l様用)外国税額控除の更正の請求に伴う修正申告書の別表の作成方法は?

問題の所在

以下の事例:

更正の請求を、以下の事例で実施する:

前提1)以前より、外国株式から受領する受取配当金から、国外源泉所得税が控除されてきた。

前提2)この分を、租税公課a/cで損金処理してきたが、外国税額控除に変更した。

前提3)そのため、過年度分を更正の請求をすることにした。

前提4)更正の請求の対象は、R3/3、R4/3、R6/3 ★進行期は、R8/3

上の前提2)のために、課税所得が増えた! 還付金額は、(地方法人税除く)法人税分の枠内で足りるのだが、他の税目、すなわち、

・地方法人税

・県税

・市税

は追徴になるので、修正申告になる (受取配当金の税額控除であるため、消費税はNA)

今後の利活用の都合、作業マニュアル的に備忘メモ。

 

結論

以下の通り:

 

まず入力の順番が問題となる。

この点に関し、通常は、法人税申告書システムの入力順であるが、更正の請求書での金額の記載順にする:

 

<R3/3月期>

別表四(簡易様式)

・「当期利益または当期欠損の額 1」は、当初申告金額に外国法人税額138,774円を加算

・「税額控除の対象となる外国法人税の額 30」に、上書きで0円を手入力!
(∵別表六(二)から自動参照だが、ここに金額が入ると、次の金額一致にならない

・「納税充当金から支出した事業税等の金額 13」は、当初申告通り!
(∵事業税の修正申告用の支出は、まだしていないため)

・最終行の「所得金額又は欠損金額 48」の金額が、更正の請求書の「所得金額又は欠損金額 1」の金額に一致、を確認

別表六(四)

・今回は、更正の請求で作成済のため、不作成

別表六(二の二)

・左列の一番上(=「控除対象外国法人税額又は個別~ 1」に、外国法人税額を上書き入力のみ
(参照箇所が自動入力される)

別表六(二)

・右列の一番上(=「その他の国外源泉所得に係る~ 21」に受取配当金の額面金額を上書き入力のみ

別表一

・(右列の)「外国税額 18」が入力されているのをch
(自動参照が0円の場合、参照先である別表六(二)に金額を入力してリカバリー)

・(左列の、縦の)「この申告による法人税額の計算」の各金額が、更正の請求書の「更正の請求金額」列の各金額に一致、を確認

↓ 結果、

別表五(二)の各行の、右端の列⑥(=期末現在未納税額 ⑥)の金額

別表五(一)

・「繰越損益金 26」の、列③(=増③)と列④(=「差引翌期期首現在 利益積立金額④」)の当初申告106,994,392を、外国法人税分(=138,774円)だけ増加した107,133,166で上書きする。

(いつもの確定申告では、「繰越損益金の列④(繰越金額)は、BSの利益剰余金に一致する」としているが、決算書は不修正で申告書のみ修正しているのだから、当然に不一致になる)

 

納付税額一覧

・法人税、地方法人税の各金額、特に「差引納付額」が、更正の請求書の各金額に一致、を確認

・なお、消費税の行の「差引納付額」がゼロ円になるよう、「修正申告前納付額等」に「年税額」(=当初申告の税額)と同額を上書き入力。

第六号様式、第二十号様式

・上の、納付税額一覧と整合していることを確認

 

<R4/3月期>

別表四(簡易様式)

別表六(四)

別表六(二の二)

別表六(二)

別表一

・上の、<R3/3月期>と同様

別表五(二)

・各行の、左端の列①(=期首現在未納税額①)の金額(=当初申告 1,603,600)を、<R3/3月期>の右端の列④(繰越金額)1,493,200で上書きする

・すると、上書き前との差額が、各行とも、右端の列⑥(=期末現在未納税額⑥)に残ってしまう、、、がそれでOK

別表五(一)

・「繰越損益金 26」の、左端の列①(=「期首現在 利益積立金額①」)の金額106,994,392を、<R3/3月期>の右端の列④(繰越金額)の金額107,133,166に上書きする。

・「繰越損益金 26」の、列③(=「増③」)の金額116,126,561を、<R3/3月期>の所得増138,774と<R4/3月期>の所得増179,040をオンした116,444,375で上書きする

・なお、行「未収還付法人税額」は、(下の<R6/3月期>では表示されるが)ここでは表示されない。
(∵ 法人税申告ソフトの仕様上、未収還付法人税額を別建てて表示をせず、行「未納法人税及び~ 28」の「確定」の、列「増 ③」の金額 586,400に含めているため)

当初申告 719,500 ▲133,100(∵ 法人税▲137,500+地方法人税+4,400=133,100)=修正申告 586,400

納付税額一覧

第六号様式、第二十号様式

・上の、<R3/3月期>と同様

 

<R6/3月期>

別表四(簡易様式)

別表六(四)

別表六(二の二)

別表六(二)

別表一

・上の、<R3/3月期>と同様

別表五(二)

・<R3/3月期>と<R4/3月期>は、2年前分、3年前分のため、各税目で、
令和2.4.1ー令和3.3.31
令和2.4.1ー令和3.3.31
の2行を入力し、左列①(=「期首現在未納税額①」)に、<R3/3月期>と<R4/3月期>の右端の列⑥(=期末現在未納税額 ⑥)の各繰越金額を入力する。
(すると、自動参照で、右列⑥(=期末現在未納税額 ⑥)が表示される。)

・なお、
令和2.4.1ー令和3.3.31
の行は上の差額の処理はNA
(∵前期の<R5/3月期>は正しいので)

・すると、各税目とも、<R3/3月期>と<R4/3月期>の2行の差額が、右端の列⑥(=期末現在未納税額 ⑥)に残ってしまう、、、がそれでOK

別表五(一)

・未収還付法人税が自動表示で、左列①(=「①」)と右列④(=「④」)が表示される。
((<R3/3月期>と<R4/3月期>がの左列①(=「①」)を挿入し、各繰越金額を入力すると、自動参照で、右列④(=「④」)が表示される。
(∵ <R3/3月期>と<R4/3月期>は、<R6/3月期>から2年以上前のため、<R4/3月期>のときのように、行「未納法人税及び~ 28」の「確定」の、列「増 ③」の金額に、押し込むことはできないため)

・「繰越損益金 26」の、左端の列①(=「期首現在 利益積立金額①」)の当初申告の金額18,905,370を、<R3/3月期>の所得増138,774と<R4/3月期>の所得増179,040をオンした19,223,184で上書きする

・行「未収還付法人税額 24」が自動表示され、列①と列④に、243,500(=<R3/3月期>の還付金110,400と、<R4/3月期>の還付金137,500の合計)が自動表示される。

当初申告 1,603,600 +110,400(∵ 法人税▲113,100+地方法人税+2,700=110,400)=修正申告 1,493,200、

・なお、<R6/3月期>の還付金では表示されるが)ここでは表示されない。
(∵ 法人税申告ソフトの仕様上、未収還付法人税額を別建てて表示をせず、行「未納法人税及び~ 28」の「確定」の、列「増 ③」の金額 586,400に含めているため)

当初申告 719,500 ▲133,100(∵ 法人税▲137,500+地方法人税+4,400=133,100)=修正申告 586,400

 

納付税額一覧

・上の、<R3/3月期>と同様

 

 

 

理由

 

補足

特記事項なし