税理士用)解散・清算時の決算上のポイントは?③未収源泉所得税

問題の所在

清算の際には、債権・債務がゼロになっている必要がある。

債権は回収すればよいが、債務は想定外のものも考えられる。その対処法。

結論

「適当なところ」で、司法書士へ、

法人税等申告書に添付した決算書と、「債務に係る債権放棄証書」を渡せばOK

理由

以下、令和3年8月3日 南九州税理士会主催研修 太田達也税理士・公認会計士

「「法人税の重要項目」完全解説 」レジメ p37より抜粋:

 

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6. 実態貸借対照表における未収源泉所得税の取扱い
最後事業年度に期限切れ欠損金を使用する案件の場合、最後事業年度の末日現在の実態貸借対照表を作成するが、預金利息に係る源泉所得税および復興特別所得税が法人税(=0)から控除しきれないため、還付されるケースにおいては、実態貸借対照表上、未収入金として計上した上で、残余財産がないと見込まれるかどうかの判定を行う必要がある。
法人税から控除しきれない源泉所得税等は、清算法人に対して還付される。他に債務がない場合は、、たとえ少額であっても残余財産として最終的には株主に分配されることになると考えられる。
この問題については、国税庁『法人が解散した場合の設立当初からの欠損金額の損金算入制度(法法59③)における「残余財産がないと見込まれるとき」の判定について』の考え方との整合性から、そのように解される。

対処方法としては、次のような方法が考えられる。
① 還付が予定される源泉所得税を均等割の支払の一部に充当し、残余財産がぴったりゼロとなるように対応する。
② 源泉徴収された所得税について、税額控除方式を選択しないで、損金算入方式を選択し、還付が発生しないようにする。
③ 残余財産の確定後に支払う清算費用について清算法人に支払原資がない場合に、清算人が立て替えて支払うケースが少なくないが、その場合は清算法人が清算人に対して債務を負うことになる。そのような債務が源泉所得税等の還付予定額を上回るのであれば実態貸借対照表は債務超過の状態であるということになる。

なお、清算人に対する債務については、清算人の債権放棄証書を添付して清算結了登記を行えば、清算結了登記は受理され、問題はない。

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補足

特記事項なし