消費税の税込方式を採用している場合、法人税の別表五(二) 「損金算入のもの」欄に記載するの?

問題の所在

消費税の会計処理に税込方式を(まだ)採用している顧問先様がありますが、その仕訳は当然、

(借)租税公課 100 (貸)未払法人税等 100

ですが、この100は、法人税等確定申告書の、別表五(二)の下部分の、

その他ー損金算入のもの、

に記載するのではないか?とふと思った。

ただ、この顧問先様の過去の前任税理士の作成した法人税等確定申告書を見直したら、無記載だが、、、

 

結論

やはり、記載する。

★なお、記載する金額は、(未払消費税等ではなく)当期の発生額(=ちょうど、租税公課a/cで計上した分)。

 

理由

参考記事は以下:

 

別表5(2)の書き方を初心者にわかりやすく国税OB税理士が解説

(以下、一部抜粋)

 

「その他」欄は、何について記載するかというと

「その他」欄は、法人税+地方法人税・道府県民税・事業税+特別法人事業税・市町村民税 以外の租税公課を支払った場合に処理する欄

です。

次の表を参照して、表の租税公課を支払った場合は、損金算入のものと損金不算入のものに分けて「その他」欄に記載します。

租税公課分類表

租税公課種類備考
損金算入のもの利子税(国)申告納付期限延長した場合の延滞税
延滞金(地方)申告納付期限延長した場合の延滞金
源泉所得税税額控除を適用しない場合
固定資産税
不動産取得税
自動車税
印紙税
登録免許税
消費税税込経理のみ
損金不算入のもの延滞税・延滞金延滞税は国、延滞金は地方
過少申告加算税・過少申告加算金加算税は国、加算金は地方
無申告加算税・無申告加算金加算税は国、加算金は地方
重加算税・重加算金加算税は国、加算金は地方
不納付加算税源泉所得税を期限内に納めなかった場合
過怠税印紙税を適切に納めなかった場合
源泉所得税税額控除を適用する場合
交通反則金

いきなり税目がズラーと並んでも面食らってしまうと思いますので、STEP式に一つ一つ判断していきましょう。

【STEP1】 上の「租税公課分類表」に書かれた租税公課の支払いが今年度中にありましたか?

なかったあった
「その他」欄はすべて空欄。この欄は終了。「その他」欄に記載必要。【STEP2】へ

「租税公課分類表」のいずれも支払いがない場合は、空欄になります。
ただし、金融機関から預金利息を受け取っている場合は、源泉所得税が天引きされているので、別表6(1)を作成して所得税額控除を適用する場合は、「損金不算入のもの」の方に記載し、所得税額控除を適用しない場合は、「損金算入のもの」の方に書く必要があることに注意しましょう。(STEP2の処理が必要になります。)

 

【STEP2】 上の「租税公課分類表」に書かれた租税公課の支払いがあった※場合

※「支払いがあった」には、消費税を確定申告してその確定税額を未払い計上する場合のように、すでに発生している未払いのものも含みます。

次のような例を用いて書き方を見ていきましょう。
これらの租税公課はすべて当期発生したものとします。

租税公課の種類金額損金算入or不算入
❶源泉所得税1,200損金算入(税額控除適用×)
❷源泉所得税200,000損金不算入(税額控除適用○)
❸消費税990,000損金算入
❹印紙税10,000損金算入
❺交通反則金10,000損金不算入

 

補足

特記事項なし