②スキャナ保存関係 で、(国税庁が公表しているQ&Aではなく)当事務所がメモとしてまとめたQ&A
私見では、電子帳簿保存法改正への対応のうち、②スキャナ保存関係 は当面対応無用で良いと思いますが、いろいろな事情で対応が必要な会社様の担当者様と協議した内容で、参考に供するものを追記していきます。
タイムスタンプが不要となるシステム
<Q>
保存先をドロップボックスなどのクラウドサーバーでもいいのでしょうか?
<A>
むしろ望ましい(管理上もラク)です。
論点は、クラウドの是非ではなく、自社ではな外部である点で保存時刻が自社側から操作・修正・偽装できない点であり、外部ですからそのようなことは当然できませんので。
ヴァージョン管理
<Q>
たとえば、「取引先から請求書が届き、これをスキャナ保存してデータを登録した後に、内容になんらかの間違いがあり、改めて修正後の請求書が届いた」とします。この場合、「後から届いたものをスキャナ保存して登録すれば、前のものは削除してしまってもよいでしょうか?
<A>
電子帳簿保存法は、1度登録したデータは物理削除を行ってはならず、すべての訂正・削除の履歴を管理しなければならないと定めています。
そのため、前にもらった請求書も、新しい請求書も、両方初版として登録できる仕組みか、もしくはデータ削除方法が論理削除であり、なおかつ、論理削除したデータだけを後から抽出できるような仕組みを構築しなければなりません。
シンプルには、
- ファイル名のネーミングルールの整備運用上、年日時レベルの情報まで持たせておき、
- 保存しているフォルダ内を親フォルダとすると、その中に 子フォルダ「old」 を設け、以下の運用でOK
- 上の「前にもらった請求書」ファイル → 当初は親フォルダに保存 → 新しい請求書が到着したら、子フォルダへ移動
- 上の「新しい請求書」ファイル → 当然、親フォルダ内に保存
で運用可能と思います。
検索機能の確保
<Q>
可視性の確保のための要件と言われている、「検索機能の確保」って何を満たせばいいの?
<A>
ベンダーのサイト記事などでよく紹介されている内容としては、
電子帳簿保存法は、スキャナ保存された文書に関して、
- 取引先名称、取引金額、取引年月日など、主要な項目で検索ができ、
- なおかつ、二つ以上の項目を組み合わせた検索や、範囲指定検索などができる
- しかも、指定した検索条件以外のものが検索結果画面に表示されてはいけない
ことを求めている、
と言い切っています。特に3.は厳しい要件のため、抽象的にシステム化(→ベンダーに丸投げ)という理屈になりがちですがが、、、、実は、上の3.が要件だというのは疑義があります。というのも、国税庁の資料には、
「税務職員による質問調査権に基づく電子的記録のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、3.は不要」と読める記述があるからです。
はじめませんか?書類のスキャナ保存!(国税庁hp)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0018004-061_02.pdf
そうであれば、エクセルで台帳を作り、上の区分で列を設ければ足りる、と対応することで足りる、整理することもできます。
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