社会保険(健康保険と厚生年金保険)と雇用保険料の、給与天引きの仕訳は?
問題の所在
社会保険、特に雇用保険の給与天引きの仕訳は、
・教科書的に行うと途中の月でズレるリスクがある(特に雇用保険料)
・他方で、簡便的に仕訳するのは(厳密性は書くのかもしれないが)、、、カンタンである!
以下、社会保険(健康保険と厚生年金)と、雇用保険の、給与天引きの仕訳について確認した際の備忘メモ。
結論
以下の記事が参考になる:
1)社会保険(健康保険と厚生年金保険料)分
(以下、一部抜粋)
(1)従業員負担部分を「法定福利費」で計上する方法(簡単)
一番簡単な方法です。従業員負担分につき、給料天引時は「法定福利費(貸方)」で計上し、会社から年金事務所支払時は、全額「法定福利費(借方)」で計上する方法です。
上記の通り、社会保険料のうち、会社負担分は費用(法定福利費)となりますが、従業員負担分は費用とはなりません。
そこで、従業員負担分を預かった際は、「法定福利費のマイナス」で計上し、従業員等負担分も含めた年金事務所への支払額(会社負担+従業員負担)全額を「法定福利費」として計上することで、借方と貸方が相殺され、結果的に「会社負担分」のみが「法定福利費」で計上される方法です。
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
毎月給料から預り時 | 給料 | 10,000 | 現金 法定福利費(社保) | 8,500 1,500 |
年金事務所支払時 | 法定福利費(社保) | 3,000 | 現金 | 3,000 |
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2)雇用保険分
(以下、一部抜粋)
(1)現金主義での仕訳
中小企業で圧倒的に多いのは、下記の処理です。現金主義で仕訳を行います。
中小企業の場合は、下記で十分かと思います。
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
概算払時(2021年4月) | 法定福利費(労・雇) | 1,440 | 現金 | 1,440 |
給与支払時(※1) | 給料 | 130,000 | 現金 法定福利費(雇) | 129,610 390 |
期末 | 仕訳なし | |||
確定保険料支払時(2022年7月)(※2) | 法定福利費(労・雇) | 120 | 現金 | 120 |
次年度概算払(2022年7月) | 法定福利費(労・雇) | 1,560 | 現金 | 1,560 |
(※1)年間合計の給与仕訳で記載しています(130,000×3%)。実際の毎月の仕訳は、毎月の給料×3%(雇用保険料率)の仕訳となります。
(※2)決算期末(2022年3月)に、未払計上も認められます。
(ご参考~前払部分の取扱い~)
厳密には、概算保険料(法人負担分)には、「前払部分」が含まれています。
しかし、税務署上の運用としては、継続適用を条件として、支払時に損金処理しても、大きな問題になることは少ないようです。(具体的な記載箇所はありませんが、短期前払費用(法人税基本通達2-2-14)の考え方からのようです)。
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理由
特記事項なし
補足
上の「法定福利費a/cで済ませてしまう方法」の欠点は、当然ながら、試算表上で残高の検証ができない(残高が生じる預り金a/cや立替金a/cなどを不使用のため)
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