当事務所用)住宅ローン控除に係る初年度確定申告で、依頼人に説明し資料依頼するため用の記事は?

問題の所在

いわゆる住宅ローン控除に係る初年度確定申告の実務で手間がかかるのが、資料の収集。方法論としては、

1)「業者からもらった契約書ファイルを丸々借りる」などし、後で当事務所側で精選する

2)最初に精選して、個別に指定して、それを依頼人から受領する

従来、1)で力業だが、できれば、2)でやりたいので、ここでマニュアル化。

なお、

・民間会社の記事の利用は自己責任なため、国税庁の資料を使いたい

・概要から、提出依頼資料まで、ランディングページ的な記事だと助かる。

 

結論

以下のページを使用する:

No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm

使い方は、

(1) しゃべるときは、上からダラダラと

(2) ポイントは、①受付シート、②前金、③適用要件、と、②要提出資料。

の確認:

①適用要件 は以下:

共通の適用要件

次のすべての要件を満たす必要があります。

番号適用要件
1住宅の新築等の日から6か月以内に居住の用に供していること。
2この特別控除を受ける年分の12月31日まで引き続き居住の用に供していること。

(注)個人が死亡した日の属する年にあっては、同日まで引き続き住んでいること。

3次の(1)または(2)のいずれかに該当すること。

(1) 下記(2)以外の場合

イ 住宅の床面積(注1)が50平方メートル以上であり、かつ、床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること。

ロ この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、2,000万円以下であること。

(2) 特例居住用家屋または特例認定住宅等の場合

イ 住宅の床面積(注1)が40平方メートル以上50平方メートル未満であり、かつ、床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること。

ロ この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、1,000万円以下であること。

410年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築等のための一定の借入金または債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること(注2)。
52以上の住宅を所有している場合には、主として居住の用に供すると認められる住宅であること。
6居住年およびその前2年の計3年間に次に掲げる譲渡所得の課税の特例の適用を受けていないこと。

(1) 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法31の3①)

(2) 居住用財産の譲渡所得の特別控除(措法35①)

(注)被相続人の居住用財産の譲渡所得の特別控除(措法35③)により適用する場合を除きます。

(3) 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の2)

(4) 財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の5)

(5) 既存市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例(措法37の5)

7居住年の翌年以後3年以内に居住した住宅(住宅の敷地を含みます。)以外の一定の資産を譲渡し、当該譲渡について上記6に掲げる譲渡所得の課税の特例を受けていないこと。

(注)一定の資産を譲渡したことにより上記6に掲げるいずれかの特例の適用を受ける場合において、その資産を譲渡した年の前3年分の所得税について住宅借入金等特別控除を受けているときは、当該譲渡をした日の属する年分の所得税の確定申告期限までにその前3年分の所得税について修正申告書または期限後申告書を提出し、かつ、当該確定申告期限までに当該修正申告書または期限後申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならないこととされています。

8住宅の取得(その敷地の用に要する土地等の取得を含みます。)は、その取得時および取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者からの取得でないこと。
9贈与による住宅の取得でないこと。

(注1)床面積の判断基準は、次のとおりです。

1 床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。

2 マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分(共有部分)については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断します。

3 店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。

4 夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。

ただし、マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する部分(専有部分)の床面積によって判断します。

(注2)一定の借入金または債務とは、例えば銀行等の金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先などからの借入金や独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、建設業者などに対する債務です。ただし、勤務先からの借入金の場合には、無利子または0.2パーセントに満たない利率による借入金はこの特別控除の対象となる借入金には該当しません。また、親族や知人からの借入金はすべて、この特別控除の対象となる借入金には該当しません。

詳しくは、コード1225「住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等」を参照してください。

住宅等の区分に応じた適用要件

認定住宅等については、その区分に応じて次の適用要件を満たす必要があります。

認定住宅等の区分適用要件
認定長期優良住宅長期優良住宅の普及の促進に関する法律第11条第1項に規定する認定長期優良住宅に該当するものであることにつき証明がされたものであること。
低炭素建築物都市の低炭素化の促進に関する法律第2条第3項に規定する低炭素建築物に該当することにつき証明がされたものであること。
低炭素建築物とみなされる
特定建築物
都市の低炭素化の促進に関する法律第16条の規定により低炭素建築物とみなされる同法第12条に規定する認定集約都市開発事業により整備された特定建築物に該当することにつきその個人の申請に基づきその家屋の所在地の市町村長または特別区の区長により証明されたものであること。
特定エネルギー
消費性能向上住宅
エネルギーの使用の合理化に著しく資する住宅の用に供する家屋として国土交通大臣が財務大臣と協議して定める基準に適合するものであることにつき証明がされたものであること。
エネルギー消費性能向上住宅エネルギーの使用の合理化に資する住宅の用に供する家屋として国土交通大臣が財務大臣と協議して定める基準に適合するものであることにつき証明がされたものであること。

居住年が令和6年または令和7年である場合の一般の新築住宅である場合の適用要件

居住年が令和6年または令和7年である場合の一般の新築住宅については、以下の適用要件を満たす必要があります。

一般の新築住宅の区分適用要件
下記以外の一般の新築住宅
(床面積が50平方メートル以上)
次のいずれかを満たすこと。

イ 令和5年12月31日までに建築確認を受けているものであること。

ロ 令和6年6月30日までに建築されたものであること。

特例居住用家屋に該当するもの
(床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満)
令和5年12月31日までに建築確認を受けているものであること。

計算方法・計算式

 

住宅借入金等特別控除の控除期間および控除額の計算方法

住宅借入金等特別控除の控除額は、住宅ローン等の年末残高の合計額(住宅の取得等の対価の額または費用の額(注1、2)が住宅ローン等の年末残高の合計額よりも少ないときは、その取得等の対価の額または費用の額。以下「年末残高等」といいます。)を基に、居住の用に供した年分の計算方法により算出します(100円未満の端数金額は切り捨てます。)。

(注1)住宅の取得等に関し、補助金等(国または地方公共団体から交付される補助金または給付金その他これらに準ずるものをいいます。以下同じです。)の交付を受ける場合(平成23年6月30日以後に住宅の取得等に係る契約を締結する場合に限ります。以下同じです。)には、その補助金等の額を控除します。

(注2)住宅の取得等に際して住宅取得等資金の贈与を受け、「住宅取得等資金の贈与税の非課税」(措法70の2)または「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」(措法70の3)(以下、併せて「住宅取得等資金の贈与の特例」といいます。)を適用した場合には、その適用を受けた住宅取得等資金の額を控除します。

住宅の区分居住の用に供した年控除期間各年の控除額の計算(控除限度額)
認定長期優良住宅
認定低炭素住宅
令和4年・令和5年13年年末残高等×0.7%(35万円)
令和6年・令和7年13年年末残高等×0.7%(31.5万円)
特定エネルギー
消費性能向上住宅
令和4年・令和5年13年年末残高等×0.7%(31.5万円)
令和6年・令和7年13年年末残高等×0.7%(24.5万円)
エネルギー
消費性能向上住宅
令和4年・令和5年13年年末残高等×0.7%(28万円)
令和6年・令和7年13年年末残高等×0.7%(21万円)
一般の新築住宅令和4年・令和5年13年年末残高等×0.7%(21万円)
令和6年・令和7年10年年末残高等×0.7%(14万円)

 

②要提出資料。

提出書類等

確定申告書に次の書類を添えて提出してください。

共通の提出書類

1「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」

※ 連帯債務がある場合は「(付表)連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」も必要です。

2金融機関等から交付された「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」(注3)
3家屋の「登記事項証明書」(注1)などで床面積が50平方メートル以上(特例居住用家屋または特例認定住宅等の場合は、40平方メートル以上50平方メートル未満)であることを明らかにする書類
4家屋の「工事請負契約書」または家屋の「売買契約書」の写しなどで家屋の取得対価の額を明らかにする書類
5<土地の購入に係る住宅借入金等について控除を受ける場合>

(1) 土地の「登記事項証明書」(注1、2)などで敷地の取得年月日を明らかにする書類

(2) 土地の売買契約書の写しなど土地の取得対価の額を明らかにする書類

6<国または地方公共団体等から補助金等の交付を受けた場合>

市区町村からの補助金決定通知書などの補助金等の額を証する書類

7<住宅取得等資金の贈与の特例(措法70の2、70の3)を受けた場合>

贈与税の申告書など住宅取得等資金の額を証する書類の写し

(注1)「登記事項証明書」については、計算明細書への「不動産番号」の記載または「登記事項証明書」の写しの添付に代えることができます。

(注2)マンションなどで家屋の「登記事項証明書」に敷地権の表示がある場合は、家屋の「登記事項証明書」でも差し支えありません。

(注3)敷地の購入に係る住宅借入金等が次の(1)から(3)までのいずれかに該当するときは、それぞれに掲げる書類の提出が必要になります。

(1) 家屋の新築の日前2年以内に購入したその家屋の敷地の購入に係る住宅借入金等であるときは、次のイまたはロの別に応じてそれぞれに掲げる書類

イ 金融機関、地方公共団体または貸金業者からの借入金

家屋の登記事項証明書などで、家屋に一定の抵当権が設定されていることを明らかにする書類(上記表の3の書類により明らかにされている場合は不要です。)

ロ 上記以外の借入金

家屋の登記事項証明書などで、家屋に一定の抵当権が設定されていることを明らかにする書類(上記表の3の書類により明らかにされている場合は不要です。)または貸付けもしくは譲渡の条件に従って一定期間内に家屋が建築されたことをその貸付けをした者もしくはその譲渡の対価に係る債権を有する者が確認した旨を証する書類

(2) 家屋の新築の日前に3か月以内の建築条件付きで購入したその家屋の敷地の購入に係る住宅借入金等であるとき

敷地の分譲に係る契約書の写しなどで、契約において3か月以内の建築条件が定められていることなどを明らかにする書類(上記表の3の書類により明らかにされている場合は不要です。)

(3) 家屋の新築の日前に一定期間内の建築条件付きで購入したその家屋の敷地の購入に係る住宅借入金等であるとき

敷地の分譲に係る契約書の写しなどで、契約において一定期間内の建築条件が定められていることなどを明らかにする書類(上記表の3の書類で明らかにされている場合は不要です。)

住宅等の区分に応じた提出書類

上記の「共通の提出書類」に加えて、認定住宅等の区分に応じた書類の提出が必要となります。

認定住宅等の区分提出書類
認定長期優良住宅イ 都道府県または市区町村等の長期優良住宅建築等計画等の「認定通知書」の写し(※1)

※1 計画の変更の認定があった場合には「変更認定通知書」の写し、認定計画実施者の地位の承継があった場合には「認定通知書」および「承認通知書」の写し

ロ 市区町村の「住宅用家屋証明書」(注1)(認定長期優良住宅に該当する旨などの記載があるもの)もしくはその写し、または建築士等(※)が発行した「認定長期優良住宅建築証明書」(※2)

※2 「認定通知書」の区分が既存である場合は、ロの書類は不要となります。

低炭素建築物イ 都道府県または市区町村等の低炭素建築物新築等計画の「認定通知書」の写し

※ 計画の変更の認定があった場合には「変更認定通知書」の写し

ロ 市区町村の「住宅用家屋証明書」(注1)(認定低炭素住宅に該当する旨などの記載があるもの)もしくはその写し、または建築士等(※)が発行した「認定低炭素住宅建築証明書」

低炭素建築物とみなされる
特定建築物
市区町村の「住宅用家屋証明書(特定建築物用)」(注2)
特定エネルギー
消費性能向上住宅
建築士等(※)が発行した「住宅省エネルギー性能証明書」(注3)または登録住宅性能評価機関の「建設住宅性能評価書」の写し

(断熱等性能等級に係る評価が等級5以上および一次エネルギー消費量等級に係る評価が等級6以上であるもの)

エネルギー
消費性能向上住宅
建築士等(※)が発行した「住宅省エネルギー性能証明書」(注3)または登録住宅性能評価機関の「建設住宅性能評価書」の写し

(断熱等性能等級に係る評価が等級4以上および一次エネルギー消費量等級に係る評価が等級4以上であるもの)

※「建築士等」とは、一級建築士、二級建築士または木造建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関および住宅瑕疵担保責任保険法人をいいます。

(注1)「住宅用家屋証明書」については、昭和59年5月22日付建設省通知(「住宅用家屋の所有権の保存登記等の登録免許税の税率の軽減措置に係る市町村長の証明事務の実施について」)で様式が定められており、措法41⑩一および二の規定する認定長期優良住宅および低炭素建築物の添付資料のほか、特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等の税率の軽減(措法74)や認定低炭素住宅の所有権の保存登記等の税率の軽減(措法74の2)の適用を受ける場合の添付書類としても使用されています。

(注2)「住宅用家屋証明書(特定建築物用)」については、平成25年8月8日付国交省通知(「認定集約都市開発事業により特定建築物を整備した場合の住宅ローン税額控除の特例に係る市町村長の証明事務の実施について」)で様式が定められており、措法41⑩二に規定する低炭素住宅とみなされる特定建築物の添付書類としても使用されています。

(注3)「住宅省エネルギー性能証明書」については、令和4年3月31日国交省告示第455号で様式が定められており、措法⑩三および四に規定する特定エネルギー消費性能向上住宅およびエネルギー消費性能向上住宅の添付書類としても使用されています。

<参考>「特定エネルギー消費性能向上住宅」および「エネルギー消費性能向上住宅」の添付書類の取得時期等(新築住宅)

居住の用に供した日提出書類
住宅省エネルギー性能証明書建設住宅性能評価書
令和4年1月1日
~令和5年3月31日
令和5年4月1日前に証明のための家屋の調査が終了したもの令和5年4月1日前に評価されたもの
令和5年4月1日
~令和7年12月31日
家屋の取得の日前に証明のための家屋の調査が終了したもの家屋の取得の日前に評価されたもの

居住年が令和6年または令和7年である場合の一般の新築住宅の場合の提出書類

居住年が令和6年または令和7年である場合の一般住宅については、以下の書類の提出も必要になります。

一般の新築住宅の区分提出書類
下記以外の一般の新築住宅
(床面積が50平方メートル以上)
次に掲げるいずれかの書類

イ 建築基準法に規定する確認済証の写しまたは検査済証の写し(令和5年12月31日以前に建築確認を受けたことを証するものに限ります。)

ロ 家屋の登記事項証明書(その家屋が令和6年6月30日以前に建築されたことを証するものに限る。)

特例居住用家屋に該当するもの
(床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満)
建築基準法に規定する確認済証の写しまたは検査済証の写し
(令和5年12月31日以前に建築確認を受けたことを証するものに限ります。)

<参考>居住年が令和6年または令和7年である場合の一般の新築住宅の住宅ローン控除のイメージ

 

理由

 

補足

特記事項なし