社会保険(健康保険と厚生年金保険)と雇用保険料の、給与天引きの仕訳は?

問題の所在

社会保険、特に雇用保険の給与天引きの仕訳は、

・教科書的に行うと途中の月でズレるリスクがある(特に雇用保険料)

・他方で、簡便的に仕訳するのは(厳密性は書くのかもしれないが)、、、カンタンである!

以下、社会保険(健康保険と厚生年金)と、雇用保険の、給与天引きの仕訳について確認した際の備忘メモ。

 

結論

以下の記事が参考になる:

1)社会保険(健康保険と厚生年金保険料)分

Q34【簡単な方法】社会保険料の会計処理・仕訳は?勘定科目は法定福利費でOK?

(以下、一部抜粋)

(1)従業員負担部分を「法定福利費」で計上する方法(簡単)

一番簡単な方法です。従業員負担分につき、給料天引時は「法定福利費(貸方)」で計上し、会社から年金事務所支払時は、全額「法定福利費(借方)」で計上する方法です。

上記の通り、社会保険料のうち、会社負担分は費用(法定福利費)となりますが、従業員負担分は費用とはなりません。
そこで、従業員負担分を預かった際は、「法定福利費のマイナス」で計上し、従業員等負担分も含めた年金事務所への支払額(会社負担+従業員負担)全額を「法定福利費」として計上することで、借方と貸方が相殺され、結果的に「会社負担分」のみが「法定福利費」で計上される方法です。

借方貸方
毎月給料から預り時給料10,000現金
法定福利費(社保)
8,500
1,500
年金事務所支払時法定福利費(社保)3,000現金3,000
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2)雇用保険分

Q14【簡単な方法】労働保険の会計処理・仕訳は?勘定科目は法定福利費のマイナスでもOK!

(以下、一部抜粋)

(1)現金主義での仕訳

中小企業で圧倒的に多いのは、下記の処理です。現金主義で仕訳を行います。
中小企業の場合は、下記で十分かと思います。

借方貸方
概算払時(2021年4月)法定福利費(労・雇)1,440現金1,440
給与支払時(※1)給料130,000現金
法定福利費(雇)
129,610
390
期末仕訳なし
確定保険料支払時(2022年7月)(※2)法定福利費(労・雇)120現金120
次年度概算払(2022年7月)法定福利費(労・雇)1,560現金1,560

(※1)年間合計の給与仕訳で記載しています(130,000×3%)。実際の毎月の仕訳は、毎月の給料×3%(雇用保険料率)の仕訳となります。
(※2)決算期末(2022年3月)に、未払計上も認められます

(ご参考~前払部分の取扱い~)

厳密には、概算保険料(法人負担分)には、「前払部分」が含まれています
しかし、税務署上の運用としては、継続適用を条件として、支払時に損金処理しても、大きな問題になることは少ないようです。(具体的な記載箇所はありませんが、短期前払費用(法人税基本通達2-2-14)の考え方からのようです)。

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理由

特記事項なし

 

補足

上の「法定福利費a/cで済ませてしまう方法」の欠点は、当然ながら、試算表上で残高の検証ができない(残高が生じる預り金a/cや立替金a/cなどを不使用のため)