏付ける書類として認められています。

ただし、請求明細書は取引先ではなくカード会社が発行するものなので、領収書と同等には扱えません。領収書か利用明細を保存しておくことを基本ルールとして、請求明細はどうしてもほかの書類が用意できない場合の最終手段だと考えておきましょう。

例2

https://www.all-senmonka.jp/moneyizm/14780/

(長文ゆえ、引用は省略)

実際のところ、

法人税では、「取引自体の5w1h的なストーリー、説明ができること」が主であり、領収証は手段に過ぎない。(領収証の有無以上に、損金処理したか否かの方が大事。もっとも税務調査のベテラン調査員などは領収証が損金条件だなどということがあったが、、、、)

他方、消費税では、上の法人税と事情が異なり、消費税法第30条第9項に規定されている:

9 第七項に規定する請求書等とは、次に掲げる書類をいう。
一 事業者に対し課税資産の譲渡等(第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。以下この号において同じ。)を行う他の事業者(当該課税資産の譲渡等が卸売市場においてせり売又は入札の方法により行われるものその他の媒介又は取次ぎに係る業務を行う者を介して行われるものである場合には、当該媒介又は取次ぎに係る業務を行う者)が、当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付する請求書、納品書その他これらに類する書類で次に掲げる事項(当該課税資産の譲渡等が小売業その他の政令で定める事業に係るものである場合には、イからニまでに掲げる事項)が記載されているもの
イ 書類の作成者の氏名又は名称
ロ 課税資産の譲渡等を行つた年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行つた課税資産の譲渡等につきまとめて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
ハ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
ニ 課税資産の譲渡等の対価の額(当該課税資産の譲渡等に係る消費税額及び地方消費税額に相当する額がある場合には、当該相当する額を含む。)
ホ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称
二 事業者がその行つた課税仕入れにつき作成する仕入明細書、仕入計算書その他これらに類する書類で次に掲げる事項が記載されているもの(当該書類に記載されている事項につき、当該課税仕入れの相手方の確認を受けたものに限る。)
イ 書類の作成者の氏名又は名称
ロ 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
ハ 課税仕入れを行つた年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行つた課税仕入れにつきまとめて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
ニ 課税仕入れに係る資産又は役務の内容
ホ 第一項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額
三 課税貨物を保税地域から引き取る事業者が税関長から交付を受ける当該課税貨物の輸入の許可(関税法第六十七条(輸出又は輸入の許可)に規定する輸入の許可をいう。)があつたことを証する書類その他の政令で定める書類で次に掲げる事項が記載されているもの
イ 納税地を所轄する税関長
ロ 課税貨物を保税地域から引き取ることができることとなつた年月日(課税貨物につき特例申告書を提出した場合には、保税地域から引き取ることができることとなつた年月日及び特例申告書を提出した日又は特例申告に関する決定の通知を受けた日)
ハ 課税貨物の内容
ニ 課税貨物に係る消費税の課税標準である金額並びに引取りに係る消費税額及び地方消費税額
ホ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

カード支払明細では、到底、これを満足しないと思うが、、、、、、、、

 

結論

私見であるが、

・法人税法上は、少額な取引であれば、カード請求明細書に、相手方を追記すればok。

・ただ、消費税法上は、一覧では不可で、取引ごとに、個別の領収書等が必要。

理由

なんと、国税庁のhpに、消費税の質疑応答のところで、以下の照会がアップされている:

カード会社からの請求明細書

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/18/05.htm

(冒頭から省略)

この「ご利用明細」等には、1その書類の作成者の氏名又は名称、2課税資産の譲渡等を行った年月日、3課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(当該課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)、4税率の異なるごとに区分して合計した課税資産の譲渡等の対価の額、5その書類の交付を受ける者の氏名又は名称が記載されていることが一般的であり、そのような書類であれば消費税法第30条第9項に規定する請求書等に該当することになります。

(上の赤字は筆者)

補足

「クレジットカード請求明細書のCSVデータから自動仕訳できます!省力化できます。」と会計ソフトベンダー等が盛んに宣伝しているが、相手先の情報だけは、ウェブからダウンロードするデータ内には記載はない。

したがって、ここを会社側で入力してもらうひと手間は必要。

(→ということは、当事務所の仕訳取込エクセルの従来の運用で問題ないと (^^♪ )