受取利息や受取配当金に係る源泉所得税の仕訳の計上タイミングは?

問題の所在

別の投稿で、預金の受取利息・受取配当金に係る源泉所得税は、計算で計上してしまうことを提案した。

そうすると、いつでも計上できるため、計上のタイミングが問題となる。

計上のタイミングは、都合、以下が考えられる:

1.入金があった都度の月次決算のタイミング

2.決算でのタイミング① 入金ごとに計算する

2.はさらに、以下のように分類できる:

2-1.入金の都度、計算&仕訳計上する

2-2.一年の入金合計金額に対して、一括で計上する

「2-2.だと計上金額が不正確になるのでは?」という指摘はごもっともである。しかし、そもそも、受取利息だけなら数十円の金額なので、誤差は通常、10円未満である。

 

結論

2-2.を運用する。

計上金額は、2-1.に比して、数円ほど過少にはなるので、還付金が数円、過少にはなるが、実害はないであろう。

会計事務所的には、決算項目が1つ増えることになる。ただし、決算のタイミングで受取利息・受取配当金はチェックするのであるから、だったら、決算時に1度で済ますのが合理的であり、正確でもある。

 

理由

以上のように、実害がないためである。

なお、「年1回だと、計上忘れリスクがないか?」という点については、申告書を順番に作成していく上で、別表6があるので、決算で計上漏らしていても、ここで気づいて、決算に戻って計上できるので、当該リスクは僅少である。

別表6の所得税の計算では、切りのいい金額が計上されるので、申告書をチェックする税務署には、「ああ、1年分の金額に対して計上してるな」と気づかれるかもしれないが、還付金が数円過少なので、税務署的には得なので、まずスルーする。

なお、申告書のコピーを受領する、金融機関の目にも触れるが、この点を理解している銀行マンはわずかであろうこと、数十円で、利益の赤黒でも変わらない限り、実害がないので、まずスルーする。

 

補足

実際、計上金額は、受取配当金が泣ければ、せいぜい数十円でしかない。したがって、税理士の中には、これを計上しないことを積極的に許容する者もいるようである。

しかし、当事務所では、100%、計上している。

この金額は、決算後の2,3か月後に、還付金として入金される。たまに、この入金の内容を経理担当者から質問され、ご説明すると、「ああ、ウチの税理士さんは、きちんと細かく、申告していくれている」と感じて頂ける。