売掛金の毎月の回収管理、滞留管理のエクセルでの方法は?

1.問題の所在

売掛金が、当社が送付した請求書の期日までに、正確な金額で入金されるとは限りません。特に、滞留していたら、経理担当者としては速やかに相手先に督促をする必要があります。

いわゆるシステム(アプリケーションソフト、もっというとERPシステム)で対応しようとするならば、顧客マスターデータ(例 請求書締め日、回収サイト)を登録し、毎回の売上データを毎回入力し、入金予定額と期日を自動表示し、入金は銀行データと連動させて(控除される手数料を戻して加算して)自動で消し込み、入金未了や違算がある等のアラーム情報を表示してくれます。

しかし、十分な投資予算でもない限り、このようなERPシステムを導入することは難しい。したがって、エクセルで管理するしかない。

まず、そもそも、自社の売掛金の管理の必要性を確認します。ざっと列挙すると、

  • 売掛金が小口か?多数か?
    (小口であれば、基本的に管理コストを掛けない、帳簿からわかる情報で済ます)
  • 締め日とサイトは同一か、バラバラか?
    (きれいに1か月後で共通なら、かつ月次決算が翌月すぐに完成するのであれば、会計帳簿上で簡単に管理可能)
  • 月次決算は翌月以降、どれくらいのスピードでできるのか?
    (仕訳データを活用できるか否か)

 

2.結論

  • 「締め日、サイトがバラバラ」で、「仕訳データ」「銀行取引データ(CSVデータ)」を活用することは難しく、したがって「エクセルの台帳を作成して管理する」場合
    → すぐ下の添付ファイルのような様式になると思います。

債権管理表_(締め日、入金日ともバラバラ) 債権管理表_(締め日、入金日ともバラバラ)

  • 「締め日又はサイトが共通」な場合
    → 以下の書籍で紹介されており、ファイルもDLできるようです。

経理でプロフェッショナルを目指す人のための 最強の経理実務 Excel教本

 

3.理由

エクセルなので、セル参照や関数を駆使して、なるべく手入力しないように作成する必要があります。

「実入金日」「実入金金額」について

銀行の取引データ(CSVデータ)を別シート貼り付けて、月数データとマッチングさせて実入金日と実入金額は自動で表示させたいところです。

しかも、毎回の控除される手数料等も毎月同じとは限らない=エクセル関数で100%うまく行かない、イレギュラーが生じます。

ですので、「通帳の入金記録を目視で見て、控除済手数料を足し込んだ金額を手入力する」しかないかもしれません。

「予定期日」「予定入金額」について

請求書締め日と回収サイトが、全ての顧客で同一であれば、「予定期日」は関数で自動表示させることは容易です。が可能です。

そして、共に異なる場合でも、行ごと(顧客ごと)に、締め日と回収サイトを

(エクセル関数が苦手でも、10件程度であれば、逐一、頭の中で計算して手入力しても大丈夫でしょう)

4.補足

自動化の関所は、「締め日、サイトがバラバラか否か」です。

バラバラですと、関数だけで全自動で作表することは困難であり、担当者の目視による作業が必要になります。

(ただし、これまで関数を駆使してこなかった人にとっては、抵抗感がないかもしれません)