当事務所用)売掛金の貸倒処理をしれっとする方法は?

問題の所在

クライアントからは、黒字の期などに、(倒産等に至っていなくても)回収が見込めない売掛金を費用処理してほしいと提案されることが少なくありません。

法人税法上、回収が見込めない売掛金を貸倒損失で損金計上する要件は厳しいです。相手方が倒産や整理までいかない限り認められません。

その手前の貸倒引当金50%設定をしたとしても、その後、倒産等までいかないので、中途半端です。

要は、「損金処理できないものを、損金処理して」と依頼されることになるので、迷ってしまいます。

 

結論

少額であれば、しれっと貸倒損失を計上する。ただし、科目は雑費a/c。

消費税上は、本来課税取引であり、気が利いている消費税アプリケーションだとご丁寧に貸倒に相当する消費税の区分に明記するが、少額であれば、仕入れ税額控除に含めるのも一法である(この点、簡易課税であれば、仕入税額控除は個別に記載されないので問題ない)。

 

理由

まず、当該売掛金が少額であることが前提です。

そして、申告書及び別添資料中で、明らかに貸倒損失処理をした、と見えないことが必要です。

売掛金の貸倒処理(貸倒損失の計上)は、消費税法上、課税取引です(売掛金を計上した時に、売上が当然に課税取引であることの対応)。ここで消費税の申告書上、強気に、明示するか、弱気に(?)明示しないかは、

(似た処理として、「法人税における、実態が給与手当であるのに外注費と処理して、消費税の申告書上では非課税取引として処理する」のと、同様の配慮である)

 

補足

上の処理は、厳密には、脱税です。

しかし、クライアント満足を考える中で、影響額、雑費a/cの計上額と他の販売費及び一般管理費の計上額のバランス、税務署のメンツ、等を総合的に判断して対応する必要があると考えます。