【期間限定】公表されている「新型コロナ対策の特別貸付」の留意点(4/26時点)

はじめに

あまり触れられていない点を、以下にまとめておきます。

 

留意点

① (今の、公庫や商工会議所の特別融資よりも)

今後の「民間の金融機関の無利息・無担保の特別融資」がおススメ

(理由)

融資の実行までの時間が短いため。

(解説)

現時点では、政府の支援メニューの窓口、すなわち実施者は、日本政策金融公庫や商工会議所等です。

これらのデメリットは、とにかく手続に時間がかかり、融資の実行までに時間がかかる点です。

特に、これまで日本政策金融公庫や商工会議所等と取引がなく、今回、新規で問い合わせておられる方は、一層、時間がかかることが予想されます。

これに対し、民間の金融機関は、日本政策金融公庫や商工会議所等よりも、まず、手続に要する時間が基本的に短いです。

しかも、その民間の金融機関が、従来の取引金融機関であるならば、一層、短期間です。

ですので、これから政府の新型コロナ対策の特別貸付を申請する予定の方で、民間の金融機関の方を待てる方は、

  1. まず、従来の取引銀行等に相談されることを勧奨します。
  2. 次に、他の民間の金融機関
  3. 最後に、日本政策金融公庫や商工会議所等のセーフティ4号又は5号

の優先順位でご準備されることを勧奨します。

 

② でも、現時点での民間の金融機関の「特別融資」は、無利子・無担保ではないリスクあり

(理由)

従来の貸し出しメニューを押し付けられるリスクがあります。

この場合、当然、利子あり、担保あり。利子分を補てんすることはない、信用保証協会の保証料もガッツリ取られます。

(解説)

昔の、消火器の訪問販売の営業トークに、「消防署の方から来ました、、、、」と言って、あたかも消防署の署員だと相手を信用させるものがありました。

同じ話が、この4月に、一部の民間の金融機関(銀行、信用金庫、信用組合等)で実施されている可能性があります。

仮に、A金融機関としますと、A金融機関が、この時期に、(今回の新型コロナ対策の特別貸付のメニューではなく)従来の融資メニューを、ほんのちょっと条件を変えて「特別融資」と銘打って、お客さんに紹介するものです。

報道を見て、A金融機関に電話して、「うちでも、特別融資を実施中です」と聞いて、A金融機関の支店まで出向き、話を聞いてみたら、、、、無利子・無担保じゃないことはわかった、けど、、、、「また出直すのもめんどくさいので、無利子・無担保ではないけど、ここで借りるかあ」というパターンがA金融機関の狙いです。これは、相手は了解していますが、倫理的には問題あるでしょう。

<2020/5/1>

以下の(理由)によって、以上の「特別融資のリスク」は低減しましたので、以上の記事は警鐘の役割を終えましたので、削除します。

(理由)
民間の金融機関による「無利子・無担保」特別融資が、5/1から開始されました。
今後の、民間の金融機関への定期検査の中で、「本日以降の民間金融機関の貸出の案件の中に、「無利息・無担保」以外の案件があったら、、、、それは国の指導に反していると容易に判定でき、その金融機関全体の処分の対象になるでしょう。
民間の金融機関は、減点主義の組織です。この点のリスクは、まず取りません。 ■

 

③無利子は、キャッシュバックの意味です

(解説)

「無利子・無担保」と言っても、利子分は最初は事業主さんが支払うことはいつもと同じで、その利子分を、数か月後に補てんしてくれる、ということです。

 

④5月以降、民間金融機関が、この特別融資を財源に、従来の借入金の借換をセールスしてきます

(解説)

この特別融資は、、、民間金融機関にも「特需」になります。

既存の貸出金(会社から言うと、借入金)がある会社に、この特別融資での借換を提案してきます。

「なんで、無利子・無担保・信用保証協会の保証料がゼロの話を、わざわざ提案してくるのだろう?」と思われるかもしれません。

理由は、その民間金融機関のフトコロは傷まないで、形式的に、貸出実績を積み増しできますので、実は、民間金融機関にとって都合が良いのです。

当面の民間金融機関の行動は、

  • 4月中は、お客様の側からくる申請に、てんてこ舞い的に対応し、
  • それが一段落した5月以降は、金融機関の側からお客様へ、申請を提案する

という、4月と5月以降で、真逆な対応になる構図です。

例えば、提案型で有名な、某J信用金庫などは、早々に4月にも対応していたようです。