法人成りの法人で火災保険を経費計上は許容な場合、個人の不動産所得の確定申告をしていなくても許容か?
問題の所在
個人の法人成りの顧問先様で、記帳代行業務で、クレジットカードで火災保険の支出があった。
ググると、曖昧に個人事業主用の記事だったりするが、以下の記事は法人・個人にも当てはまるように解説されており参考になる。
↓
端的には、事業に供している分を、所得税でいう家事関連費の按分的に計上することを許容している。
その主旨を徹底するならば、
1)それに見合う分を法人から家賃収入を徴収し、
2)かつ、社長が不動産所得を確定申告する
ことまで要求されるのかしらとふと思ったが、、、、
結論
実務的には、上の1)はマストではない(したがって、2)もマストではない)と解する。
なおリスクヘッジとして、付け替え経費で計上する家賃の水準は、以下の理由にある「不動産所得を申告して実は節税になる」で試算しての金額以下に迎えておくのがベター。
理由
「1)それに見合う分を法人から家賃収入を徴収し」ない場合、
法人の法人税
地代家賃a/cが生じないので、課税所得が多めに出る→税務署的にはスルー (^^)
個人の所得税
一見、不動産所得が発生するのでそれを申告しないのは税務署から指摘される気もするが、
実務上は以下の記事にあるとおり「敢えて不動産所得を申告して節税」というワザが横行していて、それは税務署も想定しているであろうから、「どうせ節税の枠に収まる程度しか不動産所得を計上していないだろう」と推定される蓋然性があり、
だとしたら、税務署から指摘されることはない、
社長が会社に自宅を貸して法人税を節税?
http://www.sugitax.jp/15113295619340
(以下、一部抜粋)
不動産所得は収入から必要経費を差し引いて計算します。また、青色申告承認申請書を期限内に提出し、簡易帳簿を備えていれば、青色申告特別控除として10万円を控除することができます。
したがって、(年間賃料) < (年間必要経費+10万円)
であるならば、不動産所得は発生しないことになります。
要するに、年間必要経費を計算した上でそれを少々上回る程度の賃料を設定しておけば、不動産所得は発生せず、無駄な税金を払う必要はなくなるワケです。
必要経費として代表的なものは、建物の減価償却費・固定資産税・火災保険料・その他維持修繕費があげられるでしょう。これらを居住用部分と事務所部分とに合理的な基準(床面積等)で分け、事務所部分に対応するコストが不動産所得計算上の必要経費となります。
自宅を会社に適切な賃料で貸し付ければ、所得税を発生させずして、法人税を節税できるのです。
=================================
補足
特記事項なし
■